2014年12月5日金曜日

序盤における選挙情勢 自民圧勝の勢い

 4日の各紙が世論調査に基く総選挙情勢を報じました。
 いずれも自民党が元議席を上回って圧勝するというもので、信じられないような話です。国民の思いが理解できません。
 
 五十嵐仁氏が4日のブログで、読売新聞、朝日新聞、共同通信の調査結果について要約しています。
 
 自民党は4日午前、谷垣幹事長と茂木選対委員長の連名で各候補者の陣営に対し、「少しも慢心することなく、全身全霊でこの選挙戦を闘っている姿を有権者に示すことが、最終的な勝利につながる」「過去にも、選挙期間中に逆風が吹き、一瞬のうちに有利な形勢が逆転し、議席を失う例は多くあった」との緊急通達を出しました。
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与党で3分の2以上の改憲議席阻止という新たな目標が浮上してきている
五十嵐仁の転成仁語12月4日(木) 
 新聞各紙は、一斉に総選挙序盤戦の情勢についての世論調査を実施しました。今日の紙面で、その結果が報じられています。
 共通した傾向は、自民圧勝、民主復調、維新後退、次世代惨敗、共産躍進、公明・生活・社民ほぼ現状維持というものです。しかし、まだ半数ほどの人が投票先を決めていず、その動向次第では大きな変化が起きる可能性もあります。
 
 『読売新聞』は、「自民党は、小選挙区選、比例選ともに優勢で、比例選で伸長が見込まれる公明党と合わせ、与党で300議席を超える勢い」「民主党は、公示前の62議席は上回る情勢だが、海江田代表が掲げた「3けた」の目標には届かない見通し」「維新の党など第3極は低迷」「共産党は比例選で好調で、公示前の8議席からの倍増をうかがっている」と報じています。
 
 『朝日新聞』は、「①自民は単独で300議席を超える勢いで、公明とあわせて定数の3分の2(317議席)を上回る可能性がある②民主は公示前の62議席から上積みするものの、伸び悩み、100議席には届かない公算が大きい③維新は公示前の42議席から後退、次世代も公示前の19議席から1ケタになりそう④共産は公示前の8議席から倍近く増える見通し」だと報じています。
 
 共同通信も、「自民党は小選挙区、比例代表で優位に立ち、公示前の295議席を上回る300議席超を獲得する勢いだ。民主党は70議席前後の微増にとどまる公算が大きい。維新の党は公示前議席を減らし、共産党は上積みする見通しだ」「公明党は堅調で、公示前の31議席からの増加も狙える。次世代の党は大幅に減少しそうだ。生活の党、社民党も厳しい戦い。新党改革は議席獲得を見込めていない」と伝えています。
 
 これらの報道を見て、安倍首相は「してやったり」と思い、ほくそ笑んでいることでしょう。真珠湾の奇襲攻撃で大戦果を挙げた東条首相のような気分なのではないでしょうか。
 野党の選挙準備が整わないうちの「今のうち解散」で虚を突き、あわよくば与党議席を増やして長期政権に向けての足場を固め、できれば3分の2以上の議席獲得によって憲法改正を発議したいというのが、安倍首相の目論見でした。その実現の可能性が出てきたということになります。
 これはゆゆしき事態であり、野党にとっては自民圧勝という総選挙序盤戦の情勢を覆すための一層の奮起が求められています。あと10日間の選挙運動で、このような情勢を大きく転換できるかどうかに、これからの日本の命運がかかっていると言っても過言ではないでしょう。
 
 前回の総選挙では、民主党に裏切られて離れた人が約2000万人、そのうち約1000万人が棄権し、約1000万人が「第三極」諸党に向かいました。この「第三極」に投票して失望した人々が、一部は民主党に復帰しそうで、残りは自民党と共産党に分かれそうだということを、今回の結果は示しています。
 つまり、前回の総選挙で新たに「第三極」に投じられた票の奪い合いが始まっているわけです。それが、自民党に向かわないようにしなければなりません。
 また、前回の総選挙で棄権した約1000万人もの人を投票所に呼び戻し、自民党以外に投票してもらうことも必要です。そのためには、前回以上に投票率を上げるための工夫が重要です。
 
 自民党とアベノミクスへの幻想を打ち破らなければなりません。安倍首相に幻惑されている多くの有権者の目を覚まさせることが必要です。
 このままいけば自分の手で自分の首を絞めることになるのだということを、幅広い有権者に理解してもらわなければなりません。改憲への扉を開く与党の3分の2以上の議席獲得を阻むことが、今回の総選挙の新たな獲得目標として浮上してきたようです。
 
 
「慢心排除」を緊急通達=与党優勢報道で自民
時事通信 2014年12月4日
 自民党は4日午前、谷垣禎一幹事長と茂木敏充選対委員長の連名で各候補者の陣営に対し、「少しも慢心することなく、全身全霊でこの選挙戦を闘っている姿を有権者に示すことが、最終的な勝利につながる」との緊急通達を発出した。新聞各紙が世論調査に基づいて一斉に与党優勢を報じたことを受けた措置で、14日の衆院選投開票に向けて引き締めを図った形だ。
 
 通達では、「わが党そして各候補者にとって厳しい選挙戦であることに変わりはない」と強調。「過去にも、選挙期間中に逆風が吹き、一瞬のうちに有利な形勢が逆転し、議席を失う例は多くあった」と指摘した。
 
 さらに、「候補者本人の気の緩みが、選挙スタッフ、選挙事務所内等に広がり、最終的には有権者にもそれが必ず伝わる」と戒めると同時に、期日前投票の呼び掛けなど「やるべきことは全てやる」よう指示している。