安倍首相は27日の衆院予算委で、民進党・福島のぶゆき議員から出た「安倍昭恵夫人は、名誉校長としてなんらかの報酬を貰っていたのか。また、何度か講演に行っているようだが、講演料はどれくらい受け取っているのか」という質問に対し、「報酬も講演料もまったく受け取っていないと、聞いている」と、答弁しました。
しかし翌28日、参院予算委で民進党の船山康江議員が
「昭恵夫人は森友学園から報酬などは一切受け取っていない、と仰るが、この塚本幼稚園のPTA会費の決算には昭恵夫人への支出が記載されている」 として決算書を示しながら、
「幼稚園の元お母さんたちにPTAの収支決算報告書をいただいた。そこには9月5日、首相夫人・安倍昭恵先生の名前があり、社会教育費として支出がある」と糾しました。
そこには40万円の支出のある「社会教育費」科目の摘要欄に「6/21姫路城(親子遠足) 11/26京都御所(社会見学)」と言う記述に続き、「社会講座 7/11谷川浩司先生 9/5首相夫人安倍昭恵先生」との記述がありました。
安倍首相は「私はそのような文書は知らない。だから説明出来ない」 と言うしかありませんでした。
この国有地取得問題では、官僚が関わっている部分に関してのガードはまだ鉄壁ですが、そうでない部分では首相の虚偽発言が次々に暴露されています。
⇒ 【スクープ!】 安倍昭恵夫人、塚本幼稚園から報酬を受け取っていた可能性
ブログ:「反戦の家づくり」は、森友学園の小学校の建築工事に対して、「サスティナブル建築物等先導事業(木造型)」に認定されて国交省から1億2千万円の補助金をもらっていることを明らかにしました(2月27日記事:「【森友学園 国有地取得事件】ブロガーたちがポイントを指摘 」では6200万円となっていましたが、国交省の資料によると1億2千万円になっています)。
しかし専門家の目で見ると同校の設計は「どこが先導的なのか?」と思われるもので、何故該当物件に選定されたのか疑われるということです。そんなに巨額な補助金が、曖昧な根拠のまま拠出されるのも実に不可解です。この件は国有地の取得とは直接関係がないのであまり取り上げられていませんが、国費乃至国有財産の不正消費という点では同じ問題です。
またブログ:「郷原信郎が斬る」は、問題の国有地は、平成24年7月に、国から「新関西国際空港株式会社」に移転され(その段階で豊中市が隣接地を購入した)たが、平成25年1月10日になぜか「錯誤」を理由に所有者が抹消され再び「国(国土交通省)」の所有に戻ったのちに、森友学園との売買契約を行うという「特別の取り計らい」が行われたのではないかという疑いがあると述べています。
これも何とも珍妙な話です。これらの2件も、役人が知恵を出して森友学園に特別な取り計らい(=利益供与)をしたと考えれば理解が出来ます。
これ程「不正の臭いのする」問題が、官僚たちの鉄面皮な徹底した「しらばくれ」のなかでいまだに破綻を来たしていないのは何とも歯がゆい感じです。
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安倍晋三記念小学校事件 ぜんぜん先導的じゃないのに補助金決定!
