安倍元首相は16年12月の施政方針演説で堂々と「同一労働・同一賃金」を謳い上げ,
「関連法の整備」を誠実に行うと述べました。「同一労働・同一賃金」はいわば『世紀の大事業』というべきものなのに、それを.堂々と謳い上げるとは一体ことの重大性を認識しているのかと唖然としたものでした。
⇒(16.12.27) 同一労働・同一賃金の指針案 関連法の整備を誠実に
果たして事態は一歩も進むことはなく、1年後の18年1月の施政方針演説でも再び同じ文言が躍りました。それだけでなくご丁寧に「『非正規』という言葉自体を無くす」という言葉が付け加えられました。
⇒(18.01.23) 安倍首相の空疎すぎる施政方針演説!
これもまた実行できれば『歴史に残る快挙』と呼ばれるべきものでしたが、実際には『非正規』労働者はむしろ拡大の一途をたどりました。
しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。政府機関における非正規労働者の賃金格差は、正規を100とした場合の非正規の賃金は全府省で見ると43・9、正規の男性職員を100とした場合の非正規の女性職員の賃金格差は37・1で、まさに恐るべき低さです。
もしも安倍政権に「同一労働・同一賃金」を目指す意思があったのなら、先ずは全府省の非正規労働者に適用して範を垂れるべきでした。そんな思いはそれこそ「皆無」だったということです。
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府省の賃金格差は深刻 非正規女性、正規男性の4割弱
しんぶん赤旗 2024年2月18日
村智子議員事務所調べ
昨年、府省など国の機関が公表した男女賃金格差にかかわって、日本共産党の田村智子参院議員事務所が正規・非正規雇用の賃金格差を試算したところ、正規を100とした場合の非正規の賃金は全府省で見ると43・9だったことがわかりました。このうち、正規の男性職員を100とした場合の非正規の女性職員との賃金格差は37・1と、深刻な実態が明らかになりました(表)。ジェンダー平等を目指すべき政府の姿勢が厳しく問われます。
表:各府省などの賃金格差
これは、各府省が把握している正規・非正規職員の男女別の総数と、それぞれの賃金の総支給額を各府省から提出をうけ、試算したもの。本紙が昨年9月15日付で報じた各府省公表の男女賃金格差は、正規・非正規を含めた全労働者と、正規間、非正規間での格差を示したもので、今回の試算で、正規と非正規との間での格差が明らかになりました。
正規の男性職員と非正規の女性職員との格差について、府省別(庁などの外局を一部除く)に見ると、最も大きいのは財務省の17・5、次いで法務省27・7、経済産業省30・8、国土交通省36・7などとなっています。低賃金である非正規職員の多くが女性となっていることが原因です。
昨年11月28日の参院予算委員会で、田村副委員長(当時)は「これは女性への間接差別そのものだ」と告発し、「公務の職場でこの間接差別をなくすべきだ」と追及。公務が率先して雇用形態別の賃金と職員数を男女別に公表し、民間に広げるよう迫りました。
日本共産党は「経済再生プラン」で、企業ごとの男女賃金格差の公開を徹底するとともに、企業が是正計画を作成・公表し、その履行を国が指導・督励する仕組みをつくり賃金格差を是正することを掲げています。