2014年12月9日火曜日

レーン・宮沢事件 北大で市民集会 秘密保護法の廃止訴え

 特定秘密保護法が10日に施行されるのを控え、開戦の当日に北大生の宮沢さんと北大教員だったレーン夫妻(米人)が軍機保護法違反容疑で逮捕された「レーン・宮沢事件」を語り継ぐ集会が、7日、北大で開かれました。
 逮捕の日と同じような雪の中、約170人が参加し、秘密保護法の廃止を求めていくことなどを話し合いました
 
 当ブログでは、これまで「レーン事件・宮沢」を3度取り上げました。
 参考までにバックナンバーは以下のとおりです。
 
   2013年12月3日 宮沢・レーン事件 
   2014年2月22日 レーン・宮沢事件の宮沢氏の妹が来日 秘密保護法を危惧
   2014年5月12日 レーン・宮沢事件 検証し、語り継がねば 
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施行迫る秘密保護法の廃止訴え レーン・宮沢事件 北大で市民集会
北海道新聞 2014年12月8日
 太平洋戦争の開戦から8日で73年となるのを前に、開戦当日に北大生の宮沢弘幸さんらが軍機保護法違反容疑で逮捕された「レーン・宮沢事件」を語り継ぐ集会が7日、北大で開かれた。施行が10日に迫った特定秘密保護法を「宮沢さんを死に追いやった軍機保護法の再来」と批判する市民が集まり、あらためて特定秘密保護法の廃止を訴えた。 
 
 市民団体「北大生・宮沢弘幸『スパイ冤罪(えんざい)事件』の真相を広める会」が主催し、約170人が参加した。 
 
 北海道憲法会議の斎藤耕事務局長が「軍機保護法には処罰範囲を限定する国会の付帯決議があったが、宮沢さんの悲劇を招いた。秘密保護法でも同様の事件が起こり得る」と講演。「強行採決から6日で1年。新たな決意を込めて断固廃止を訴える」とのアピールを採択した。 
 
 また、北大が事件の記念碑建立に関する協力を拒否したことに関し、宮沢さんの妹秋間美江子さん(87)=米国在住=の「納得のいく返事を頂きたい」というメッセージが読み上げられた。
 
 
秘密保護法:兄逮捕の月に施行…届かぬ思いに妹苦悩
毎日新聞 2014年12月8日
 来る年も来る年も、「12月8日」を特別な思いで迎える人がいる。秋間美江子さん(87)もその一人だ。1941年12月8日の日米開戦の日、兄がスパイの疑いで特別高等警察に逮捕され、服役中にかかった病気がもとで亡くなった。それ以来、12月は「嫌いな月」だ。その月にもう一つ重みが加わる。新たなスパイ防止法ともいえる「特定秘密保護法」が10日施行される。
 
◇73年前、北大生にスパイ容疑
 「今すぐ飛行場に飛んでいきたい。若かったら、駆け出せるのに」。東京から約9000キロ離れた米コロラド州ボルダーに住む秋間さんは、電話での取材にそう語った。できるなら日本に渡り、秘密保護法廃止を訴えたいという。
 
 73年前。北海道帝国大生だった兄、宮沢弘幸さんは、旅行中に聞いた海軍飛行場のことを親しい米国人教師夫妻に話したことなどで、当時の軍機保護法違反に問われ、懲役15年の判決を受けた。戦後釈放されたが、刑務所で侵された結核のため27歳で死去した。
 秘密保護法は、秘密の範囲があいまいな点などが軍機保護法に類似すると指摘されている。秋間さんは秘密保護法成立後の今年2月に来日し、講演で廃止を訴えた。「自分と同じように苦しむ人が出るのでは」。施行を目前に、再び来日することを望んだが、がんの手術を5回した秋間さんの体調を懸念する医師が、強く止めている。
 毎年12月には、当時の記憶がよぎる。東京の実家に捜索に来た刑事が家を踏み荒らした日、「スパイの家族」と呼ばれ、怖くて沈黙を強いられた日……。 「尊敬する兄は消されてしまった。若い人には国のことを愛してほしい」。夫の仕事で渡米して、夫が亡くなった後もとどまった秋間さんは、日本の若者に、秘密保護法への関心や危機感が広がらないことをもどかしく思っている。
 
◇札幌で集会
 札幌市では7日、宮沢さんの事件を風化させないための市民集会があった。逮捕の日と同じような雪の中、約170人が参加。秘密保護法の廃止を求めていくことなどを話し合った。【青島顕】