衆院選が2日に公示されます。
安倍首相はアベノミクスの信を問う選挙と位置づけ、就業者数が100万人増えたこと、有効求人倍率が上がったこと、企業の倒産件数が下がったことなどを上げて、功を奏していると主張しています。
それに対して野党は、非正規雇用が増加して全体の37%に達したことや、GDPが2四半期連続でマイナスになり、中小企業の7割が赤字経営であることなどを上げて否定しています。そうした事柄を無視して倒産件数だけを指標にするというのもおかしな話です。
自民党はまた賃上げ率が2%に達したとも主張していますが、一体どの部分の集計なのでしょうか、とても実感の持てないものです。東日本大震災で公務員の給与を下げていたのを一挙に解消して7%ほども上げたことなどが反映されたのかもしれませんが、赤字国家だと主張する自民党が、世界一ダントツに高い国家・地方公務員の給料を簡単に上げてしまうのも理解しがたい話です。
それがアベノミクスの見せ掛けの数字を上げるために行われたのであれば、本末転倒であって更に問題です。
それがアベノミクスの見せ掛けの数字を上げるために行われたのであれば、本末転倒であって更に問題です。
国民全体の実質賃金が下がり続け、年収200万円以下の人たちが1000万人を超えたという実態の方が余ほど問題です。
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安倍流経済、データ合戦 与野党公約 あす衆院選公示
東京新聞 2014年12月1日
衆院選が二日に公示される。主要政党が発表した公約集をみると、経済の実態を示すデータが数多く書かれている。経済政策アベノミクスの信を問う選挙と位置付ける与党は、それらの数値を示して政策は功を奏したと主張し、野党は国民生活は厳しくなったと訴える。公約集の書きぶりからも、衆院選は「安倍政治二年」を問う選挙となっている。 (木谷孝洋)
「就業者数は百万人増加」「高校の就職内定率が13%改善」-。自民党の公約には、第二次安倍政権発足後の二年間で改善した経済指標が並ぶ。雇用や賃金などの六項目で、アベノミクスが成果を上げていると強調する。
野党の公約集には、経済の落ち込みを示す数値が並ぶ。民主党は「非正規雇用が増え続けて全体の37・2%に」などの数字を示し、「実体経済の悪化は明らか」とアベノミクスを厳しく批判する。
次世代の党や共産党、社民党などは、二・四半期連続マイナスとなっている国内総生産(GDP)、生活の党などは年収二百万円以下の労働者が一千万人を超えることを挙げる。
各党の公約集をみると、経済の実態を示す数値が並ぶ一方で、これまでの「マニフェスト」の特徴だった政策の目標に関する数値は目立たない。
民主党は二〇〇九年衆院選のマニフェストで「年額三十一万二千円の子ども手当」などの野心的な数字を盛り込んだ公約を数多く掲げ、政権についた。だが、その後の政権運営で実現できなかった公約も多かった。具体的な数値目標を書くと、その後の政権運営で批判を招く恐れがあるため、今回の衆院選では各党とも消極的だ。
今回、公約集に「マニフェスト」とあるのは民主と公明、次世代の三党。〇九年衆院選の五党から減った。時期や財源を示して、政策実現を有権者に約束するマニフェスト選挙の考えは薄れつつある。