反戦な家づくり 2017-02-28(Tue)
安倍晋三記念小学校事件も、表向きの事実関係はほぼほぼ解明されつつある。
あとは、安倍晋三に連なるものや、維新のお仲間たちの 政治介入があったのか というところに、焦点は絞られていく。そのためにも、この異様な事件の「本当の目的」を むき出しにすることが必要、というのが、昨日も書いたところ。
その上で、私の職能に関連して発見したことがあるので、ちょっと書いておきたい。
それは、建築工事に対して1億2千万円の補助金をもらっている 「サスティナブル建築物等先導事業(木造型)」についてである。
2015(H27) 年度までに採択されたプロジェクトの一覧はこちらから見ることができる
H27年度だけで6つの事業が採択され、そのなかの一つが瑞穂の國記念小學院である。
もともと、木の家を作る私の仕事には縁の深い関係で、それぞれ中身にも興味があって、どんなプロジェクトが採択されているのか、他のものも見てみた。
建築に興味のある方は、それぞれ見てみていただきたい。よくわからん、と言う方は一覧は飛ばしていただいて結構。
(中 略)
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以上が、森友学園以外のプロジェクトであり、いずれも日本初とか、新開発の技術である。
本当に実用的かどうかは異論もあるが、それにしても新しいものを開発するチャレンジがあり、私もワクワクしながら資料を読ませてもらった。
では、我らが安倍晋三記念小学校こと瑞穂の國記念小學院はどうか。
防火地域に新築される小学校の校舎及び体育館の木質化についてのプロジェクト
●主体構造となる鉄骨を、150㎜ 角の柱によるブレース構造とし、法規上の耐火与件を満たしながら、4 寸~ 5 寸角と筋違による木造フレームと変わらない寸法で納め、内外にわたって木質化することで、これまで防火地域では不可能だった大規模な木造校舎および体育館を、再現する。
技術的なアピールポイントは、これに尽きる。
(中 略)
建築を知っている人ならば、「これのどこが先導的なの??」と疑問に思うだろう。
(中 略)
断言するが、公表されている資料にある限りでは、まったく新規性もなければ工夫もない。既存の鉄骨工法と、既存の不燃木材を普通に組み合わせただけである。
他の5件のプロジェクトとは、技術的にあまりにも天と地ほども違いすぎる。
なんでこれが、1億2千万円もの補助金をもらえるのだろう??
しかも、あの疑惑の2015年9月4日に 採択決定とは。(さすがに日付は偶然だと思うけど)
(後 略)
森友学園問題 「錯誤」登記をめぐる謎
郷原信郎が斬る 2017年2月27日
学校法人「森友学園」に対して国有地が不当に安く売却された問題をめぐる疑惑が、ますます深まる中、小林よしのり氏が紹介するブログ「ゴー宣道場」の2月24日の記事【豊中市国有地格安売却疑惑「錯誤」の不可思議な登記】で、この土地の登記をめぐる興味深い指摘が行われている。
もともとこの一帯は伊丹空港の離着陸ルートにあたり、昭和53年ごろに騒音対策地として国が買収した土地だった。その後、騒音が軽減されたとして、平成24年7月、この騒音対策地は「国(運輸省)」から「新関西国際空港株式会社(新関空会社)」に売却されている。
一昨年、豊中市が同じ騒音対策地から、学校給食センターの建設用地として、7210平米の土地を購入しているのだが、この時点での土地の所有者は「新関空会社」だから、豊中市は当然「新関空会社」に購入費を支払っている。金額は7億7000万円。
問題は、その後に書かれている指摘だ。
森友学園が小学校用地として購入した土地の登記を見ると、平成24年7月に、所有者が国から「新関西国際空港株式会社」に移転。ここまでは豊中市が購入した土地と同じだ。しかし、平成25年1月10日、なぜか「錯誤」を理由に所有者が抹消され、その上、なぜか所有者が「国(国土交通省)」に戻っているのだ。
(中 略)
このことは、今回の問題が、単に、国が所有していた土地を安価で森友学園に売却したというだけにとどまらず、一旦、新関空会社に現物出資したものを、国が取り戻した上で、森友学園との契約を行うという「特別の取り計らい」が行われたのではないかという疑いを生じさせる。
(中 略)
しかし、平成24年度の新関空会社の有価証券報告書によれば、国から新関空会社への現物出資は、「関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律」に基づいて行われている。現物出資が行われたとされた半年後に、「錯誤」で所有権を抹消する登記が行われたのであれば、「手続き上のミス」を明らかにする書類が残されているはずだ。
法律に基づく現物出資等である以上、近畿地方財務局が「既に廃棄した」と説明している森友学園と財務局との交渉経過に関する文書等とは異なり、行政文書として確実に保存されているはずであり、それに関する文書を確認することで、事実関係は明らかになるはずだ。一旦は国有地ではなくなっていた土地について、その後、森友学園から賃貸の申し出があった。なぜ、都合良く、「錯誤」によって国に戻っていたのか。
いずれにせよ、国と政府100%出資会社との間での通常の取引や登記では考えにくいことが行われているように思える。この点についても、真相の解明が必要だろう。