TPP交渉が「大筋合意」したことに対して6日、国会前で、TPPからの撤退を迫る「官邸前アクション」が行われました。
現地アトランタでのNGOの行動に参加したアジア太平洋資料センターの内田聖子氏は、交渉で安倍政権は「譲歩に譲歩を重ね、国民を守る姿はなかった」と批判し、「TPPの撤回まで力を合わせてたたかい抜こう」と呼びかけました。
それとは別に天木直人氏は、野党はいまこそTPP臨時国会の召集を要求して、打倒安倍の勢いに弾みをつけるべきとするブログを発表しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
TPP撤退求め官邸前行動
しんぶん赤旗 2015年10月7日
環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が「大筋合意」したことにたいして、TPPからの撤退を迫る「官邸前アクション」が6日、行われました。参加者は、次々と怒りを表明し、国民生活を破壊するTPPをすすめる安倍政権を打倒する共同を広げる決意を語りました。
閣僚会合が行われた米国・アトランタでのNGO(非政府組織)の行動に参加したアジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長が報告。安倍晋三政権の対応を「譲歩に譲歩を重ね、国民を守る姿はなかった」と批判。「『最終合意』ではない。撤回まで力を合わせてたたかい抜こう」と呼びかけました。
日本共産党の国会議員が14人参加し、小池晃副委員長、紙智子参院議員が連帯あいさつしました。小池副委員長は「協定の調印を許さず、『大筋合意』撤回へともにたたかいましょう」と呼びかけました。社民党の議員も訴えました。
野党は臨時国会先送りを許してはいけない
天木直人 2015年10月7日
安保法案に反対して打倒安倍政権を叫んだ野党は、いまこそTPP臨時国会の召集を要求して、打倒安倍のモメンタムに弾みをつけるべきだ。
なぜならTPP協定は安保法案と同根である。 おまけにTPP交渉は秘密交渉だった。
安倍首相はもとより甘利担当大臣ですらその全貌をつかんでいない。 専門的知識も要る。 だから、安保法案と違って、政治的な強弁はできない。 その答弁は官僚に頼らざるを得ない。
国会で追及すれば、安倍首相や甘利大臣はボロを出すだろう。 野党は臨時国会の早期召集を求め、そこで徹底的追及すべきなのだ。 安保法案の追及も臨時国会でさらに続ければいい。 一石二鳥だ。
だからこそ安倍政権は先送りしようとしているのだ。
何としてでも臨時国会の召集は重要である。
そう思っていたらきょう10月7日の朝日が書いた。安倍首相はきのう10月6日の記者会見で臨時国会の先送りを示唆したと。まさか野党はそれを許すことはないだろうな。
そう思っていたら、岡田民主党代表がやはりきのう10月6日に国会内で記者団に語ったらしい。はやく予算員会を開くことが大事だ。閉会中の審査でも構わない、と。
とんでもない発言だ。
TPPをテーマにした臨時国会を開くことと、予算委員会の閉会中審査では済ませる事とは、政府追及の真剣度がまるで違う。
野党第一党の民主党党首がこんな事を言っているようでは、とても安倍政権は倒せない。
そう思っていたらきのう10月6日の読売新聞に次のような民主党議員の発言を見つけた。
民主党政権は2010年10月、当時の首相(菅直人)がTPP交渉参加を日本政府として初めて表明した事で党分裂の一因となった。だから「TPPは鬼門」であると。
何という情けない発言だ。安保法案とまったく同じだ。
民主党は安保法案に次いで、TPPでもまた党が割れているのだ。野党第一党がこれでは安倍政権は倒せない。
安倍政権の暴走を許しているのは野党第一党の民主党である。その民主党が中心となって再び政権交代だと岡田代表も古賀連合会長も言っている。
絶望的な政治状況である(了)