憲法9条に3項を設けて自衛隊を明記するとした安倍首相の9条改憲発言は、各界から反発を受けています。
そしてその発言が 日本会議幹部伊藤哲夫氏が昨年提唱していた狡猾な改憲戦略を丸写ししたものであることも既に暴露されています※。
しんぶん赤旗は13日、さらに踏み込んで、第1次安倍政権から安倍首相のブレーンをつとめてきた伊藤哲夫・日本政策研究センター代表が、「憲法第9条に3項を加え、『但し前項の規定は確立された国際法に基づく自衛のための実力の保持を否定するものではない』といった規定を入れること」と述べていることを明らかにしました。
同センターの小坂実研究部長も、「・・・9条2項は、今や国家国民の生存を妨げる障害物…。速やかに9条2項を削除するか、あるいは自衛隊を明記した第3項を加えて2項を空文化させるべきである」と述べているということです。
9条に「自衛隊の保持を加憲する」目的が、戦力不保持と交戦権を禁じた9条2項の「空文化」にあることは明々白々です。
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安倍首相改憲発言は――「日本会議」のシナリオ
「但し書き」で9条2項を空文化 東京・大田区演説会 志位委員長が告発
しんぶん赤旗 2017年5月13日
日本共産党の志位和夫委員長は12日、東京都大田区内で開かれた都議選勝利・躍進をめざす演説会で演説し、憲法9条に3項を設けて自衛隊を明記するとした安倍晋三首相の9条改憲発言のシナリオを書いたのが、改憲右翼団体の「日本会議」であることを明らかにしました。そのなかで、9条に3項を付け加える狙いが、戦力不保持と交戦権を禁じた9条2項の「空文化」を図ることにあると、あけすけに語っていることを告発しました。
志位氏は、「都議選はこの安倍改憲に対する最初の審判になります。自公政権による憲法破壊から、世界に誇る9条を守れ―どうかこの声を日本共産党に託してください」と熱く支持を訴えました。
安倍首相の9条改憲発言は、「日本会議」が3日に開いた改憲集会にビデオメッセージとして寄せられたもの。志位氏は、その日本会議関係者からすでに9条の3項に自衛隊を明記する改憲論が出されていることを示しました。
日本会議の政策委員で、第1次安倍政権から安倍首相のブレーンをつとめてきた伊藤哲夫・日本政策研究センター代表は、「憲法第九条に三項を加え、『但し前項の規定は確立された国際法に基づく自衛のための実力の保持を否定するものではない』といった規定を入れること」(同センター機関誌『明日への選択』昨年9月号)と提案。さらに同センターの小坂実研究部長は、「『戦力』の保持を禁じ、自衛隊の能力を不当に縛っている九条二項は、今や国家国民の生存を妨げる障害物…。速やかに九条二項を削除するか、あるいは自衛隊を明記した第三項を加えて二項を空文化させるべきである」(同誌昨年11月号)としています。
志位氏は、「安倍改憲発言のシナリオを書いたのは日本会議でした。そして、ここには、9条に3項を加え自衛隊を位置付ける狙いが、9条2項の空文化=死文化にあることがあけすけに語られています。こうなれば、自衛隊は2項の制約から解き放たれ、海外における武力行使は無制限になってしまいます。9条が9条でなくなる」と批判し、安倍改憲を許さないたたかいを呼びかけました。