23日に衆院で共謀罪法案が自公維の賛成で強行採決され通過したことを受けて、日弁連会長が、「共謀罪法案が成立すればマンション建設反対の座込みなどで市民団体等が処罰対象となる可能性があるなど、一般市民も捜査の対象となり得るという懸念は払拭できず、問題点は解消されていない。本法案が廃案となることを求めて引き続き全力で取り組む」とする声明を出しました。
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(日弁連会長声明)
いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆議院での採決
に対する会長声明
本日、衆議院本会議において、いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案(以下「本法案」という。)が採決され、衆議院を通過した。
当連合会は、本法案が、監視社会化を招き、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強いものとして、本法案の制定に反対してきた。
本年3月21日の法案上程後、衆議院法務委員会での審議においても、計画(共謀)よりも前の段階から尾行や監視が可能となることが明らかになった。また、対象となる277の罪の中には、例えば、楽譜のコピー(著作権法違反)等の組織犯罪やテロ犯罪とは無関係の犯罪が含まれている。さらに、組織的威力業務妨害罪が対象犯罪とされていることにより、マンション建設反対の座込みが処罰対象となる可能性がある。これらの場合には、「組織的犯罪集団」がテロ組織や暴力団等に限定されず、市民団体等も対象となり、したがって、一般市民も捜査の対象となり得るという懸念は払拭できず、問題点は解消されるに至っていない。
当連合会は、全国の弁護士会及び弁護士会連合会とともに、市民に対して本法案の危険性を訴え、本法案が廃案となることを求めて、引き続き全力で取り組む所存である。
2017年(平成29年)5月23日
日本弁護士連合会
会長 中本 和洋