2013年11月29日金曜日

竹富町教科書問題で沖縄県教委も健闘

 28日文科省は沖縄県教育委の諸見里教育長と面会し、速やかに竹富町に対し是正要求するよう指導しました独自に中学校公民の教科書を選択した八重山地区の竹富町に対して、県教育委が是正の要求を先送りしていることに対するものです。
 
 県教育委も竹富町教育委と同様に、文科省の圧力に屈しないでいることをうかがわせるものです。
 断固その姿勢を貫いて欲しいものです。
 
 それと好対照なのが、沖縄の自民党の国会議員団5人と県議会議委員団15人です。
 彼らはともに選挙で普天間基地の県外移設(辺野古移設反対)を公約に掲げて当選し、当選後もそれを守ってきたのですが、先日、国会議員団5人が自民党本部に呼び出され、離党勧告をちらつかせながら圧力を掛けられたところ、たちまち辺野古移設容認に転じました。
 そして27日には、今度は自民党県連が県議団の議員総会を開き、辺野古移設を容認する方針を決めました。 
 まさに我が身の安全のためには、「選挙公約」などは弊履のごとくに捨て去るというわけで、驚くというよりもただただ呆気に取られます。
 
 東京新聞の教科書問題の記事と、沖縄タイムスの怒りの社説を紹介します。
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教科書問題で沖縄県教委に指導 文科省
東京新聞 2013年11月28日
 沖縄県教育委員会が教科書採択をめぐる同県竹富町教委への是正要求を先送りしていることを受け、上野通子文部科学政務官は28日、文科省内で沖縄県教委の諸見里明教育長と面会し、速やかに是正要求するよう指導した。
 
 上野政務官は「文科省が10月に指示したにもかかわらず、是正要求していないのは遺憾だ。仮に要求しなければ県教委の法律違反になる」と強調。県教委が判断を先送りしている理由を説明するよう求めた。(共同)
 
 
社説) 自民県連 辺野古容認 恥ずべき裏切り行為だ
沖縄タイムス 2013年11月28日 
 沖縄関係の自民国会議員5人に続き、県議団(議員15人)も「県外移設」の公約をあっさり撤回した。「みんなで渡れば怖くない」を地でいくような雪崩現象だ。 
 有権者はこれから何を信じて投票すればいいのか。「信なくば立たず」という格言があるように、言ったことを守り、ウソをつかないことが政治の信頼を維持する前提だ。有権者を欺き、政治への不信感を極限まで高めてしまった責任は限りなく重い。 
 東京・永田町の自民党本部で開かれた石破茂幹事長の会見の光景は、歴史の歯車が1879(明治12)年の琉球処分まで後戻りしたような印象を抱かせた。 
 説明する石破幹事長は琉球処分官。一言も発言する機会がなく、椅子に座ったまま硬い表情の国会議員5人は、沖縄から連行され、恭順を誓った人びと…。 
 国場幸之助衆院議員ら3人は、それまで「県外移設」の公約を堅持していた。離党勧告をちらつかせた党本部の圧力に耐えきれなくなったのである 
 27日には、自民党県連(翁長政俊会長)が県議団の議員総会を開き、米軍普天間飛行場の辺野古移設を容認する方針を決めた。 
 外堀から埋めていって、「オール沖縄」の構図を崩し、政治状況が変わったことを理由に仲井真弘多知事の翻意を促す-それが、安倍政権と自民党が一体になって進めてきた沖縄対策だ 
 だが、この方針は、政府自民党の強権的な手法と強引さを際立たせる結果を生んでいる。もういちど思い起こしてみよう。 
 自民党県連は、2010年の参院選沖縄選挙区、12年末の衆院選で、党本部とは異なる「県外」の公約を掲げて戦い、衆参合わせて5人を当選させた。昨年6月の県議選で当選した15人も、そのほとんどが県外もしくは県外・国外を公約に掲げた。 
 県内41市町村の代表らは今年1月、安倍晋三首相に会い、建白書を提出してオスプレイの配備撤回や県内移設の断念を要請した。自民党県議団は、その要請行動にも他の会派と共に加わっている。 
 現在の自民党の国会議員と県議の大部分は「県外移設」を公約に掲げて当選した人びとであり、どの党にもまして県外移設に力を入れなければならない政治的な義務を負っているのである。 
 それができないのなら、関係議員は全員辞職し、あらためて辺野古移設の公約を掲げ、信を問うべきだ。それが代表制民主主義の王道である。 
 国会議員や県議団は公約撤回の理由について「普天間の固定化を避けるため」だと主張する。 
 政府自民党首脳が「県外移設を求めるなら普天間は固定化する」と指摘するのは、沖縄の声を分断し、県外移設の公約を撤回させるための政治的な揺さぶりである。脅し以上の意味はない。 
 思い通りに進まないことに対するいらだちの表れだとみたほうがいい。 
 米軍が普天間返還に合意したのは(1)訓練の制約要因が多すぎる(2)墜落事故の危険性を除去する必要がある(3)施設全体が老朽化していることなど、米軍の中にも移設しなければならない理由があったからだ。 
 そもそも普天間の固定化とは一体何を指すのか。返還計画そのものを白紙に戻すことなのか、返還が計画よりも遅れるということなのか。計画の遅延ということであれば、すでに固定化されていると言うべきだろう。 
 普天間返還を白紙化することはあり得ない。グアム移設計画を含む米軍再編そのものが頓挫し、あらゆる問題に波及するからだ。 
 仲井真知事は普天間固定化発言について「簡単に固定化を口にする役人がいるとすれば無能」「一種の堕落」であると批判した。至言である。 
 政府は辺野古が唯一の選択肢だと強調する。ならば、安倍政権は、ほかにどのような選択肢を検討したのか、どのプランのどこに問題があったのかをまず明らかにすべきである。 
 それもせず結論だけを押しつけるのは情報操作と言うしかない。