2020年5月15日金曜日

15- 検察庁法改正案の強行採決に向けて安倍首相の嘘八百(LITERA)

「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートは1000万件近くに達したということです。如何に国民が怒っているかを示すものです。
 それなのに14日の記者会見で「検察庁法改正案」に関して安倍首相が吐いた大ウソは余りにも国民をバカにしたものでした。
 首相が不要不急の改正法案を何が何でも今の国会で成立させようとしているのは、自分が退陣した後も検察から訴追を受けない体制を構築しておこうという意図からです。逆に言えば「法を犯している」という意識があるということです。それなのに連日の国会で何故あんな態度が取れるのでしょうか。

 14日の会見で安倍首相は、
「検察庁法の改正は~まさに公務員全体の定年延長にかかわるもので、~そもそも検察官は行政官であり~(その人事は)従来、内閣または法相がおこなうこととされています」
「今回の改正により三権分立が侵害されることはもちろんありませんし、恣意的な人事がおこなわれることはまったくないということは断言したい(要旨)
と大ウソを述べ立てました。
 もし本当にそうであれば、何もこの火急の事態の中でそんなに急いで成立させる必要は何もないわけです。よくもまあ白々しい大ウソを平然と吐けるものです。「稀代の・・・」と言う言葉を思い出してしまいます。
「猫がネズミを捕ってもニュースにならない」という喩えはあるのですが・・・

 LITERAの記事を紹介します。
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検察庁法改正案が抗議の声を無視し強行採決へ! 
安倍首相は会見で「黒川さんの人事はまだ決めてない」と国民を舐めきった嘘八百
LITERA 2020.05.15
 安倍首相が国民を虫けら同然に考えていることが、これではっきりとした。SNSを中心に反対の声が大きくあがっている検察庁法改正案について、きょう15日の衆院内閣委員会で強行採決することを、自民党幹部が明言したからだ。
 新型コロナ対応に全力を傾けるべきときに、どさくさ紛れの火事場泥棒で問題だらけの法案を押し通そうとしている──先週8日、検察庁法改正案が審議入りしたことを知った有名人を含む多くの人びとは、こんなことは許されないと危機感を抱き、国会前で抗議ができないいま、Twitter上で反対の声をあげた。その数は1000万近くという驚異的な数字にまでなっている。

 だが、これを安倍政権は真正面から無視。安倍首相は「インターネット上でのさまざまな意見に政府としてコメントすることは差し控える」(12日の衆院本会議)などと受け合わなかった。さらに、13日には、内閣委員会の委員で自民党所属の泉田裕彦衆院議員がTwitterに〈強行採決は自殺行為〉〈与党の理事に強行採決なら退席する旨伝えました〉と投稿したのだが、その後、自民党は泉田議員を内閣委員から外すという暴挙に出たのだ。
 国民からあがる反対の声を黙殺し、党内からあがった異論も強権的に封殺する……。安倍首相がやっていることは独裁そのものではないか。
 しかも、昨日おこなわれた総理会見でも、記者から検察庁法改正案をいま押し進めることの問題について質問が飛んだが、安倍首相はデタラメばかり並べ立てたのだ。

「検察庁法の改正についてでありますが、今般、まさに公務員全体の定年延長にかかわることでもあるわけでございますが、政府としてはご承知のように、いま、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に全力をあげて100%の力を入れて取り組んでおります。一方、国会においてはさまざまな法案ですね、この法律だけではなくて年金等々もあります。さまざまな法案においてですね、国会議員としての、立法府としての役割を果たしていただいていると思っております」
「そもそもですね、検察官は行政官であります。行政官でございますから、三権分立ということにおいてはまさに行政、強い独立性を持っておりますが、行政官であることは間違いないんだろうと思います。また、今度は内閣がですね、任命するというのはおかしいじゃないかと言われておりますが(笑)、そもそもですね、そもそも従来、内閣または法相がおこなうこととされておりまして、認証官については内閣がおこなう、それ以外については法相がおこなうことでございます」
「今回の改正により三権分立が侵害されることはもちろんありませんし、恣意的な人事がおこなわれることはまったくないということは断言したい」

 何から何までデタラメばかりでツッコミが追いつかないが、そもそも、野党は先月末には家賃支援の法案を提出しているというのに、いまごろ第二次補正予算案の編成を指示している時点で「新型コロナに100%の力を入れて取り組んでいる」などと胸を張れるような状況に安倍首相はない。その上、国民から不信の目が向けられ、異論が噴出している検察庁法改正案をゴリ押ししている時点でどこが「100%」と言えるのか。
 しかも、今回の検察庁法改正案を「公務員全体の定年延長にかかわること」「三権分立が侵害されることはない」「恣意的な人事がおこなわれることはまったくない」と主張することも、「そもそも検察官は行政官」「従来、任命は内閣または法相がおこなうもの」などと言うことも、すべてデタラメとごまかしの詐術だ。

