2015年10月4日日曜日

04- 安保法は「クーデター」 法学者の石川氏が講演 人権擁護大会最終日

千葉日報 2015年10月03日
 千葉市美浜区の幕張メッセで開かれている日弁連の「第58回人権擁護大会」で最終日の2日、憲法学者の石川健治氏が特別講演し、安倍政権が成立させた安保関連法について、法秩序を無視した「クーデター」と厳しく非難。「巻き返し」も示唆してみせた。
 
 石川氏は立憲主義の重要性を力説したうえで「憲法は、権力者が自らを抑える自己拘束によってできている。自己拘束を破る政府は、どんな縛りも破ってしまう」と危惧。「(集団的自衛権の行使容認が閣議決定した)昨年の7月1日で戦後は終わったのかもしれないが、まだ巻き返せる」と呼び掛けると、会場から大きな拍手が起こった。
 
 大会では、憲法問題や特定秘密保護法に対する弁護士の取り組みを振り返る「特別報告」も実施。安保関連法の反対デモや、市民向けシンポジウムなどが報告された。日弁連の鈴木克昌副会長は「国民と連携しながら取り組みを行ってきた。今後も積極的な姿勢で臨む」と語った。
 
 東京電力福島第1原発事故の被害者に対し、継続的に無料の健康診断を実施するといった救済措置を取るよう国に求める決議を採択した。また女性の労働環境改善のため、最低賃金の大幅引き上げや時間外や休日の労働に上限規制を設けることも提言した。