2013年11月20日水曜日

秘密保護法案 与党は根幹を譲らず 出版界からも反対アピール

 特定秘密保護法案について みんなの党や日本維新の会は与党と連日修正協議を行っていますが、与党側の妥協は、第三者機関の「設置検討」を法案の付則に盛り込むとか、秘密の指定期間を「60年を超えることができない」と事実上の非公開に等しい案を提示するとかであって、法案の根幹を譲らない姿勢を明らかにしています。
 
 その程度の内容変更が「修正」に当たると考えて賛成に向かうなどは、理解しにくいというよりも一体議員としての常識を持っているのかとあきれる話です。
 
 大手出版社の幹部などでつくるグループは、19日都内で会見し「特定秘密保護法案」について「表現の自由を根底から危うくするものだ」として法案に反対する立場を表明しました。
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与党、根幹譲らず=恣意的運用なお懸念-秘密保護法案
時事通信 2013年11月19日
 特定秘密保護法案の修正協議で、自民、公明両党と日本維新の会は19日、政府による恣意(しい)的な秘密指定を防ぐための第三者機関の「設置検討」を法案の付則に盛り込むことで一致した。ただ、チェック対象はあくまで指定基準の妥当性。与党は法案の根幹部分は譲っておらず、国民の「知る権利」が制約されるとの懸念は依然として残る。

 野党が法案で問題だと批判しているのは、行政外部の第三者が特定秘密の妥当性をチェックできないことだ。行政機関の判断で秘密指定の対象が拡大する可能性が否めないためで、維新は「独立した公正な立場で検証し、監察する新たな機関設置」を強く要求してきた。
 政府側はこれまで第三者機関を設置すれば「機密漏えいのリスクが高まる」として慎重姿勢を崩さなかった。官邸筋は「第三者に秘密は触れさせられない」と明言。修正案に基づいて第三者機関が設置された場合でも、監視の実効性に疑問符が付く。

 一方、みんなの党は19日、与党が先に示した(1)首相が特定秘密の指定、解除の基準案を作成(2)首相が必要に応じ、閣僚らに説明や改善を求めることができる-などの修正案を了承。安倍晋三首相が16日に「第三者的な仕組み」の重要性に言及したことを受け、与党側は修正の意義を「首相の第三者機関的観点からの関与を明確にした」と強調している。

 しかし、行政トップである首相を「第三者」と呼ぶことは無理があり、自民党内からも「賛同しかねる」(幹部)と疑問を呈する声が上がる。膨大な件数になるとみられる特定秘密を首相が個別にチェックするのも事実上不可能。首相の関与は形式的にならざるをえず、政府関係者も「実質は原案と変わっていない」と認める。

 また、維新は30年後に全ての特定秘密を公開することにこだわり、橋下徹共同代表は19日、記者団に「情報は原則公開だ」と重ねて強調した。与党は、秘密の指定期間を「60年を超えることができない」とする新たな案を提示したが、情報源に関する秘密など例外もある。60年があまりに長期間のため、「事実上の非公開に等しい」との批判が出そうだ。
 
 
秘密保護法案 出版界から反対アピール
NHK NEWS WEB 2013年11月19日
「特定秘密保護法案」について、大手出版社の幹部などでつくるグループが19日、都内で会見し「表現の自由を根底から危うくするものだ」として法案に反対する立場を表明しました。
 
会見したのは、大手出版社の幹部や雑誌の編集長、フリージャーナリストなど100人余りが参加するグループです。
会見では、代表世話人を務める篠田博之さんが「法案は早ければ21日にも衆議院を通過する状況だ。出版界として、この法案を成立させないよう力を合わせていこう」と述べました。
そのうえで「政府にとって不都合な情報が恣意的(しいてき)に秘密に指定され、公開が封じられるおそれもあり、表現の自由を根底から危うくする」などとするアピールが読み上げられました。
グループのメンバーたちは、この会見に続いてシンポジウムを開き、出版人から見た法案の問題点について意見を交わすことにしています。