民進党の蓮舫代表は8日党会合で、共謀罪法案に反対の立場から、テロ対策強化のための対案を週内にも国会に提出する方針を明らかにしました。民進党提出の対案の審議に入れば自民党は頃合いを見て審議は尽くされたとして共謀罪法案を強行採決する惧れがあります。対案の提出はその絶好の口実を与えるものです。
ブログ:「村野瀬玲奈の秘書課広報室」でも、「対案提出には不安と嫌な予感しかない」としてツイッターで述べられている反対意見を紹介しています。例えば
松井計 7:13 PM - 7 May 2017
じゃ、蓮舫に訊きたいが、今までの国会審議でパレルモ条約批准のためには共謀罪は必要ないんだ、従って立法事実がないんだと主張してきた民進の態度はどうするの?これは正しい指摘だったよね。それを、〈やっぱり同条約批准のためには共謀罪、必要でした。立法事実あります〉てことにするのかね?
松井計 7:22 PM - 7 May 2017
山尾や枝野が論理で圧倒して政府に迫り、金田法相の無能さを詳かにした、あのすぐれた国会審議は、いったい何だったんですか? 整合しますか。はっきりと指摘しておきますが、対案提出は明らかな政府アシスト、もっと言えば利敵行為です。
「民進党の共謀罪「対案提出」に不安と嫌な予感しかない」 村野瀬玲奈の秘書課広報室 より
という具合です(詳細は上記のブログをご覧ください)。
民進党に何が何でも共謀罪法案は廃案にするのだという強い意志を感じられないのは、この共謀罪法案に限ったことではないのですが、まことに空しいことです。
安倍首相は3日の憲法記念日に、9条に自衛隊を明記する等の具体的な改正項目とスケジュールを示しましたが、それに対しても民進党は目下のところ明確に反対する状況にはないことをJ-CASTニュースが報じました。
共謀罪法案にしても憲法9条の改憲問題にしても、国民に死活的に関わってくる大問題なのですが、そんな場合でも何故民進党は全く頼りにならないのでしょうか。
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民進党、安倍9条改憲めぐってグダグダ 「反対」蓮舫代表は少数派か
J-CASTニュース / 2017年5月8日
安倍晋三首相が2017年5月3日の憲法記念日に、憲法改正に向け、9条を含めた具体的な改正項目とスケジュールを示したことは、民進党にとっては「不意打ち」になった。民進党内部では憲法改正に向けた足並みがそろっておらず、議員の中にも、安倍氏に近い主張を展開していた議員も少なくないからだ。
蓮舫代表は安倍首相の改正案の表明直後に強い反対姿勢を表明したものの、野田佳彦幹事長は5月8日の定例会見で安倍氏の発言に「違和感」こそ表明したものの、改正内容そのものに対する批判には踏み込まず、民進党のグダグダ感が目立っている。
蓮舫氏「総理の総理による総理のための憲法改悪」
安倍氏は憲法記念日にあたる5月3日の読売新聞朝刊のインタビューや、同日に開かれた改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで、(1)2020年までに憲法を改正し施行を目指す(2)現行の憲法9条1項と2項は維持し、新設する3項で自衛隊の根拠規定を設ける、ことなどを表明。野党時代の12年に自民党が作成した改正草案には「こだわるべきではない」としており、従来と比べて「ハードルの低さ」を強調した。
これに対し、民進党の蓮舫代表は対決姿勢を強めている。5月3日に開かれた護憲派の集会で、蓮舫氏は
「安倍総理は憲法を変えると言う。口を開くたびごとに、どこを変えるのかを変えてくる。総理の総理による総理のための憲法改悪には、絶対に反対をしないといけないと改めて訴えさせてください!」
と反対姿勢を鮮明にした。しかし、民進党内の有力議員の間では今回の安倍氏の発言に近い考えを持つ人が多い。
細野、前原、枝野各氏は「憲法に自衛隊を」主張
4月に執行部の改憲への対応を不満として代表代行を辞任した細野豪志衆院議員は5月4日のブログで、
「9条2項までを維持して自衛隊を明記するというのも、これまでの自民党と総理のアプローチからすると柔軟だ。私も、いつかは憲法に書かなければならないと考えている」
と安倍改憲案に賛成とも取れる考えを投稿した。
民主党時代の代表も務めた前原誠司衆院議員も16年9月2日に行われた代表選立候補者による会見で、
「憲法が公布された後に自衛隊が作られたが、自衛隊の位置づけがない。これについてはしっかりと党内で議論すべきだというのが私の考え方であり、平和主義はしっかり守っていきたい」
と発言し、今回の安倍首相に近い考えを表明している。
枝野幸男衆院議員に至っては「文芸春秋」13年10月号に発表した改正憲法の私案で、現行の9条の次に「9条の2」「9条の3」を追加。「9条の2」では「自衛権に基づく実力行使のための組織」を規定し、「9条の3」で国連軍の参加にも触れていた。
民進党の大物政治家がそろって安倍首相の9条改正案に近い考えと言える。
野田幹事長「今、我が党は正面からお答えをする段階ではない」
こういった中で、野田佳彦幹事長は5月8日の記者会見で、
「憲法審査会で丁寧に議論を積み上げているときに、行政府の長が『五輪を2020年までに』とか『国会議論の活性化のために』とか、立法府の審議のありように非常に強く介入する形でこういう発言をしたことについては、きわめて違和感を感じざるを得ない」
と安倍氏の発言の意図をいぶかり、
「まずは自民党内で、この議論を整理することが先決」
と党内で意見集約した上で憲法審査会で議論すべきだとした。
しかし、党内の意見がまとまらないのは民進党も同じで、野田氏は
「党で色々意見があると思うが、改正項目として絞り込んでいくかについては現段階では、我が党では(今回の9条のような意見は)なかった」
と発言。再び憲法審査会の議論に触れながら、
「急にこの9条。しかも従来の自民党の議論と違うということについては、それを今、我が党は正面からお答えをする段階ではない」
と述べるにとどめた。