2020年5月8日金曜日

史上最悪 消費税コロナ大不況転落の日本経済 コロナ禍で焼け野原に

 安倍政権は昨年10月、とてもそんな状況ではなかったにもかかわらず無理に消費税を10%にアップしました。モリカケ問題などで財務省をあげてのバックアップを受けていたために、これ以上の延期が出来ない立場に追い込まれていたからと見られていますが、そんなことで国の舵を誤ることに何の負い目も感じていないのでしょうか。
 その結果は予測された通り実質GDP成長率は昨年10~12月期に年率マイナス71に落ち込みました。安倍首相が嫌韓感情から行った対韓国輸出規制と、それに対して韓国民から訪日拒否や不買運動を起こされたのも当然影響しました。
 もともと第2次安倍内閣発足後の実質GDP成長率(前期比年率)単純平均値は+0・9と低く、民主党政権時代の実質GDP成長の同平均値は+1・7の半分程度でした

 5月18日に発表される3月期の実質GDP成長率も昨年10~12月期並のマイナス成長になり、コロナ禍の影響が加わる46月期の実質GDP成長率年率マイナス20%程度に急落するとみられるということです。
 安倍政権はPCR検査を今もなお極端に抑制しているので、一体いつになったら自粛・休業の体制から正常な経済活動が再開できるのか全く見通せません。

 経済学者・植草一秀氏の「史上最悪消費税コロナ大不況転落の日本経済」を紹介します。
 日刊ゲンダイの「コロナ焼け野原後の日本はどうなる」を併せて紹介します。
 安倍政権下の将来は暗澹たるものです。
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史上最悪消費税コロナ大不況転落の日本経済
植草一秀の「知られざる真実」 2020年5月 7日
コロナウイルスの感染拡大がもたらす経済への打撃は計り知れない。
経済への打撃とは各産業の売上への打撃であり、企業や労働者の所得への打撃である。
日本の実質GDP成長率は昨年10-12月期に年率マイナス7.1%を記録した。
消費税増税の影響で深刻な不況に突入したことが裏付けられた
日本経済は2018年10月を境に景気後退局面に移行していた。
第2次安倍内閣が発足してから日本経済が不況に突入したのは2度目である。

1度目は2014年3月から2016年5月の不況だった。消費税増税、中国経済波乱、円高進行が背景になった。2年強の不況を経験している。
消費税増税が深刻な不況をもたらすことが警戒されたが、安倍内閣は消費税増税を強行した。
その結果として日本経済が深刻な不況に陥ったのだ。

ところが、安倍内閣は2019年10月に2度目の消費税増税を強行した。
諸費税増税を強行すれば日本経済が再度不況に転落することは明らかだった。しかし、安倍内閣は増税を強行した。二度にわたる消費税増税を積極的に支持したのが黒田東彦日銀総裁。
いずれも「消費税増税の影響は軽微だ」と主張し続けたが、現実はまったく違った。

アベノミクスが成功したというのは完全なフェイクニュースである。
第2次安倍内閣発足後の実質GDP成長率(前期比年率)単純平均値は+0.9%である。
民主党政権時代の実質GDP成長率(前期比年率)単純平均値は+1.7%。
民主党政権時代に東日本大震災があった。日本経済は暗闇に包まれていた。
ところが、第2次安倍内閣発足後の日本のGDP成長率は、あの民主党政権時代の成長率を大幅に下回る。成長率平均値は半分に近い。

2018年10月以降、日本経済は安倍内閣の消費税大増税により未曾有の不況に転落した。
そのさなかにコロナウイルス感染拡大が広がった。安倍内閣は消費税大増税不況を隠すが、今回不況の第一の原因は消費税増税にあり、その不況を加速させているのがコロナウイルス感染拡大なのだ。

5月18日に本年1-3月期のGDP統計が発表される。昨年10-12月期に続いて2四半期連続のマイナス成長になることは間違いない。
しかし、コロナウイルス感染拡大を背景に緊急事態宣言が発出されたのは4月7日だ。
3月1日には小池百合子氏が知事を務める東京都が主宰する東京マラソンが強行された。小池知事は東京五輪7月開催に向けてまっしぐらに突き進んでいた。

コロナウイルス感染拡大の影響が本格的に統計数値に表れるのは本年4-6月期である。
1-3月期の実質GDP成長率も昨年10-12月期並のマイナス成長になることが予想されているが、4-6月期の成長率は年率でマイナス20%程度に急落することが想定される。文字通り、これまで経験したことのない大不況に転落している。

