2024年2月29日木曜日

29- 人々の目をガザに向けるため自分に火をつけたアーロン・ブッシュネル

 アメリカの首都ワシントンにあるイスラエル大使館前で26日午後、米空軍兵士アーロン・ブッシュネルが自らの体に火をつけて焼身自殺しました。

 彼は事前にフェースブックに次の投稿をしていました。

 「我々の多くは『奴隷制時代に生きていたら私は何をするだろう?』と自問したがる。それともジム・クロウ・サウス? それともアパルトヘイト? もし自国が大量虐殺を犯したら私は何をするだろう?」・・・ 「答えは、あなたはしている。まさに今」

 火をつける前、「究極の抗議行為」であり「もはや虐殺に加担しない」と主張し、火をつけてからも、「パレスチナを解放せよ」と叫び、燃えている間、彼は信じられない程長時間立ったままで、声をあげるのをやめた後も彼はずっと立ったままでした。

 ケイトリン・ジョンストン2日連続でブログに投稿しました。
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今までに起きたことで最もアメリカ的なこと
              マスコミに載らない海外記事 2024年2月27日
 今日、ワシントンのイスラエル大使館前で男性が焼身自殺した。ガザでの大量虐殺への抗議だと彼は言った。
                 ケイトリン・ジョンストン 2024年2月26日













 今日、ワシントンのイスラエル大使館前で男性が自身に火をつけた。ガザでの大量虐殺への抗議だと彼は言った。
 事件の映像を入手できたとフリージャーナリストのタリア・ジェーンが報じているが、匿名男性は自分で記録したもののようだ。男性は自分は「アメリカ空軍現役隊員」で「もはや大量虐殺に加担しない」と言ったとジェーンは報じている。着火後、彼は繰り返し「パレスチナを解放せよ」と叫んだ。
 ジェーンによると、警察官が現れ、燃えている男性の体に銃を向けた。アメリカ人警官が、どうしたらいいかわからない時にすることだと思う。実際男性を救おうとしていた人は「銃はいらない、消火器が必要だ!」と叫んだと伝えられている。
 これは私が今まで聞いた中で最もアメリカ的なものかも知れない。ハリウッド映画に登場する偽のハクトウワシの鳴き声よりアメリカ的だ。クラッシュ・カーレースのモンスタートラックや銃乱射事件よりアメリカ的だ。救急隊員が、戦争犯罪に抗議して恐ろしい死に方をしている男性に、銃を向けるのをやめ、消火器を取りに行けと警官に叫ぶ出来事ほど、アメリカにぴったりなものはない。アメリカ帝国の本質や表現を要約する歴史上の瞬間を一つ挙げるとすれば、これのはずだ。

更新: ワシントンDCのイスラエル大使館前での焼身自殺の映像を入手した。
軍服を着たこの人物は「自分はアメリカ空軍の現役兵士だが、もはやジェノサイドの共犯者であることには耐えられない」と自己紹介した。
着火後、彼は「パレスチナ解放」と繰り返し叫んだ。
https://t.co/wk5LGK4Hp2 pic.twitter.com/EX1L8zG8tR
— Talia Jane ❤️‍ 2024年2月25日

 この男性は「命にかかわる怪我を負って近くの病院に運ばれたが現在も重体」とニューヨーク・タイムズ紙は報じている。報道によれば米空軍広報担当者がこの男性は現役隊員だと確認したという
 事件前に「これから過激抗議行動をする」と発言するのをこの男性が記録していたと報じられている。「しかし、入植者の手によってパレスチナで人々が経験していることに比べれば、これは全く極端ではない。そのことを我々の支配階級が、あたりまえのことと決めた」
 この無名の抗議者は正しい。ガザの人々は生きたまま焼かれ、倒壊した建物の下で窒息死し、麻酔なしで手術や切断を受け、飢え死にし、愛する人が目の前で死ぬのを見て、欧米にいる我々の大半には想像さえできない苦しみを経験している。そして、支配階級は絶対に、これを我々にとって、当たり前のことにしようとしている。
 これは、10月7日以降アメリカが支援するイスラエルの残虐行為に抗議して我々が目にした最初の焼身自殺でさえない。昨年12月、パレスチナ国旗を掲げた匿名抗議者が、アトランタのイスラエル領事館前で焼身自殺した。
 これを考える時、10月7日への抗議行動として焼身自殺したイスラエル支持者が一体何人いるか考えずにいられない。自分たちの社会が安全でないとユダヤ人が感じていると主張する超深刻な反ユダヤ主義の危機に抗議して、イスラエル支持者が一体何人焼身自殺しただろう? 確かに彼らの主張はパレスチナ支持者の主張と同じくらい深刻で本心だ。
 もちろん、いない。そういうことは起きておらず、考え自体ばかばかしい。彼らの大量避難と死イスラエル兵が公然と祝う中、何万人ものパレスチナ人が絶滅されるのを見てきたガザ住民ではなく、彼らと彼らのお気に入りの民族国家こそが、この全ての真の犠牲者だとイスラエル擁護者連中は主張する。しかし彼らが焼身自殺するのを見ることはない。民族浄化や大量虐殺の応援団は見かける。彼らお得意の狙いを推進するため自分に苦痛や不便をもたらすようなことは決してしない。そのためにブランチさえ食べ損ねない。
 生きながら燃えるとは恐ろしいことだ。焼身自殺する人は、ほとんど皆最初の数秒で深刻な後悔をするのではなかろうか。そのような痛みの経験に準備するためできることは何もない、痛みが始まってから意識を失うのにどれほど時間がかかるかわからない。その時点で、おそらく彼らが自分に与えられる唯一の慰めは、それが永遠に続かないことだ。
 しかし、そのような行動をする人がいる事実は、彼らがこの問題をどれほど深刻に認識しているか、そして反対側の人々よりどれだけ誠実かを示している。
 更新:抗議者は亡くなった。名前はアーロン・ブッシュネルだった。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/02/26/the-most-american-thing-that-has-ever-happened/


