2024年2月11日日曜日

国連事務総長「ラファ侵攻再考を」イスラエルに訴え 死者を出すやり方 理解できない

 国連のグテレス事務総長は8日記者会見で、「ガザの人口の半分が南部ラファに押し込められており、彼らには逃げ場がない」「イスラ工ルの指導者たちはパレスチナ人ではなく(イスラム組織)ハマスと戦っていると言っている。ならば、約2万8000人ともされる死者を出すやり方は理解できない」「国際人法は人間の盾であっても民間人の保護義務を定めている」と断言し、直ちに人道的停戦を実現するよう呼び掛けました。
 また7日には2024年の優先課題について国連総会で演説し「今日の世界で最も欠けているのは平和である」安全保障理事会について、「今日の機能不全はさらに深刻で、より危険なものだ」と述べ、改革の必要性を改めて強調しましたました
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総長「ラファ侵攻再考を」イスラエルに訴え 死者を出すやり方 理解できない
                       しんぶん赤旗 2024年2月10日
【ニューヨーク=時事」国連のグテレス事務総長は8日、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ南部ラファヘの地上侵攻について「ガザの人口の半分がラファに押し込められており、彼らには逃げ場がない」と述べ、イスラエルに作戦の再考を訴えました。国連本部での記者会見で語りました。
 グテレス氏は「イスラ工ルの指導者たちはパレスチナ人ではなく(イスラム組織)ハマスと戦っていると言っている。ならば、約2万8000人ともされる死者を出すやり方は理解できない」と強調しました。
 これに対し、イスラエルの記者から「ハマスは民間人を『人間の』にしている」と反論されると、「人間の盾は国際人道法違反だ。だが、国際人法は人間の盾であっても民間人の保護義務を定めている」と断言。直ちに人道的停戦を実現するよう呼び掛けました


平和が最も欠けている 国連総長 24年の優先課題演説
                       しんぶん赤旗 2024年2月10日
【ワシントン出石黒みずほ】グテレス国連事務総長は7日、2024年の優先課題について国連総会で演説しました。「今日の世界で最も欠けているのは平和である」として、世界各地の紛争や分断を解決するための取り組みの必要性を訴えました
 グテレス氏は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでの軍事作戦は、これまでにない規模と速さで破壊と死をもたらしていると指摘。南部ラファヘ攻撃を強めていると報じられるイスラエルの姿勢に「危機感を抱いている」と述べ、即時の人道的停戦、人質の無条件解放を求めました。
 また、ロシアによる侵略が続くウクライナや、国軍によるクーデター以降暴力や抑圧が続くミャンマーーなど各地の紛争にも言及し、国運憲章にのっとった責務を果たすよう各国に求めました。
 グテレス氏は、安全保障理事会について、「今日の機能不全はさらに深刻で、より危険なものだ」と述べ、改革の必要性を改めて強調しました
 また、核兵器については、長年にわたる核軍縮に逆行し、新たな核開発競争が進んでいるとし、核廃絶に向け再び尽力するよう呼ぴかけました。
 グテレス氏は、平和の構築こそ「人類の最大の責務である」と強調。「私は平和のためにたたかうことを決してあきらめない」と語りました。


ガザ中・北部食料不足 国連機関「30万人支援必要」
                       しんぶん赤旗 2024年2月10日
【ガザ=AFP時事】国パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は8日、パレスチナ自治区ガザの中部と北部で深刻な食料不足が起き、「少なくとも30万人が生き残るために、われわれの支援を必要としている」と訴えました。X(旧ツイッター)に投稿しました。
 イスラエルとハマスの戦闘が続くガザでは、空爆などで多くの援助機関が活動を妨げられています。ラザリ,ニ氏は、北部では年初以降にUNRWAの活動の半分が認められず、1月23日を最後に支援を届けることができていないと指摘。「人々は飢饉(ききん)の瀬戸際にある」と強調しました。

 UNRWAが活動拠点を置く南部ラファは、ガザの人口240万人の半数以上が避難先としています。UNRWAのガザ地区責任者のホワイト氏は、イスラエル軍がラファヘの地上侵攻を準備している現状について「多大な懸念がある」と述べました