2024年2月10日土曜日

米国は国際秩序も脅かす イスラエルに協力 戦争犯罪当事国

 しんぶん赤旗の記者が、パレスチナ自治区のアラプアメリカン大学で国際関係と紛争解決を教えるアイマン・ユセフ教授に電話取材した記事が載りました。

 記事は
ガザの人々を虔殺し、民族浄化を行っているイスラエルに協力している米国は、戦争犯罪の当事国となっています。米国は法や民主主義を体現する国としてふるまってきましたが、信頼は失墜し、孤立を深めています
と書き出されています。正にそれに尽きています
 いまや公然と二枚舌を使い完全に馬脚を顕わした米国には、もはや道義的に名誉を回復する道はなく、今後は経済的にもNO1の地位から滑り落ちると見られています。
 ここまで大義なき所業を行ったのでは、「大儀なき史上空前の戦争国家」の汚名を被ったまま没落するしかありません。
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米国は国際秩序も脅かす イスラエルに協力 戦争犯罪当事国
アラアメリカン大学教授 アイマン・ユセフさんに聞く
                        しんぶん赤旗 2024年1月8日
【カイロ=秋山豊」イスラエルがパレスチナのガザに軍事攻撃を開始して7日で4ヵ月がたちました。米国は国際法に違反して続けられてきたイスラエルのガザ民間人虐殺を支えてきました。ヨルダン川西岸ジェニンにあるアラプアメリカン大学で国際関係と紛争解決を教えるアイマン・ユセフ教授(55)は、米国は戦争犯罪の当事国であると同時に国際秩序を脅かしていると警告します。電話で聞きました。
  アイマン・ユセフ
     パレスチナ自治区ヨルダン川西岸北部ジニン在住。アラプアメリカン大学に
    あるシンクタンク「紛争研究センター」理事。国際関係や平和研究を扱う学術誌
    の記事などを執筆。

ガザへの攻撃4か月
 ガザの人々を虔殺し、民族浄化を行っているイスラエルに協力している米国は、戦争犯罪の当事国となっています。米国は法や民主主義を体現する国としてふるまってきましたが、信頼は失墜し、孤立を深めています。

国際法に二枚舌
 米国が国際法に二枚舌の立場を続けていることに、アラプ諸国の人々の聞では怒りが沸き起こっています。
 米国はイスラエルが民間人を殺害し、家から追い出し、食料を奪っても国際法に基づく批判をせず、イスラエルにはハマスの攻撃に対する自衛権があると擁護し続けています。この結果、ガザは破壊され、死者は2万7000人を超えました。
 米国の立場の矛盾は、昨年12月8日、グテレス国連事務総長やアラプ諸国などの訴えを無視し、即時停戦を求める安保理決議案の採決で拒否権を行使したときも強くあらわれました。
 米国はイスラエルヘの国際的圧力を阻止する立場をとり、停戦を妨げてきました。一方でガザの民間人が殺されるのは悲しいと言う。卑劣な偽善です。米国の拒否権行使は、無辜の人々がさらに殺されることを意味するのです。
 
自国に都合よく
 米国はほかの国には国際法に基づく行動を求めながら、自国と同盟国は都合よく法を超越できるかのような態度をとっています。こんなことが許されれば国際秩序は危機に陥ってしまいます。
 の姿勢は、イスラエルよるパレスチナ占領と、ロシアによるウクライナ侵略に対する態度を比較する浮き彫りになります。
 米国は、「ロシアは侵略国であり、ウクライナは侵略に抵抗している。ロシアの制裁が必要だ」と主張し、ウクライナに軍事支援も行いました。
 しかしパレスチナ問題では態度を異にします。米国は占領している側のイスラエルを常に支持し、国際法違反の入植活動を止めることなく、トランプ政権時代には国際社会の圧倒的多数が認めていないのにエルサレムをイスラエルの首都だと認定しました
 米国はイスラエルの最大軍事支援国であり、今度の戦争では砲弾や暗視装置、軍用車両などを送ってます。
 米国は中東でイランが支える武装組織を標的にしてイエメンやイラク、シリアを空爆しています。武力行使を禁じた国連憲章の違反です。緊張を高め、さらなる火種を生むおそれがあります。
 イラクでは駐留米軍の撤退を求める議論が起きています。イエメンでは、イランが後ろ盾の武装組織フーシ派とサウジアラピアが支える暫定政権の間で内戦終結への努力がされてきましたが、米軍の攻撃で戦闘が再燃する危険もあります。
 米国は国際法に従い、緊張を激化させる行動をやめないといけません。中東の平穏を取り戻すうえで、ガザで停戦を実現することが極めて重要です。