米国の1-3月期実質GDP成長率は年率マイナス4.8%だった。衝撃的なのは米議会予算局(CBO)が示した成長率予測だ。CBOは4-6月期の米実質GDP成長率を年率マイナス39.6%とした。生産水準が年率で4割も急減するとの見通しを示した。世界大不況の到来と表現できる。

日本も米国も経済のサービス化が進行している。
2020年3月の日本の就業人口構成比を見ると、6700万人の就業人口のうち、
宿泊業・飲食サービス業    401万人
生活関連サービス業・娯楽業  234万人
その他サービス業       454万人
卸売業・小売業       1083万人
製造業           1045万人
建設業            512万人
運輸業・郵便業        349万人
になっている。合計で4078万人だ。
これらの業種で極めて深刻な影響が広がっている。
安倍内閣は国民生活が緊急事態にあることを認識して財政政策を中心に緊急事態対応を直ちに実行する責務を負っている。
(以下は有料ブログのため非公開)


コロナ焼け野原後の日本はどうなる
 日刊ゲンダイ 2020/05/03
長引く災禍、経済不安を利用した改憲への動き、強権を求める世論の危うさ
 この連休中の自粛効果が表れるのが2週間後だ。新型コロナの感染拡大は、いったん収まったかに見えても、流行の第2波、第3波とズルズル続くことが予想されている。長期にわたり経済は停滞、日本経済は大不況から立ち直れなくなる――。

 そういう不安から、欧米のように強制的なロックダウンを行える法整備を求める声も上がり始めた。自粛要請では強制力も罰則もないからダメというのだ。
 自民党内には、憲法を改正して「緊急事態条項」を創設するべきだという意見がある。内閣に独裁的な権限を与える「緊急事態条項」は、安倍首相がもくろむ憲法改正の柱のひとつ。連休明けも感染者数が減らなければ、憲法改正の議論が一気に高まる可能性がある。

諸外国と比べて新型コロナウイルス対策が後手後手なのは、政権が無能なせいなのに、『憲法が悪い』と言い出し、コロナ禍を憲法改正につなげようとしている。感染症対策の基本である徹底検査を行わないのは、あえて危機的な状況をつくり出しているのではないかと勘繰りたくなります。コロナに便乗して火事場ドロボー的に憲法改正をやってしまおうというのであれば言語道断。首相の邪な悲願のために、国民の命が犠牲にされるのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
 危ういのは、「危機に強いことがリーダーの資質」などと、世論の側からも強権発動を望む風潮が蔓延しつつあることだ。不安感情が強いリーダーを求め、その結果、全体主義が台頭するのは歴史の教訓でもある。
 強力な権限があれば感染が確実に止まるわけではないのに、簡単に独裁を与えていいのか。コロナ禍では、国民の良識も試されている。

次の選挙まで覚えておこう 邪な政治家、無能の政治屋
 今度のコロナ禍でよく分かったのは、7年以上の長期にわたり君臨し1強を誇ってきた安倍政権が、危機を前にして無力無能だったということだ。
「武漢で原因不明の肺炎」と中国政府が発表したのは昨年12月末。年明け早々、台湾や韓国などで対応策が協議されていたのに、日本政府は「人から人への感染は低い」と危機感ゼロ。対策本部を設置したのは1月30日だった。春節の中国人観光客を大勢受け入れ、安倍は国民の命より習近平国家主席の国賓訪日を優先した。

 コロナが蔓延し、市中感染で経路を追えなくなってもPCR検査を増やさず、対策は専門家会議に丸投げ。加藤厚労相はただの腹話術人形だった。東京五輪の“完全実施”にこだわり「一定程度持ちこたえている」と警戒を緩ませ、その結果、感染拡大が止まらなくなると、PCR拡大に舵を切った。
 緊急事態宣言にしても、休業要請と補償はセットなのにケチる。西村コロナ担当相は「休業補償をしている国はない」とフェイク情報を流し、麻生財務相は一律現金10万円について「手を挙げた方に給付する」と上から目線。極め付きが「アベノマスク」の愚策だ。不良品だらけで納入業者が未配布分の全量回収に追い込まれた。
「有事対応は政権の見せ場。災禍のただ中で国民は政治に期待をかける。だから韓国では総選挙で与党が大勝し、ドイツではメルケル首相の評価が高まった。ところが日本は逆で、安倍政権の支持率は下がっている。危機管理で最も重要なのは、法律や平等も超越した判断と決断と実行力。リーダーが首をかけてでも責任を取る姿勢を見せられるかです。それが試されているのですが、現状、安倍政権は情けない限りです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 来年10月が任期満了の衆議院は1年半以内に必ず総選挙がある。コロナ禍が終息しても、邪な政治家、無能の政治屋を絶対に忘れてはならない。