昨年9月、安倍首相が行使容認派とされる小松一郎氏を内閣法制局長官に起用した直後から、各地の地町村議会で集団的自衛権の行使を認める解釈改憲に反対または慎重な対応を求める意見書が可決され、政府や国会に提出されるようになったということで、その総数は59議会に上るということです。
全国の市町村数は1718あるので、まだまだ数が増えると思われます。
新潟市議会では、「国民的議論なしに憲法解釈の変更がなされないよう強く要望する」とする意見書を、自民党所属の議員が加わる複数の保守会派も賛成して採択しました。
湯沢町も3月24日に「集団的自衛権行使の解釈改憲に反対する意見書」を採択しています。
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解釈改憲に危機感 59地方議会が意見書
東京新聞 2014年4月7日
札幌市など少なくとも五十九の市町村議会が昨年九月以降、集団的自衛権の行使を認める解釈改憲に反対するか、慎重な対応を求める意見書を可決し、政府や国会に提出したことが分かった。意見書に法的な拘束力はないものの、国民に身近な地方議会で動きがさらに広がれば、解釈改憲に意欲を示す安倍晋三首相にプレッシャーとなる可能性がある。 (関口克己)
意見書を可決した市町村議会は長野県の二十七市町村が最も多く、北海道から福岡県まで及んでいる。本紙が三月末時点の状況を調べた。意見書が国会に届き始めたのは昨年九月。首相が行使容認派とされる小松一郎氏を内閣法制局長官に起用した直後だ。
九月二十七日に可決された福岡県太宰府市議会の意見書は「参院選での与党の勝利を背景に、集団的自衛権の行使を憲法解釈の変更によって容認しようという動きが急速に強まっている」と指摘。国民が求めているのは景気回復であり、解釈改憲は「民意との間にねじれがあることを自覚するべきだ」と主張した。
青森市議会も同じ日に可決された意見書で、改憲せずに行使を認めれば「憲法九条の有名無実化を決定づける」と強調した。
意見書の三分の二に当たる約四十件は二~三月に可決された。集団的自衛権の行使容認をにらんだ国家安全保障会議(日本版NSC)設置法や特定秘密保護法が成立した後だ。北海道本別(ほんべつ)町議会は、行使容認は「海外で戦争できる国づくりの第一歩」と批判。東京都小金井市議会も「民主政治の前提である立憲主義を否定する」と訴えた。愛知県扶桑(ふそう)町議会は「日本が攻撃されていなくても武力で協力する集団的自衛権の行使容認は、日本を戦争への道に引き込む」と危機感を示した。
新潟市議会は「国民的議論なしに憲法解釈の変更がなされないよう強く要望する」と要請。自民党所属の議員が加わる複数の保守会派も賛成した。保守会派の議員は「地方議会にもイデオロギーの違いはあるが、おかしいものはおかしいと思い、野党と足並みをそろえた。安倍政権の動きは、市民の常識では認められないという意思表示だ」と話した。
全国の市町村数(五日現在)は千七百十八。
<地方議会の意見書> 地方自治法99条に基づき、自治体の議会が公益に関する問題への意見を示す手段として、国会や政府に提出する。議員が案を提出し、本会議で可決した後、議長名で提出する。法律上は提出を受けた機関がその意見に従ったり、回答したりする拘束力はない。