2024年2月14日水曜日

自民議員の裏金アンケート結果 調査に値せずと小池書記局長(しんぶん赤旗)

 自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を受け、同党13日、所属全国会議員を対象にしたアンケートの「調査結果」発表しまし

 しかし調べた期間は1822年の5年分にすぎず、調査項目も収支報告書への「記載漏れ」の有無とその金額の2点だけで裏金システムがつくられた経緯や裏金の使い道などは不問にしています。
 共産党の小池晃書記局長は、自民党が所属議員アンケートの調査結果を公表したことについて「全く調査の名に値しないと言わざるを得ない。極めて不十分な内容だ」と批判し、引き続き真相解明を迫っていくと述べました
 また松野博一前官房長官が昨年12月、裏金問題で退任するまでの2週間に内閣官房機密費(報償費)4660万円を支出していた問題について、「官房機密費の扱いを松野氏に任せてきた岸田文雄首相の責任も含めて非常に重大だ」と述べました。
 しんぶん赤旗は14日、「自民党『裏金調査』 反省のないアリバイづくりだ」と題する『主張』を掲載しました。
 しんぶん赤旗の3つの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
調査に値せず極めて不十分 裏金アンケート結果 小池書記局長が主張
                       しんぶん赤旗 2024年2月14日
 日本共産党の小池晃書記局長は13日、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件を受け、同党が全所属国会議員アンケートの調査結果を公表したことについて「全く調査の名に値しないと言わざるを得ない。極めて不十分な内容だ」と批判し、引き続き真相解明を迫っていくと述べました。

 小池氏は、同調査について「対象期間が5年しかない。質問項目もいつから行われ、誰が裏金づくりの指示を出し、何に使われたのかも分からず議員任せだ。一番大事なことが全く欠落している」と批判しました。
 一方で、小池氏は「不十分な調査の中でも、裏金づくりを安倍派、二階派などをはじめ自民党全体で組織ぐるみで行ってきたことが改めて明らかになった」と強調。不記載を認めた参院議員の中には、参院選挙が行われた2019年、政治資金収支報告書(22年)への「不記載」額が突出している議員がいるとし、「多額のキックバック(還流)が選挙に使われ、場合によっては買収なども含めて行われたのではないかという疑惑が濃厚になった」と指摘しました。

 小池氏は、共産党、立民、維新、国民の4野党が同日、衆院政治倫理審査会の開催を要求することを確認し、田中和徳審査会長に申し入れたことを示し、「真相の解明の努力を自民党に求めていきたい」と述べました。
 小池氏は、野党は企業・団体献金禁止で一致しているとし、「この実現を目指していくのが国会の取るべき対応だ」と主張。日本共産党が提起している企業・団体によるパーティー券購入も含めた企業・団体献金の全面禁止が一番重要だと強調しました。


岸田首相の責任重大 松野氏の官房機密費 小池氏が指摘
                       しんぶん赤旗 2024年2月14日
 日本共産党の小池晃書記局長は13日、国会内で記者会見し、松野博一前官房長官が昨年12月、裏金問題で退任するまでの2週間に内閣官房機密費(報償費)4660万円を支出していた問題について、「官房機密費の扱いを松野氏に任せてきた岸田文雄首相の責任も含めて非常に重大だ」と述べました

 小池氏は、松野氏が官房機密費9660万円を「政策推進費」に振り分け自身の管理する金庫に移した12月1日は、自民党安倍派のパーティー券裏金疑惑について東京地検特捜部が捜査しているとメディアが一斉に報じた日だと指摘。「松野氏は事実上退任に追い込まれるという期間に、裏金へのまともな説明もしないまま、一方で『闇金』を受け取っていたことになる」と批判しました。


主張 自民党「裏金調査」 反省のないアリバイづくりだ
                       しんぶん赤旗 2024年2月14日
 党ぐるみで犯罪行為を行ったという自覚も反省もないのでしょうか。自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を受け、同党が13日発表した所属全議員を対象にしたアンケートの「調査結果」です。「(政治資金収支報告書の)不記載の実態把握に努める」(岸田文雄首相)と言いながら、調べた期間は2018~22年の5年分にすぎません。調査項目も、収支報告書への「記載漏れ」の有無とその金額の2点だけです。裏金システムがつくられた経緯や裏金の使い道などは不問にしています。自ら引き起こした裏金事件に真剣に向き合った姿勢とは言えません。

言い逃れ可能な自主申告
 今回の裏金事件は、自民党の主要派閥がそろって政治資金パーティーにおける収支報告書を偽造していたという重大な組織的犯罪行為です。最大派閥だった安倍派では90人以上の「裏金議員リスト」が既に報じられています。
 ところが、「調査結果」では調査対象にした党所属全議員374人と選挙区支部長10人のうち、パーティー収入の還流などの「記載漏れ・誤記載」の議員・支部長は85人にとどまりました。議員本人による自主申告のため、実際裏金の受領があったとしても「ない」と逃れることができるのです。
 調査の範囲を5年分に限定していることも真相解明を妨げています。麻生派では、調査期間に含まれない18年以前に裏金を還流していたことがわかっています。

 また安倍派の裏金づくりについて萩生田光一前政調会長は、すでに20年前の04年の時点でパーティー券の販売ノルマ超過分を現金で渡すシステムが存在していたことを記者会見で明らかにしています。安倍派の裏金処理は「会長案件」と言われており、同派の元会長で存命中の森喜朗元首相への聞き取りが不可欠です。しかし岸田首相は「聞き取りの範囲について適切に判断する」と森氏に聞こうともしません。「調査」とは名ばかりで、“全議員調査を実施した”というアリバイづくりのためのアンケートです。

 自民党がアンケート調査と同時並行で行っている安倍派、二階派、岸田派の議員を主な対象にしたヒアリング結果は今回明らかにされませんでした。このヒアリングで確認する調査範囲は3年分で、しかも森山裕総務会長らによる身内調査です。
 収支報告書を訂正した安倍派の萩生田氏、高木毅前国対委員長らは収入・支出の総額も翌・前年の繰越額も「不明」と記入して済ませようとしています。裏金の全容解明どころか実態を隠蔽(いんぺい)し、幕引きをはかるなど絶対に許されません。

国会審議で実態解明急務
 裏金の使い道では、公職選挙法違反の選挙買収や、公選法が及ばない総裁選の資金、所得税法違反の脱税となる私的流用などが考えられます。こうした裏金の実態解明が必要です。
 組織的犯罪行為との認識も反省もできず、小手先の「調査」で幕引きを企てる岸田自民党に政権を担う資格はありません。

 日本共産党など野党の国会論戦を通じて裏金の全容解明を行うときです。企業・団体献金の全面禁止を実現し、国民の声が通る政治のため自民党政治を終わらせましょう。