人々の目をガザに向けるため自分に火をつけたアーロン・ブッシュネル
                マスコミに載らない海外記事 2024年2月28日
    燃えている間、彼は信じられない程長時間立ったままだった。彼が一体どこでそ
   うする力を得たのかわからない。声をあげるのをやめた後も、彼はずっと立ったま
   まだった。    ケイトリン・ジョンストン 2024年2月27日

 ワシントンのイスラエル大使館前「パレスチナを解放せよ」と叫びながらアメリカ空軍兵士アーロン・ブッシュネルが焼身自殺する無修正ビデオを見た。一度頭に入れたら一生残るとわかっているので見るのをためらったが、彼には大いに恩義があると思ったのだ。

 元気づけられ、揺さぶられたような気がするが、それがブッシュネルが目指していたものだったのだろう。世界を揺るがし、起きている現実に目覚めさせるためのことを。洗脳され、気が散った欧米ディストピアの昏迷から抜け出し、ガザに視線を向けることを。

 光景よりも音が心に残る。大使館に向かって歩いていく中、マイケル・セラのような穏やかで若々しい声が響く。カメラに近づく中、燃焼促進剤が入った丸い金属容器が転がる音が大きくなる。「パレスチナを解放せよ」とブッシュネルが言い、叫び、痛みが余りに圧倒的になると言葉のない叫びに切り替わり、言葉を永久に失う前に、もう一度「パレスチナを解放せよ」と叫ぶ声。何度も何度も地面に横になれと警官が叫ぶ声。ブッシュネルの燃える体に銃を向けるのをやめ、消火器を取りに行くよう救急隊員が警官に言う声。
 燃えている間、彼は信じられない程長時間立ったままだった。彼が一体どこでそうする力を得たのかわからない。声をあげるのをやめた後も彼はずっと立ったままだった
 ブッシュネルは病院に運ばれたが、彼が死亡したと独立記者タリア・ジェーンは報じている。それは人間が経験できる限りの恐ろしい死で、そうなるように考えられていた。

 この世で最後の行動直前、ブッシュネルはFacebookに下記メッセージを投稿した。

 「我々の多くは『奴隷制時代に生きていたら私は何をするだろう?』と自問したがる。それともジム・クロウ・サウス? それともアパルトヘイト? もし自国が大量虐殺を犯したら私は何をするだろう?」

「答えは、あなたはしている。まさに今」


 アーロン・ブッシュネルは、この課題に対し独自の答えを示している。我々全員、今、我々自身の答えを示している。
 ブッシュネルがしたことを私は決してしないし、他の誰かにするよう勧めることも決してない。そうは言っても、彼の行動が、ガザで起きている恐怖に注意を喚起するという意図した効果を上げていることも否定できない。
 というのも、アーロン・ブッシュネルがオンラインで議論されているのを見るたびに、言説を操作しようとして、親イスラエル派による荒らしの大洪水が狂ったように慌ててコメントに群がるのを目にするためだ。「パレスチナを解放せよ」と叫びながら、アメリカ空軍隊員がカメラの前で焼身自殺した国際ニュース記事を人々が見ることが、アメリカとイスラエルの情報権益にとってどれほど壊滅的か彼等は皆理解しており、被害を軽減するためにできる限りのことをしているのだ

 私がこれを書いている今、ブッシュネルの経歴を掘り起こして、彼が悪い人間だったこと、精神を病んでいたこと、親パレスチナ活動家や反体制メディアによって道を踏み外された証拠として紡ぎ出せる汚点を探し求める連中が絶対確実にいる。彼らが文字通り何であれ見つけたら、中傷専門家やプロパガンダ屋は、できる限りそれを推進するだろう。
 それこそが、歴史の現時点に彼らが選択していることだ。それこそが、奴隷制時代、あるいは南部のジム・クロウ時代、あるいはアパルトヘイト時代に彼らがたことだ。それこそが、彼らの国が今まさに大量虐殺を犯しながらしていることだ。人々は、ガザに対する対応で何をするか示しており、アーロン・ブッシュネルの焼身自殺に対する対応で何をするか示している。

 ここでは映像にリンクしない。それを見るのは個人的判断で、それが本当にあなたが望むものなのを確認するため、おそらくあなた自身大仕事をする必要がある。あなたがそれを見るかどうかにかかわらず、それは、まさに今ガザ焼却が起きているのと同様に起きたのだ。現実に対し、我々はそれぞれ個人的に反応する。これが我々だ。
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       (中 略)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/02/27/aaron-bushnell-burned-himself-alive-to-make-you-turn-your-eyes-to-gaza/