またJCJ・マスコミ9条の会は「アベノミクス解散・総選挙」への決意表明「“アベノミクス解散”の欺瞞を暴き、安倍政権を退陣に アメリカの戦争への加担で『壊憲』企む勢力を一掃しよう」を発表しました。(2日付のDaily JCJニュースより)
以下に紹介します。
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NHK、民間放送各社、
報道・編集責任者 各位
2014年12月1日
放送を語る会
日本ジャーナリスト会議
2014年総選挙に際し、介入、圧力に屈せず、
自律的で充実した選挙報道を求めます
衆議院選挙が始まっています。投票にあたって有権者の多数がテレビ報道を重要な判断材料としていることを踏まえ、視聴者団体 放送を語る会と日本ジャーナリスト会議は、選挙報道に対し次のように要請します。
1) 11月20日、自民党からテレビ各局に、選挙報道にあたって「公平中立、公正の確保」を求める文書が送られました。
その内容は、出演者の発言回数や時間、ゲストの選定、街頭インタビューなどで「公平・中立」を要求していると伝えられています。
この申し入れは、市民団体や政党が行う一般的な要請とは質的に異なり、報道内容に具体的に介入・干渉する不当なものです。同時に、放送事業者を監督する政府を担ってきた政権政党の申し入れは、権力による介入の性格を帯びる危険なものです。
とくに選挙報道に「中立性」を求める圧力は無視できません。総選挙の争点の一つが、安倍政権の政治の検証にあるとすれば、政治、社会状況の批判的報道が重要ですが、「中立」要求は、こうした批判的報道を制約する意図によるものと考えられるからです。
放送法は、番組編集にあたって、「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(第4条)と定めていますが、個々の番組で「中立」を求める規定はどこにもありません。
選挙報道も原則として第4条の規定に従えばよく、また、第3条は「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と規定しています。
テレビ報道機関には、この放送法の規定を力に、圧力・干渉に屈せず、自律的な報道を貫かれるよう要請します。
2) 政権与党は、「アベノミクス解散」などといって、争点を経済政策に絞ろうとする意図を見せています。しかし、総選挙は、有権者の国政にたいする意思表示を広く求める重要な機会です。
経済政策だけでなく、集団的自衛権行使、特定秘密保護法、原発再稼働、沖縄基地問題、貧困と格差、雇用、社会保障問題、国の在り方にかかわる憲法改定問題など、有権者が判断すべき問題は多岐にわたります。選挙に当ってこれらの諸問題の争点を広く深く明らかにする報道を求めます。
その際、単に各政党の主張を羅列的に伝えるだけの報道や、政局の動向の情報に偏重することなく、国内外の現状がどうなっているか、独自の調査報道を充実させ、有権者の政治的判断に役立つようにしてください。
3) これまでの選挙報道では、議席の多い政党の主張や動向に放送時間が多く割かれるという抜きがたい傾向がありました。少なくとも公示から投票日までの期間、政党の政策・主張を紹介するにあたっては、現在の議席数の多少にしたがって放送時間量を配分するのではなく、報道の中で各政治勢力にできるだけ公平に主張の機会を与えることを求めます。
4) 上記のように選挙報道を充実させるためには、現在の番組編成の延長線上では実現が困難です。選挙関連番組を、長時間、数多く放送できるよう、編成の姿勢を抜本的に見直し、選挙報道の量と質を拡充することを求めます。
このところ総選挙の投票率が下がり続けています。2年前の総選挙では投票率が6割を切りました。投票するかどうかは本来有権者の判断によりますが、投票する有権者の比率が50パーセント台まで下がったことは、民主主義にとって望ましい状況ではありません。
争点を明確にした充実した選挙報道で、総選挙に対する有権者の関心を高めることを特別に重視されるよう要請します。
これまでの選挙報道への申し入れで、私たちが繰り返し指摘してきたように、放送法は、法の目的を、「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が民主主義の健全な発達に資すること」(第1条3号)としています。
選挙報道は、放送が民主主義の発展に貢献するもっとも重要な機会です。テレビ局報道担当各位に、以上の要請をしっかりと受け止めていただくよう願うものです。
以 上
“アベノミクス解散”の欺瞞を暴き、安倍政権を退陣に
アメリカの戦争への加担で「壊憲」企む勢力を一掃しよう
JCJ・マスコミ9条の会
私たちは2013年12月7日、「憲政史上初の両院強行採決の暴挙を許さない―安倍政権の退陣と国民の信を問い直す総選挙を求める」とする声明を発し、安倍政権打倒を目指す運動の口火を切りました。先立つ同年11月、秘密保護法案強行採決に反対する集会「ジャーナリストは秘密保護法と日本版NSCに反対する」を開催、その討論を生かして声明を作成、その後、マスコミ界の諸先輩62人に呼びかけ人となっていただき、声明を各界に広めながら、安倍政権退陣に連なるさまざまな運動を進めてきました。
主要な活動は、「記者会見・安倍政権退陣を求める行動方針発表」(2014年1月14日)、「安倍政治と平和・原発・基地を考える緊急集会」(同6月19日)、討論集会「戦後ジャーナリズム 最大の危機―安倍暴走政権にどう立ち向かうか」(同10月31日)などですが、都知事選・反原発候補統一要請運動(同2月)への有志による協力も挙げられます。
安倍首相が今回、「アベノミクス解散」で総選挙を強引に行う理由は、経済成長続行に必要な政策を民意に問うためとされていますが、本当の狙いは、日本を戦争のできる国にするため、自主憲法制定への本格的な足がかりを構築することに置かれています。なぜそれが今なのでしょうか。一つには、「政治とカネ」問題も生じ、内閣支持率が低落傾向にあるため、それが一定水準にある今のうちに解散権を行使、政権基盤をリセットする必要があったからです。足元がもっと弱まれば、安全保障関連法・国内防衛関連法の一括審議を行う2015年通常国会が乗り切れなくなるおそれが生じます。国会での改憲論議が国民の反発を高めるからです。また、この時期には、アメリカが「イスラム国」の戦争にさらに手を焼き、「有志連合」軍への参加を日本にも求めてくる“チャンス”が生じそうです。安倍政権は、反発を食らう改憲論議の先行を避け、米国から求められた戦争を先にやり、新しい現実に憲法を合わせるべきだとする論法で、全面改憲への道が追求できます。
こうした安倍政権の正体は、政権退陣要求声明発表以来の、さまざまな運動との取り組みを通じて、私たちにみえてきたものです。取り組みの内容は、護憲、反原発、秘密保護法・集団的自衛権行使反対、言論・教育・研究の自由抑圧への反対など、多岐にわたるものでしたが、そこからも、これら反対勢力の市民的結集こそが、安倍政権をこれまでも追い詰め、さらに総選挙でその息の根を止める原動力となる事情が、みえてきています。
沖縄では県知事選を勝利させた共同戦線が、総選挙でも統一候補の擁立に成功、日米安保の歪みを浮き彫りにし、日本の政治の根幹をも問い直す大きな成果を生みつつあります。異なる活動領域にいても、安倍政権退陣を願う点では共通する全国の市民がお互いにつながり合い、協力を強めるならば、安倍政権とそれにつながる戦争勢力を、この総選挙で一掃することができます。明年=「戦後70年」を、戦争勢力による簒奪から守り、戦後の民主主義と平和の維持・発展を求める私たちがしっかり掌握、確保しましょう。
2014年12月1日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)・マスコミ九条の会