安倍首相「三権分立が侵害されることも恣意的な人事もまったくない」…嘘つけ!
 まず、検察官は行政官ではあるが、同時に検察官は司法とも密接な関係にある準司法官とされる。検察は捜査権と公訴権を有する唯一の機関で、この国で閣僚クラスの大物政治家の汚職を摘発するのも実質的に検察だけだ。政治からの中立性と独立性が求められ、だからこそ一般の国家公務員とは一線を画す特別公務員に位置付けられている。それをそもそも「検察官は行政官」などと言って済ませるのは暴論だ。
 その上、安倍首相は「従来、任命は内閣または法相がおこなうもの」などと言うが、そんなことは誰でも知っている。いま問題になっているのは、改正案において、内閣や法相が認めれば特例として最高検次長、高検検事長、地検検事正ら検事総長を除く幹部は役職定年の63歳になった後もその役職にとどまれるという「例外規定」を設け、さらに検事総長を含むすべての検察官は、やはり内閣や法相などが認めれば65歳になってもその役職のまま退職を先送りできる「定年延長制度(勤務延長制度)」を設けたことだ。

 こんな法案が成立してしまえば、“安倍首相の番犬”“安倍政権の守護神”などと称されている黒川弘務・東京高検検事長のような政権の意を受けて動く検察幹部だけが定年を延長され、政界捜査を後押しする検察幹部が排除されていくことになるのは必至。検察内部に政権忖度と萎縮がどんどん進み、検察官の独立性が完全に失われてしまう。にもかかわらず、安倍首相は「三権分立が侵害されることはもちろんありませんし、恣意的な人事がおこなわれることはまったくない」などと言い放ったのだ。
 黒川検事長を検事総長に据えるために脱法行為を働いてまで定年延長し、その後付けとさらなる権力掌握のための法案改正を強行しようとする安倍首相に国民から批判の声があがるのは当然の話だが、しかし、安倍首相はそんなことは意に介さず、会見でいけしゃあしゃあとこんなことも口にした。
「黒川さんの人事についてはまだ決めておりませんから、いまここで私がそれを申し上げるというのは恣意的になるのではないかと思いますので(笑)、いま、この段階では申し上げることができない」
 恣意的な人事介入を合法化する法案を強行しようとしているのに、この言い草……。はっきり言って、国民を舐めているとしか思えない。

13日の委員会採決ができなかった安倍政権 もっと大きな声を上げて追い詰めよう!
 実際、安倍首相は「国民の声に耳を傾ける」という総理大臣として当然求められる行為を、「国民に屈する行為」だとでも思っているのだろう。現に、安倍自民党の幹部は、大きなうねりを生み出したTwitterでの抗議運動に対し、「いまから芸能人が反対したところで法案審議は止まらない」(朝日新聞13日付)と一蹴。また、日本テレビは「支持率は下がるだろうが、選挙がしばらくないから採決を強行するだろう」という自民党関係者の言葉を伝えていた。安保法制を強行採決する前も、安倍自民党からは「法案が成立すれば国民は忘れる」などと国民をバカにしきった発言が出ていたが、またも国民を舐めきっているのだ。
 そして、きょうおこなわれると見られる衆院内閣委員会での強行採決──。だが、希望はまだある。というのも、安倍自民党はこの法案をもともと13日に委員会で採決し、今週中に衆院を通過させる予定だったが、ネット上の国民の声の大きさが影響して強行はできないと踏み、今週中の衆院通過を断念、委員会採決もきょうまで延ばしてきた経緯がある。ようするに、国民の声の高まりを無視する姿勢を取りながら、実際にはじわじわと追い詰められていることはたしかなのだ。

 しかも、国民の声の高まりは、検察官OBをも動かした。松尾邦弘・元検事総長ら検察OB十数人が本日、検察庁法改正案に反対する意見書を法務省に提出するというのだ。〈検察の元トップが法務省提出の法案に対し、公然と異を唱えるのは異例〉(東京新聞14日付)のことだが、それだけ危機感を抱いた国民の意思表示が、土壇場で空気の流れを大きく変えているのである。
 だからこそ、さらに強く抗議するほかない。国民の声を無視した強行採決は、絶対に許されない。安倍首相がいくら耳を塞いでもそれをつき破るような声で〈#検察庁法改正の強行採決に反対します〉と叫ぼう。(編集部)