2024年2月10日土曜日

イスラエル追加支援案 米下院否決/米兵3人の殺害を口実に報復攻撃を継続(しんぶん赤旗)

 米下院(定数435)は6日、イスラエルに追加の軍事支援176ドル(約2兆6050億円)を与える共和党主導の法案を否決しました。採決では賛成が250に上りましたが、可決に必要な3分の2に達しませんでした
 反対は180で民主党議員の大半が反対し、共和党からも14が反対に回りました。
 反対者からは「これは戦争ではない大虐殺だ米国には停戦を促進し攻撃をやめさせる責任がある」「米国製あるいは米国が資金を出した爆弾がガザに投下されるたぴに平和の機会が台無しにされる」、「法案はガザからパレスチナ人を追放しようとするイスラエルのネタニヤフ首相や極右幹部への白紙委任状だ」等の声が上がりました。
 では賛成者には何も愧じるところがないのでしょうか。何と残忍な考え方ができるのでしょうか。

「戦争ストップ連合」や核軍縮運動(CND)など英国の平和団体が呼ぴかけたガザでの停戦を求める行動が7日、英国各地で行われました。

 米中央軍は7日、イラクで親イラン武装組織「カタイプ・ヒズボラ」の司令官を殺害したと発表しました。先月末ヨルダンで米兵3人を殺害した無人機攻撃への報復の一環とみられますが、あまりにも平衡を失していてとても「口実」などと言えるものではありません。
 他国の領土内で一方的に軍事攻撃を仕掛けることは各国の主権や領土保全の尊重を定めた国運憲章や国際法に違反します。米国の無軌道ぶりは果てしがありません。

 イスラエルのネタニヤフ首相は7日、4ヵ月にわたるパレスチナ・ガザの戦闘をめぐり、イスラム組織ハマスの戦闘休止案について「妄想的な要求への屈服は人質の解放をもたちさない」と述べて拒否しました。

 しんぶん赤旗の4つの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
米下院 イスラエル追加支援否決 進歩派「集団殺害」厳しく批判
                       しんぶん赤旗 2024年2月9日
【ワシントン=島田峰隆】米下院(定数435)は6日、イスラエルに追加の軍事支援を与える共和党主導の法案を否決しました。議論では民主党「進歩議員連盟」の議員から、法案はパレスチナヘのジェノサイド(集団殺害)を行うイスラエルヘの白紙委任状になると厳しい批判が出ました
 採決では賛成が250に上りましたが、可決に必要な3分の2に達しませんでした。反対は180で民主党議員の大半が反対し、共和党からも14が反対に回りました。法案はイスラエルに対して176億ドル(約2兆6050億円)の軍事支援を行う内容でした。
 アレクサンドリア・オカシオコルテス議員は、ガザでの犠牲者の約7割は女性と子どもだと指摘し、「これは戦争ではない。大虐殺だ」と批判。「米国には停戦を促進し、攻撃をやめさせる責任がある」と述べて、法案へ反対を表明しました。
 デリア・ラミレス議員は「米国製あるいは米国が資金を出した爆弾がガザに投下されるたぴに平和の機会が台無しにされる。私は平和へ接近する行動しか支持しない」と語りました。
 ロー・カンナ議員は「いま必要なのは永続する停戦とすべての人質の解放だ。私は反対票を投じる」と強調。「法案はガザからパレスチナ人を追放しようとするイスラエルのネタニヤフ首相や極右幹部への白紙委任状だ」と述べました。


米、報復攻撃を継続 イラクで親イラン組織幹部殺害
                       しんぶん赤旗 2024年2月9日
【ワシントンー島田峰隆】米中央軍は7日、イラクで親イラン武装組織「カタイプ・ヒズボラ」の司令官を殺害したと発表しました。先月末にヨルダンで米兵3人を殺害した無人機攻撃への報復とみられます。

「侵略だ」イラク当局
 米中央軍の発表によると、攻撃は現地時間7日夜に米軍が単独で行いました。声明は「米国は国民を守るために必要な行動をとり続ける」とし、報復攻撃を継続する姿勢を強調しました。
 ロイター通信によると、米軍はイラクの首都バグダッド東部でカタイブ・ヒズポラの司令官らが乗る車両を標的に無人機による攻撃を行い、幹部ら3人を殺害しました。
 他国の領土内で一方的に軍事攻撃を仕掛けることは各国の主権や領土保全の尊重を定めた国運憲章や国際法に違反します。
 イラクの治安当局の報道官は米軍による攻撃を「侵略だ」と指摘し、「イラクの主権を侵害し、中東地域に危険な影響を及ぼす」と批判しました。
 米軍はヨルダンでの米兵殺害の報復として、2日にはイラクとシリア領内にある親イラン武装組織の拠点を空爆しました。3日には英軍とともにイエメンの反・政府勢カフーシ派に対して36カ所を空爆しました。


「ガザとともにある」 英国各地で停戦求めデモ
                       しんぶん赤旗 2024年2月9日
「戦争ストップ連合」や核軍縮運動(CND)など英国の平和団体が呼ぴかけたガザでの停戦を求める行動が7日、英国各地で行われました
「ガザとともにある 職場行動の日」と名付けられたこの日の行動には、全国教員組合(NEU)、大学教員組合(UCU)、公務員組合(PCS)が賛同。職場やキャンパスでの集会やデモ、スタンディング、犠牲者を悼む無言の行動など多彩に取り組まれました。
 オックスフォード大学のUCU組織は、ガザで殺された94人の大学教授の名前を書いた長い布を持って、追悼。大学当局が沈黙を破って、イスラエル非難に踏み出すよう求めました。
 戦争ストップ連合のリンゼイ・ジャーマン議長は、公共放送BBCの本社前で、イスラエルがガザでかつてない規模でジャーナリストを殺害しているにもかかわらず、BBCがイスラエル寄りの報道を続けていると非難しました。


ハマスの休戦案 イスラエル拒否
                       しんぶん赤旗 2024年2月9日
【カイロH秋山豊」イスラエルのネタニヤフ首相は7日、4ヵ月にわたるパレスチナ・ガザの戦闘をめぐり、イスラム組織ハマスの戦闘休止案について「妄想的な要求への屈服は人質の解放をもたちさない」と述べて拒否しました
 イスラエルは昨年10月7日のハマスによる奇襲攻撃を受け、ハマスのせん滅とハマスが拉致した人質の解放のためだとしてガザヘの攻撃を続けています。
 ネタニヤフ氏は「軍事的圧力の継続が人質解放の必須条件だ」と主張。同日、イスラエルを訪問したブリンケン米国務長官に、数カ月のうちに「絶対的勝利に届く距離にある」と強調しました。
 プリンケン氏は、ハマスの提案には「見込みのない」部分があると述べつつ 「合意に達する余地は生まれると思う」と語りました。
 ロイター通信によると、ハマスはそれぞれ45日ずつ3段階からなる案を提示。ハマスがとらえている人質とイスラエルが投獄しているパレスチナ人を交換し、戦闘の終結を提案しています。
 ハマスは終身刑を含めパレスチナ人収監者1500人の解放を要求。第2段階の前に双方の軍事作戦を終わらせ、完全な平穏を回復する要件についての協議を終了し、その後イスラエル軍がガザから撤退し、封鎖を終わらせることなどを求めています