2014年4月19日土曜日

「立憲デモクラシーの会」が発足


 安倍首相は国会で多数を握っていれば、解釈の変更で実質的に改憲も出来ると考えているようですが、そうした政治手法は政治の根幹を揺るがすものです。
 立憲主義に立ち返り、憲法に従った政治を取り戻さなくてはならないとする、法学者政治学者、哲学者、物理学者ら約50人が呼びかけ人となった「立憲デモクラシーの会」が、18日設立され、発足式が開かれました。
 
 その中で、奥平康弘東大名誉教授憲法学)は、「今の政治状況は、憲法が権力を縛る“立憲主義”の考え方からかけ離れている」と指摘しました。
 また杉田敦法大教授政治学)は「設立趣旨」の中で、「安倍総理大臣は集団的自衛権の行使容認に向け憲法解釈を変更しようとしているが、今必要なことは憲法に基づく政治を取り戻すことだ」と訴えました。
 
 呼びかけ人の中には改憲論者もいて、多数派が何でも決められるという『壊憲』には一緒に反対していくして参加しているということです。
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「立憲デモクラシーの会」設立 学者ら50人
朝日新聞 2014年4月19日
 憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使容認を目指すなど、安倍政権の政治手法は憲法自体を破壊しかねないとして、著名な学者らが18日、「立憲デモクラシーの会」を設立した。「憲法に従った政治を取り戻そうと広く呼びかけたい」(共同代表の山口二郎・法政大教授)という。
 法学者や政治学者だけでなく、内田樹・神戸女学院大名誉教授(哲学)、池内了・名古屋大名誉教授(宇宙物理学)ら約50人が呼びかけ人となった。
 
 衆院議員会館での記者会見で、石川健治・東京大教授(憲法学)が「立憲デモクラシー」について、「民主主義が多数派の専制になってしまわないように、政治に憲法の枠をはめるもの」と説明。憲法改正の手続きをふまえずに、解釈変更で実質的に「改憲」しようとするなどの安倍政権の政治手法によって「政治の根幹が揺らいでいる」と指摘した。
 
 呼びかけ人の一人、中野晃一・上智大教授(政治学)は「会は護憲派の集まりではなく、改憲論者もいる。多数派が何でも決められるという『壊憲』に対して、一緒に反対していく」と話した。(上原佳久)
 
 
「立憲デモクラシーの会」発足 
NHK NEWS WEB2014年4月18日
集団的自衛権を巡って安倍総理大臣が憲法解釈を変更することに意欲を示すなど、今の政治状況は憲法が権力を縛る「立憲主義」の考えとかけ離れているとして、憲法学や哲学などさまざまな分野の学者たちが、憲法と政治の在り方を考える会を発足させました。
 
この「立憲デモクラシーの会」は、憲法学や哲学などさまざまな分野の学者50人が参加するもので、18日、都内で発足式が開かれました。
 
この中で、共同代表で憲法学が専門の奥平康弘東京大学名誉教授が「今の政治状況は、去年の“憲法96条改正論議”で一般にも浸透した、憲法が権力を縛る“立憲主義”の考え方からかけ離れている」と指摘しました。
 
続いて政治学が専門の杉田敦法政大学教授が設立趣旨を読み上げ、「安倍総理大臣は集団的自衛権の行使容認に向け憲法解釈を変更しようとしているが、今必要なことは憲法に基づく政治を取り戻すことだ」と訴えました。
 
メンバーの1人で哲学が専門の西谷修立教大学教授は、「成熟した議論もなく政治家の勝手な解釈などで憲法を実質的に変えてしまうことに危機感を覚えて参加した」と話していました。