2023年4月7日金曜日

岸田大軍拡 異議あり 佛教大学 廣瀬卓爾さん/ジャーナリスト 金平茂紀さん、

 佛教大学名誉教授の廣瀬卓爾さんは、岸田政権の安保3文書閣議決定は、平和主義を踏みにじり、ひたすら軍拡に向かう現政権の姿勢を示すものであると批判しました。そして浄土宗平和協会代表として、太平洋戦争の総力戦体制下で、浄土宗は非戦・反戦の立場を貫いて戦争の遂行に抗することができず、浄土宗の「教理・教学」を時代の翼賛思潮や戦争推進者の意向に合わせて変質させ、人々を戦争に駆り立てたことを「懺悔」しなければならないとした上で、いまこそ平和主義憲法のいっそうの堅持に注力し、戦争にすすむ流れを止める時だと述べました。

 ジャーナリスト金平茂紀さんは、「安保3文書」は戦争をしないと誓った戦後の日本のありようを根本的に変えるもので今、起きていることは「戦争のできる国」づくりであり、その最前線にあ沖繩の人たちは、戦争になれば真っ先に自分たちが標的になることを分かっているとして、こうした沖縄の現状をよそに大手メディア幹部・OBが「安保3文書」改定に向けた有識者会議のメンバーとして参加していたのは、ジャーナリズムの人間として恥ずかしい限りであると述べました
 そして「戦争のできるにしていこうという動きを黙ってみているだけでいいのか」と問いたいとして、「新しい戦前」にしないために必要なのは声を上げ続けることだとして、「諦めたら終わりです。だからこそ僕は声を上げ続けます」と述べました。
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岸田大軍拡異議あり 戦争に加担せず 心に刻み
         佛教大学名誉教授・浄土宗平和協会理事長 廣瀬卓爾さん
                        しんぶん赤旗 2023年4月6日
 岸田政権が安保3文書を閣議決定しました。多くの国民の異議申し立てに耳を傾ける姿勢をみじんも持たず、「専守防衛」を堅持してきたこれまでの方針の大転換です。
 国民主権をないがしろにし、平和主義を踏みにじり、ひたすら軍拡に向かう現政権の姿勢に大きな危機感を覚えます。
 浄土宗平和協会は、アジア太平洋戦争に浄土宗がどのように関与したのか、史資料の検証を行っています。総力戦体制下で、非戦・反戦の立場を貫いて戦争の遂行に抗することができませんでした
 収集した史資料は、教団の根本とも言うべき「教理・教学」を時代の翼賛思潮や戦争推進者の意向に合わせて変質させ、変質させた教理を基礎にして人々を戦争に駆り立てた事実を明らかにしています。深く心に刻み「懺悔」しなくてはなりません。
 16世紀に一貫して平和を訴えた神学者・エラスムスは著作『平和の訴え』の中で、「(宗教者は時や場所を潤わず)平和を説き、平和をたたえ、平和を人ぴとの心の奥底に刻み込むべきであり、たとえ武力による紛争の解決を阻止することができなくとも、決して戦争を是認したり戦争に参加したりすべきではない」と残しています。世界のすべての宗教者がかみしめるべき言葉だと受け止めています。
 私たちが尊重し、また誇りとしてきた平和主義憲法のいっそうの堅持に注力し、戦争にすすむ流れを止める時だと思います。 (聞き手 加来恵子)


岸田大軍拡異議あり 僕は声を上げ続けます ジャーナリスト 金平茂紀さん
                         しんぶん赤旗 2023年4月7日
 「安保3文書」は戦争をしないと誓った戦後の日本のありようを根本的に変えるものです。「専守防衛」を逸脱して、平和主義を投げ捨てることを閣議で決めてしまう。暴走どころの話ではないです。防衛費を今後5年間で43兆円にまで増やして米国や中国に次ぐ軍事大国にしようなんて、多くの国民は望んでいないと思いますよ。
 今、起きていることは「戦争のできる国」づくりです。沖繩はその最前線にあります。先日、沖縄の与那国島に行ってきました。島には自衛隊のミサイル部隊が配備されつつあります。取材のためにレンタカーを借りようとしたら、残り1台しかありませんでした。ほかの車はみんな工事関係者が使っているというのです。
 島民の中には、自衛隊誘致に賛成でもミサイル部隊が配備されることには反対の人がいます。戦争になったら真っ先に自分たちが標的になることを分かっているのです。反対の声があるにもかかわらず問答無用で配備を進めるやり方は、あまりにも強引です。
 こうした沖縄の現状をよそに大手メディア幹部・OBが「安保3文書」改定に向けた有識者会議のメンバーとして参加していました。ジャーナリズムの人間として恥ずかしい限りです。メディアは公権力(政府)と常に緊張関係を持たなくてはいけない。僕の師であり、報道番組のキャスターを務めた筑紫哲也さんが生きていたら恥辱のあまり舌打ちしていたでしょう。「何をやっているんだ」と。
 僕は昨年2度ウクライナに行き、日本の憲法9条の価値を改めて実感しました。でも政府や一部野党は、ウクライナで起きている戦争を奇貨として「自分の国が攻められたらどうするんだ。敵を攻撃する能力も必要だ」と勇ましいことを言っている。戦争は究極的には人殺しです。一番の被害を受けるのは一般市民です。これ以上「殺すな」といいたい。
 僕は今年70歳になります。テレビとい年で、不完全ながらも戦後の民主主義の中で生きてきた戦争放棄をうたった日本国憲法によって守られてきた。それをないがしろにする政府の動きに強い危機感を覚えています。
 『戦争のできるにしていこうという動きを黙ってみているだけでいいのか」と問いたい。あるテレビ番組でタモリさんが「新しい戦前になるのでは」と話していたことが話題を呼ぴました。「新しい戦前」にしないために必要なのは声を上げ続けることだと思っていす。諦めたら終わりです。だからこそ僕は声を上げ続けます。 (聞き手 田中真聖)
                             (写真  宮下秀和)