円安はついに1ドル120円台に上り、この先も何処まで上がるのか予測がつきません。
もはや「企業努力で吸収できる限界を超え」(食品大手)ており、正月以降食品業各社は大幅な値上げを予定しています。
事務用品のコクヨも例外ではなく、領収書やバインダーなどの事務用品1122品目を来年1月から1・5~23・5%(平均9・5%)値上げすると発表しています。
原油価格は大幅に下落しているのですが、円安で値下がりが相殺されるため、灯油・ガソリンなどの販売価格はそれほど値下がりしません。
新年とともに安倍政権の円安政策が更に厳しく家計を直撃します。
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円安120円台:食品値上げ、家計圧迫 輸入牛肉3割高
毎日新聞 2014年12月5日
円相場が1ドル=120円台と約7年4カ月ぶりの円安水準に下落し、急ピッチで進む円安が食料品の価格を押し上げている。牛肉やサケなど輸入に頼る食材が高騰し、年明け以降も即席麺やアイスクリームなど輸入食材を使う食料品が相次いで値上げされる。今年4月の消費増税で負担が増している家計をさらに圧迫しそうだ。
「買い物のたび食料品が高くなったと感じる。生活は苦しくなった」。男児2人を育てる東京都内の女性(33)は5日、スーパーで品定めしながらぼやいた。
総務省の小売物価統計によると、11月中旬の輸入牛肉価格(東京都区部)は100グラム253円。2年前の2012年11月から約3割上昇した。サケやレモンも3割程度値上がりし、秋以降は輸入品が店頭に並ぶカボチャは4割超上昇した。
12年11月の円相場は1ドル=80円程度で推移していた。翌月に安倍晋三政権が発足し、アベノミクスが掲げる「大胆な金融緩和」を見込んだ円安が進み、歩調を合わせるように輸入食材の価格が上昇した。
食品メーカーも相次いで値上げに踏み切っている。「日東紅茶」ブランドを展開する三井農林はティーバッグ17品目を来年3月2日納品分から5〜10%値上げする。インド産などの茶葉高騰と円安が響いた。同社は「価格を16年半据え置き、企業努力を続けてきたが、急激な円安は限界を超えている」と説明。日清食品は「カップヌードル」など即席麺を来年1月から、ロッテなどはアイスクリームを3月から値上げする。
値上げの波は食品以外にも広がる。コクヨは5日、画びょうやバインダーなどの文房具を来年1月から平均約9.5%値上げすると発表した。円安で原材料の金属や樹脂などの価格が上がったためだ。
国際的に原油価格が下落し、国内でもガソリン価格などは値下がりしている。だが、円安で値下がりが相殺されかねず、家計には厳しい冬となりそうだ。【高橋直純、神崎修一】
円安「企業努力の限界超えた」…再値上げも模索
読売新聞 2014年12月6日
急速に進む円安や原材料の相場上昇で年明けから、輸入原料を使う食品を中心に値上げの動きが相次ぐ。
昨年からの円安傾向ですでに値上げした商品でも一段と円安が進んだため、再値上げを模索する動きもある。
文具大手コクヨは5日、領収書やバインダーなどの事務用品1122品目を来年1月から1・5~23・5%値上げすると発表した。値上げは6年ぶり。紙や樹脂など輸入原材料の価格が「想定以上の円安」(広報)で上昇したためだ。
原材料の多くを輸入に頼る食品業界は、食用油やパスタ、冷凍食品、カレールー、アイスクリーム、紅茶など幅広い商品での値上げを決めた。1~3月には容量を減らすことも含めて10%程度の値上げとなる商品が多い。
ワインやチーズなど、既に値上げされてきた商品も、最近の円安で「来年の再値上げも検討せざるを得ない」(ワイン大手)。コンビニエンスストアも、現状の円安水準が続けば「一部商品の値上げは避けられない」(ファミリーマート)とみる。4月の消費増税に伴い値上げに踏み切った牛丼チェーンは輸入肉の価格に気をもむ。「1ドル=120円まで円安が進んだ影響は大きい」と円相場の動向に神経をとがらせる。円安の進行について「企業努力で吸収できる限界を超えた」(食品大手)との声も出ている。
円安値上げ、即席麺や冷凍食品など1000品目
中日新聞 2014年12月5日
食品メーカー各社は来年1月以降、即席麺や冷凍食品、アイスクリームなどの値上げに踏み切る。各社の5日までの発表では対象は計約千品目に上る。1ドル=120円台と約7年4カ月ぶりの円安水準となり、肉や魚介類、乳製品などの輸入食材や包装材の価格上昇を企業努力で吸収するのは難しいと判断した。
年明けから幅広い品目の値上げが家計を直撃するのは避けられず、生活防衛の意識が一段と強まりそうだ。アベノミクスは輸出企業の業績改善を後押ししたが、円安を原因とする中小企業の倒産が増え始めており、負の側面が目立ってきた。このまま円安が進めば景気回復の遅れにつながる恐れがある。 (共同)
円急落…外食産業、値上げ避けられず「もはや牛丼300円台は困難」
産経ビズ 2014年12月6日
急激な円安の進行を受け、冷凍食品や即席麺などの値上げが相次いでいる。5日にはコクヨが、円安や原材料価格の高騰を理由に文具1122品目の価格を平均9.5%引き上げると発表するなど、値上げは生活関連商品全般に広がる様相をみせている。食材のコスト増から外食産業も値上げに踏み切るのは時間の問題とみられるだけでなく、食品の追加値上げも視野に入ってきた。円安がもたらす負の側面が消費者を直撃しそうだ。
来年1月に即席麺を値上げするエースコックの村岡寛社長は「値上げを決めたときはまだ1ドル=100円台後半だった。120円までの円安は想定外で、さらなる値上げも考えなくてはいけない」と話す。
国際的な食品原料の高騰に円安も加わり、冷凍食品やアイスクリーム、パスタ、食用油などを扱う主要各社は既に値上げを表明している。この状況を受けて食品スーパー、いなげやの成瀬直人社長は「来年は値上げの春となる」。円安がさらに進めば、第2弾の値上げもあり得る。
4月の消費税率引き上げ前後にメニューを改定し、高価格帯の商品を拡充するなどの対応を取った外食産業は、現状では値上げに慎重だ。だが、食材の高騰は「一企業の努力ではもはや限界」(レストランチェーン首脳)という声も多い。
国際市況の高騰と円安のダブルパンチで牛肉輸入価格が急騰する中、「もはや牛丼を300円台で提供することは難しい」(外食大手幹部)とされるだけに、外食各社がいつ値上げしてもおかしくない状況にある。