民主党政権時代に正当な政治主導型政治改革者として登場した鳩山政権は、官僚が主導しそれにマスメディアが躍らされる形で起された猛烈な鳩山バッシング(=小沢バッシング)の中で倒されました。
その後に登場した菅政権と野田政権ではひたすら財務省の言うがままの政治(=国民的には無為無策の政治)が行われて、それが結局現在の自民・公明絶対多数の政治状況を生み出したとされています。
特に野田政権は財務省による猛烈な後押しを得て成立したために、一貫して財務省べったりの政治が行われました。財務省は国民からの増税(この場合は消費税増税)がひたすら唯一つの目標であって、経済動向には関心がなく責任も負いません。それは経産省や官邸の仕事という判断なのでしょう。
その国民を倦ませた野田政権の無為無策の中で起きたのが「景気後退」(=大不況)でした。経済評論家である植草一秀はそれを「野田政権による財政再建原理主義不況」と呼んでいます。
そしてそれと同じ完全な景気後退局面」がいま起きているが、マスメディアはそのことを一切報道しないと指摘しています。
日本のマスメディアは、12月の総選挙に際して「アベノミクスで日本経済は改善傾向にある」との虚偽報道を展開し続け、そのありさまは先の大戦で大本営が、日本軍の連戦連勝を喧伝し続けたのと、まったく同じ図式であったとしています。
28日の植草氏のブログには、景気後退を判断する方法について分かりやすく解説されています。
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景気後退突入の現実を隠蔽する腐敗御用メディア
植草一秀の「知られざる真実」 2014年12月28日
12月26日、11月鉱工業生産統計速報値が発表された。
鉱工業生産指数は 季節調整後前月比 -0.6% の減少を示した。
鉱工業製品在庫率指数は 前月比4.0ポイント上昇の 116.8 を記録した。
11月に発表された予測指数では、12月の生産は季節調整後前月比 +2.3%
の伸びを記録することとされていたから、予測指数に対して、大幅下方修正の統計数値発表となった。
この統計が示していることは、日本経済が、完全に景気後退局面にあることだ。
景気の循環変動を把握するうえで、最も有用な経済指標は、鉱工業製品在庫率指数の推移である。
景気循環の姿は、鉱工業製品在庫率指数の推移にくっきりと表れる。
鉱工業製品在庫率指数は、景気拡大局面で低下し、景気後退局面で上昇する。
鉱工業製品在庫率指数の推移を示すグラフを見ると、経済の循環変動が手に取るように分かる。
2008年の初めから2009年の初めにかけて、日本経済は急落した。
サブプライム金融危機不況が世界経済を襲ったのだ。
米国の投資銀行であるリーマンブラザーズ社が破綻したのが2008年9月15日。
リーマンショックが世界の金融市場を震撼させた。
日本では2008年末に、東京日比谷公園に年越し派遣村が設営された。
サブプライム金融危機大不況で、製造業が生産活動を急激に縮小し、派遣労働者が解雇されて、寒空の下に放り出されたのである。
鉱工業製品在庫率指数のグラフは、この大不況の進行を鮮明に描き出している。
2012年4月から2012年11月にかけて、不況が日本経済を覆った。
野田佳彦政権による財政再建原理主義不況である。
「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と絶叫していた野田佳彦氏が、「シロアリを退治しないで消費税をあげる」ことを決めた。
野田佳彦氏と菅直人氏は、日本政治を破壊したA級戦犯である。
二人とも、自分の利益のために、魂を財務省に売った人物である。
自分が総理大臣になるために、主権者との約束を踏みにじって消費税増税に突き進んだ。
そして、この愚行が、日本政治刷新の芽を破壊し尽くす主因になったのである。
いずれにせよ、鉱工業製品在庫率指数のグラフは、野田佳彦財政再建原理主義不況の現実を鮮明に示している。
そして、2014年の日本経済。
安倍晋三氏による消費税増税実施により、日本経済は再び景気後退局面に突き落とされた。
2014年の日本経済は景気後退局面にあるのだ。これが真実である。
しかし、日本の腐敗御用マスメディアは、12月の総選挙に際して、事実無根の大本営報道を展開し続けた。
「アベノミクスで日本経済は改善傾向にある」との虚偽報道が展開され続けたのである。
先の大戦で大本営が、日本軍の連戦連勝を喧伝し続けたのと、まったく同じ図式が展開され続けた。
アマゾンが、拙著に対する販売妨害行動を続けているのは、恐らく安倍政権の意向を反映したものであると思われる。
紀伊國屋ウェブショップでは販売が行われているので、ぜひご参照賜りたい。
安倍政権がどの部分を国民に読ませたくないのか、本書から探り出していいただきたい。
また、12月22日発行の「金利・為替・株価特報」第219号
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/ に、年明け後の金融市場動向についての分析を提示した。新年に幸運を呼び込むための秘訣も盛り込まれているので、ぜひご参考にしていただきたいと思う。