2014年4月26日土曜日

いまは自由民権の危機 研究者たちが警鐘

  町田市立自由民権資料館が年に1回発行する学術誌「自由民権」27号の特集に投稿した研究者10人のうち、人が「いまは自由民権の危機」だとするなど、政治の現状を憂える内容だったということです
 
 4人は、「天賦人権論の否定が公然と語られている」「国家を優先させ国民の自由を抑圧し権利の制限を図ろうとする」「立憲主義を根底から否定する自民党改憲案と対置しながら自由民権思想を説かざるを得ない」などと、今の政治を批判しているということです。
 
 現状に鮮明な問題意識を持っている自由民権の研究者たちだけに、改憲の動きなど安倍政権に危機感を募らせていることの反映です
 
 ※ 各人が持っている侵されることのない人権のこと。各人が持っている固有の権利、自然に与えられている権利を、天が与えたものという言い方をしたもので、現憲法の基本的理念になっています。
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いま自由民権の危機 研究者、政権の姿勢に警鐘
東京新聞 2014年4月25日
 自由民権の研究者たちが、改憲の動きなど、安倍政権に危機感を募らせている。東京都町田市立自由民権資料館が三月発行の紀要「自由民権」27号の特集原稿を研究者に依頼したところ十人のうち、四人が「天賦人権論の否定が公然と語られている」など、政治の現状を憂う内容だった。同館の担当者は「現状に鮮明な問題意識を持っている研究者は多い」と話す。 (編集委員・小寺勝美)
 
 紀要は年一回発行しており、27号の特集は「私にとっての自由民権研究」。停滞する自由民権研究の活性化のために、自身の研究分野から、個人的な研究動機も含めて書いてほしいといった趣旨で、全国の研究者十人に依頼。同館学芸担当も執筆した。
 四人はそれぞれの研究のきっかけや研究分野を論じながら、今の政治についても語り、批判している。
 「『決められる政治』待望のもとに、民意を入れずに即断即決する政治の実現こそ『民意』なのだという始末」
 
 東日本大震災や東京電力福島第一原発事故にも触れている。
 「『三・一一』後の現在は、『自由民権』が再び求められる時代になった」
 「世論調査では半数以上の日本国民が原発廃止を要望しているが…全く逆に現政権は原発再稼働を推進している」
 
 執筆者の一人、安在邦夫早稲田大学名誉教授は「自由民権を研究していると、今、民主主義は危機にある、という意識が強いのでしょう」と分析する。
 改憲論者には、現行憲法は自由ばかり強調し権利が多く、責任と義務を明確にしなければならない-という論がある。これに対し安在さんは「憲法とは権力の制限というのが近代の視点。日本国憲法はそれを受け継いでいる。今はまさに自由民権の危機ととらえ、自由と権利を考えなければ」と訴える。
 別の執筆者で、東京都小金井市の市史編さん委員を務める中嶋久人さんは言う。「自民党や日本維新の会が選挙に勝って民意を得たといって『決める政治』が進んでいる。利益誘導などによる合意が民意とされることもある。この構造は破綻しているのに今も進んでいる。民意とは何かを考えるべきだ」
 
 <自由民権運動> 近代日本国家、社会の形成期に自由と民権、人権の確立を基盤にした国家、社会をつくろうとした国民的運動。1874(明治7)年の板垣退助らによる「民撰(せん)議院設立の建白」を契機に起こり、93年ごろまで展開した。東京都多摩地区や神奈川県は運動の担い手となった豪農商が、海外貿易が盛んだった横浜から入る欧米の思想を受け入れ、高知県と並ぶ運動の重要な拠点だった。