2014年4月18日金曜日

国民投票法 改正法案審議入り 各党食い違い

 国民投票法改正案が17日、衆院憲法審査会で実質審議入りしました。
 与野党党が共同提出した改正案他のもろもろの懸案を先送りしたまま投票年齢を年後に「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる内容ですが、民法の成人年齢をそれに連動させることには自民党内で反対が多いなど、細目ではまだ食い違っています。
 
 公務員の政治的行為については、個人的な意見表明などは容認されるということで一致しましたが、自民党日本維新の会「できるだけ早く組織的な運動の規制を導入した」との考えですが、官公労を支持母体に持つ民主党「公務員の政治的行為は原則自由であり、新たに議論を進める必要性はない」と規制することに反です。
 結局、労働組合など組織的な運動の規制の是非については、結論を出すのが先送りとなりました。
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国民投票法 各党食い違い 改正法案審議入り
東京新聞 2014年4月18日
 改憲手続きを確定させる国民投票法改正案は十七日、衆院憲法審査会で実質審議入りした。与野党七党が共同提出した改正案は、懸案を先送りしたまま、投票年齢を四年後に「二十歳以上」から「十八歳以上」に引き下げる内容。質疑では、公務員の政治的行為の規制や成人年齢引き下げに関し、答弁に立った各党担当者の見解が食い違う場面が目立った。
 与野党の見解が特に異なったのは、公務員の政治的行為の規制だ。改正案は個人的な意見表明などは容認したが、労働組合など組織的な運動の規制の是非は結論を先送りにした。
 
 自民党の船田元(はじめ)憲法改正推進本部長は答弁で「できるだけ早く(組織的な運動の規制を)導入できるよう努力したい」と規制に前向きな考えを示し、日本維新の会も同調した。
 これに対し、官公労を支持母体に持つ民主党の枝野幸男憲法総合調査会長は「(公務員の政治的行為は)原則自由という立場だ。新たに議論を進める必要性はない」と反対を明確にした。
 
 成人年齢の引き下げでは、船田氏は公選法の選挙権年齢は「二年以内に十八歳に引き下げることを目指し、各党でプロジェクトチームをつくる」と強調した。だが、成人年齢の引き下げは自民党内に慎重論も依然強く、民法の成人年齢の「十八歳以上」への引き下げについては、選挙権年齢の引き下げ実現後に先延ばしする方針を示唆。
 
 一方で、公明党の北側一雄憲法調査会長は民法の成人年齢に関し、早期の与党協議を始めるべきだとの考えを示し、議論の手順をめぐる相違もあった。
 改憲に反対する共産党は廃案を求めた。
 
 
国民投票法の改正案 実質審議入り 
NHK NEWS WEB 2014年4月17日
憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案は、17日の衆議院憲法審査会で実質的な審議に入り、公務員が賛否を知人に働きかける勧誘運動の在り方などを巡って意見が交わされました。
 
自民・公明両党と民主党、日本維新の会、みんなの党、結いの党、生活の党の与野党7党は、憲法改正の手続きを定めた国民投票法を巡り、改正法の施行から4年後に投票年齢を18歳以上に引き下げることを柱とした改正案を共同で衆議院に提出し、17日の衆議院憲法審査会で実質的な審議に入りました。
 
この中で、自民党の船田元氏は、今後の検討課題として付則に盛り込まれている、公務員が組織的に賛否を働きかける勧誘運動の禁止について、「緻密な検討が必要だという意見が各党から出たので、改正案には書き込まず、検討課題とした。慎重に議論を行ったうえで、できるだけ早く禁止する規定を導入するよう努力していきたい」と述べました。
 
民主党の枝野幸男氏は、公務員の運動の在り方について、「原則、自由とし、弊害が出るおそれのある部分に限って規制すべきだ。改正案の運用にあたっては、公務員に萎縮的な効果が生じないように監視していきたい」と述べました。
 
日本維新の会の馬場伸幸氏は、「財政健全化や国と地方の役割分担の明確化など、次世代のための大改革を行うには憲法改正が必要で、そのぜひを判断する国民の権利を保障するためにも、1日も早く改正案を成立させるべきだ」と述べました。
 
公明党の北側一雄氏は、国民投票の投票年齢に関連して、「選挙権を得られる年齢もできるだけ早く18歳以上にすべきだというのが各党の共通認識だ。改正案が成立したあと、直ちに作業チームを設置して協議を始めたい」と述べました。
 
みんなの党の三谷英弘氏は、公務員の地位を利用した勧誘運動について、「改正案では禁止しているが、実効性を伴うよう罰則を科すべきだ。今後、そのぜひを検討する議論を引っ張っていく」と述べました。
 
結いの党の畠中光成氏は、国民投票を行うテーマについて、「憲法改正だけではなく、国の重要課題に対する国民の意思を問う仕組みを作ることは重要であり、さらに検討すべきだ」と述べました。
 
共産党の笠井亮氏は、「国民の多数の声が、『憲法改定をどうしてもやれ』となったときに必要な手続きを決めればよく、国民が求めていない中での法改正はやめるべきだ」と述べました。
 
生活の党の鈴木克昌氏は、「憲法改正の土俵づくりともいうべき国民投票法の改正は、多くの会派の賛成を得ることが望ましいと判断し、共同提出に参加した」と述べました。