米軍の最新鋭ステルス戦闘爆撃機F35A・F35Bは、いまだに操縦ソフトもハードも未完成で墜落に結びつく13もの致命的な欠陥(19年6月時点)を持っていることを米国自身が認めています。
米海兵隊が3月に発表した「部隊計画案2030」によると、F35の機数を1部隊当たり16機から10機に、全9部隊で54機削減することを提案しています。
韓国も新型コロナ対策としてF35などの支払いを先送りし、その分を全世帯に支給する「緊急災害支援金」に充てたうえに、米国から在韓米軍の駐留経費を4~5倍に増やすようにという要求に対しては、「昨年負担額の13%アップが限度」と回答しました(4月)。
よく知られている通り安倍首相はトランプの歓心を買うために、F35A・F35Bを合せて105機も爆買いする計画を公表しています(現有の機数は42機)。
F35は1機当たり132億円(F35B)もする「史上最も高額な兵器システム」ですが、その寿命は普通の戦闘機の3分の1しかありません。しかもF35は消耗品の補充や維持管理に多大な費用が掛かるので、運用・維持費の総額は6兆円を超える(現有分を含む)と見られています。
米国自体が欠陥航空機と認めているF35に何故そんな莫大な国費を投じようとするのか、そもそも専守防衛の日本の自衛隊がなぜ爆撃機を購入するのか、何もかも筋道を外れています。
安倍首相がひれ伏している盟主のトランプが言うことだからは、特に防衛に関しては通用しません。トランプからは今後在日米軍の駐留経費の大幅アップを迫られますが、その時にはせめて不当な要求をはね返す韓国の気概を学ぶべきです。
しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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米海兵隊 F35調達54機削減 それでも安倍政権“爆買い”か
コロナ危機 韓国も先送り
しんぶん赤旗 2020年5月27日
米海兵隊が主力戦闘機として位置付けているF35Bステルス戦闘機の調達計画を大幅に見直し、54機削減を提案していることが分かりました。新型コロナウイルスによる戦後最大級の経済危機の中、安倍政権による米国からのF35戦闘機105機の“爆買い”も問われます。
米海兵隊が3月23日に発表した部隊計画案「フォース・デザイン2030」によれば、中国などを念頭に、「沿岸」での戦闘能力を強化。長距離砲撃能力や無人機などを強化する一方、F35については、「将来の部隊にとっての、F35の性能要求の明確な理解をいまだ持てていない」と述べた上で、乗組員の不足を直接的な理由として、1飛行隊あたりの機数を16から10に削減することを提案しています。F35Bが16機配備される飛行隊は9あるため、54機削減となります。岩国基地(山口県岩国市)に配備されている第121戦闘攻撃中隊にも16機配備されています。
さらに、地上部隊の大幅な削減も提案。これに伴い、地上部隊を輸送するMV22オスプレイやCH53ヘリなどの部隊も削減するとしています。
米海兵隊に深い人脈を持つ軍事社会学者の北村淳氏は、一連の背景をこう指摘します。「戦闘攻撃機やヘリは、海兵隊の“花形”である強襲上陸作戦に不可欠だが、中国を相手に、敵地に乗り込む同作戦を遂行することは難しいという認識がある。調達価格も維持費もとてつもなく高額なF35を削減することで、中国の海洋進出を防ぐ接近阻止戦術に不可欠な無人機・地対艦ミサイル・長射程ロケットの開発・調達に回そうと考えている」
F35は「史上最も高額な兵器システム」といわれ、米国内でも配備の是非が問題になってきました。とりわけ、新型コロナをめぐって医療体制が問われ、軍事費削減を求める声が強まっています。こうした中で、海兵隊は組織の生き残りのため、“現実的”選択を取ろうとしています。
米トランプ政権はF35の海外輸出を進めていますが、韓国でも、F35などの支払いを先送りし、新型コロナ対策として全世帯に支給する「緊急災害支援金」に充てています。
一方、安倍政権は2018年、トランプ政権の要求に応じ、F35戦闘機105機の追加購入を決定。空軍仕様のAが63機、海兵隊仕様のBが42機で、防衛省は平均単価を116億円としていますが、F35Bの機体単価は132億円と割高です。既存の42機と併せて147機態勢を維持した場合、運用・維持費総額は6兆円を超え、日本の財政に深刻な影響を与えます。ただ、現時点で米政府は、FMS(対外有償軍事援助)に基づく日本へのF35の追加売却を正式承認していません。105機の爆買いは、ただちに撤回すべきです。