毎年ゴールデンウィークに閣僚や国会議員たちが外遊します。今年も一方で北朝鮮危機を煽るなか20名中11名の閣僚が外遊する予定です。
稲田防衛相については当初外遊の予定が伝えられていましたが最終的に予定はなくなりました。首相が率先して北朝鮮危機を煽っている手前もあったのでしょう。
外遊とは関係ありませんが、稲田氏については「早くクビにしないと(防衛省の)組織が崩壊する」と日刊ゲンダイが書いています。
自民党は都議選を控える中で比例復活当選者の外遊は禁止になったということです。
しんぶん赤旗と日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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北朝鮮危機あおる一方 閣僚外遊ラッシュ
しんぶん赤旗 2017年5月2日
安倍政権が核・ミサイル開発を続ける北朝鮮を「重大な脅威」と位置づけ、内閣官房のホームページに弾道ミサイル着弾時の避難方法を掲載するなど危機感をあおる中で、閣僚は例年通り、大型連休を利用した外遊を予定しています。
岸田文雄外相はサウジアラビア訪問を見送りましたが、4月27日から7日間日本を離れています。岸信夫外務副大臣は5月1日から6日までカンボジア、パキスタンを訪問。薗浦健太郎外務副大臣も4月30日にブラジルを訪問しており、北朝鮮問題などの交渉窓口である外務省の外相・副大臣がいずれも日本にいない状態が生じています。
安倍首相は北朝鮮を「新たな段階の脅威」として、当初7日間とした外遊日程を短縮したものの、ロシアと英国の訪問は予定通り行いました。
一方、稲田朋美防衛相は当初、東南アジア訪問を予定していましたが、防衛省の担当者は本紙の取材に対し「予定はない」と回答しました。
閣僚外交日程一覧
安倍晋三首相 ロシア、英国 4月27日~30日
麻生太郎財務相 ブラジル、米国 4月29日~5月3日、イタリア 5月11日~15日
岸田文雄外相 米国、トルクメニスタン、豪州 4月27日~5月3日
世耕弘成経産相 パレスチナ、イスラエル、ウクライナ 5月1日~5日
塩崎恭久厚労相 米国 5月2日~7日
鶴保庸介特命相 イスラエル 5月2日~6日
石井啓一国交相 マレーシア、シンガポール、カンボジア 5月2日~7日
山本幸三地方創生相 米国、アルゼンチン 4月29日~5月7日
松野博一文科相 タイ、シンガポール 4月30日~5月4日
加藤勝信拉致担当相 デンマーク、ベルギー 5月1日~5日
.丸川珠代五輪相 イスラエル 4月28日~5月2日
北朝鮮危機そっちのけ 大臣11人「GW外遊」に税金10億円
日刊ゲンダイ 2017年4月28日
さんざん危機を煽っておきながらいい気なものだ――。北朝鮮情勢が緊迫する中で迎える今年のゴールデンウイーク。思い切りはしゃげない人もいるかも知れない。ところが、恒例の閣僚の“GW外遊”は相変わらず。27日、安倍首相がロシアに出発するのに続き、閣僚たちも世界各地に飛び立つ。20大臣のうち、半数の11大臣がノンビリと外遊する予定である。
11閣僚(別表)の他にも10副大臣、8政務官が外遊予定。費用はVIP待遇の大臣は1回につき約5000万円といわれている。副大臣以下を半分と見積もっても、10億円を超える出費である。
■外務省の大臣、副大臣“全員不在”が4日間
外務省の日程を見て仰天した。北朝鮮との交渉窓口であるはずの外務省。大臣、副大臣が外遊に行ってしまって4日間も“空白”が生じるのだ。
岸田外相は北朝鮮情勢に配慮し、サウジアラビア訪問を取りやめ帰国を早めた。ところが、安倍首相の実弟である岸信夫副大臣はカンボジア、パキスタン、薗浦健太郎副大臣は中南米を訪問する予定で、4月30日~5月3日の4日間は大臣、副大臣が全員、日本にいないことになる。
外務省の大臣、副大臣が日本を離れるということは、本当は、北朝鮮危機など最初からないのか、危機などどうでもいいと思っているのか、自分だけは安全な地域に逃げようとしているのか、いずれかということだろう。
■外務省は外遊、防衛省待機は大問題
ちなみに、役に立つかはともかく、稲田防衛相と若宮健嗣副大臣は一応、国内で待機している。外務省に見解を文書で問い合わせたが、期限までに回答はなかった。政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「北朝鮮と難しい状況に直面している時、外務省は出払って、防衛省は待機しているというのは大問題です。これでは、外交交渉はあきらめて、戦争に備えていると言っているようなものです。それに、官邸や外務省から“空白”にするのはまずいんじゃないかと声が上がらないのもおかしい。いつもの調子でGWを迎えているのでしょう。緊張感がなさ過ぎです」
今度の閣僚の外遊先は、北朝鮮はおろか、中国や韓国も見当たらない。急いでいく必要のない“楽な出張”ばかりだ。1人ぐらい金正恩に直談判しようという大臣はいないのか。やはり、安倍政権に外交は任せられない。