2014年4月12日土曜日

「憲法9条をノーベル平和賞に」推薦が受理される

 一人の主婦の発案でスタートし、戦争の放棄を定めた憲法9条を持つ日本国民を受賞者にした「ノーベル平和賞候補への推薦」が、ノルウェー・オスロのノーベル委員会受理されました。
 
 主婦鷹巣直美さんは、昨年1月、インターネットで見つけたノーベル委員会に、英文で「日本国憲法第9条に平和賞を授与して下さい」とメールを計7回送信しましたが、返事はありませんでした。
 その後友人にやり方を教えてもらい、約1500人の署名を集めたのちにノーベル委員会に送信すると、すぐに返事がありノミネートの条件がわかりました。憲法は受賞できないので、受賞者は人物か団体にしないといけないことも。
 
 団体が受賞した例としては2012年のEUの受賞があります。EUもそうですが、その前にはオバマ大統領など、これまで平和賞の受賞には率直に言ってクエスチョンマークがつくものがありました。
 しかし憲法9条には70年近い年月も含めて十分な実績があります。
 事務局の岡田えり子さんは「これで日本国民一人一人が受賞候補者になった」と話しました
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「憲法9条をノーベル平和賞に」推薦受理 実行委に連絡
朝日新聞 2014年4月11日
 戦争の放棄を定めた憲法9条をノーベル平和賞に推した「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・神奈川県相模原市)に、ノルウェー・オスロのノーベル委員会から推薦を受理したとの連絡があり、正式に候補になったことがわかった。
 
 連絡はメールで9日夜、実行委に届いた。「ノーベル委員会は2014年ノーベル平和賞の申し込みを受け付けました。今年は278の候補が登録されました。受賞者は10月10日に発表される予定です」との内容だ。
 
 事務局の岡田えり子さん(53)は「受理されてうれしい。受賞者は個人か団体となっているが、受賞者を日本国民としたことを委員会は受け入れてくれた。これで日本国民一人一人が受賞候補者になった」と話した。
 
 
憲法9条にノーベル賞を 主婦が思いつき、委員会へ推薦
朝日新聞 2014年4月2日
 戦争の放棄を定めた憲法9条にノーベル平和賞を――。神奈川県座間市の主婦 鷹巣直美さん(37)が思いつきで始めた取り組みに共感の輪が広がり、ノルウェー・ノーベル委員会への推薦に至った。集団的自衛権の行使や改憲が議論される中、「今こそ平和憲法の大切さを世界に広めたい」と願う。
 
 鷹巣さんは20代のころにオーストラリアのタスマニア大学に留学。そこで出会ったスーダンの男性難民から、小学生の時に両親を殺され、正確な年齢も知らずに育ったと聞き、平和や9条の大切さを実感した。
 今は小学2年と1歳半の子育てに追われる日々。「子どもはかわいい。戦争になったら世界中の子どもが泣く」。家は空けられないので集会やデモには参加できない。自宅でできることを考えた。
 2012年の平和賞は231件の推薦の中から欧州連合(EU)が受賞した。「欧州の平和と和解、民主主義と人権の向上に貢献した」とされた。鷹巣さんは「EUには問題もあるが、ノーベル平和賞は、理想に向かって頑張っている人たちを応援する意味もあるんだ。日本も9条の理想を実現できているとは言えないが、9条は受賞する価値がある」と考えた。
 
 昨年1月、インターネットで見つけたノーベル委員会に、英文で「日本国憲法、特に第9条に平和賞を授与して下さい」とメールを送信。その後も計7回送ったが、返事はなかった。
 友人にやり方を教えてもらい、5月に署名サイトを立ち上げると、5日で約1500人の署名が集まった。ノーベル委員会に送信すると、すぐに返事があり、ノミネートの条件がわかった。推薦締め切りは毎年2月1日。国会議員や大学教授、平和研究所所長、過去の受賞者らが推薦できる。受賞者は人物か団体のみ。憲法は受賞できない。
 考えた末、鷹巣さんは受賞者を「日本国民」にした。「9条を保持し、70年近く戦争をしなかった日本国民の受賞に意味がある。みんなが候補として平和を考えるきっかけになれば」
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写真・図版
          鷹巣直美さん