2017年3月12日日曜日

安倍暴政の矛盾と行き詰まりが表面化(天木氏) 陸自は撤退を知らされず 

 南スーダンPKOに派遣している陸自部隊の撤収方針が10 突然発表されましたが、陸自隊員「何も聞いていない」ということでした。ひょっとすると幹部たちも寝耳に水だった可能性があります。これまで憲法違反の派遣、PKO5原則違反と常に国会で指摘されながら頑として認めなかった政府が、何をそんなに慌てて2ヶ月以上も先のことを発表する必要があったのでしょうか。何としても森友学園籠池理事長の小学校認可申請取り下げの発表にぶつけて、関心を向けさせたくなかったというのがやはり真相のようです。一体何を恐れているのでしょうか。
 
 元外交官の天木直人氏は、政府の発表は「南スーダンPKO派遣作戦」の失敗を認めたもので、いずれ自衛隊に犠牲者が出ると首相の辞任を迫られるのでそれを避けたかったのだとしました。
 そして国連が後任の部隊が必要と言っていることから、「区切りがついたから云々」という口実も嘘で、安倍首相のやり方は自分が恰好をつけるために部隊を派遣して、わが身が危険になればすべてを放り投げて撤収させるという、支離滅裂なものであると批判しました。
 そして日米経済問題についても、米側の姿勢は強硬なので日本はひとたまりもない、あの(巨額の投資を約束した)日米首脳会談は何だったのか、安倍首相の辞任はもはや避けられないと見ています。
 
 時事通信の記事と天木直人氏の二つのブログ記事を紹介します。
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突然の発表に驚き 「最後まで気抜けない」
南スーダンPKO撤収方針で・陸自
時事通信 2017年3月10日
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊施設部隊の撤収方針が10日、突然発表されたことに陸自隊員から「何も聞いていない」と驚きの声が上がった。
  陸自幹部は「最後まで気を抜けない。任務を完遂するだけだ」と話した。
  派遣先の南スーダンの首都ジュバでは昨年7月、政府軍と反政府勢力が衝突し、宿営地近くでも銃撃戦が発生。当時の部隊の日報に「戦闘で死傷者が発生」などと記載されていたことが判明し、治安情勢の悪化でPKOの参加要件を満たしていないとの指摘が出ていた。
  防衛省(東京都新宿区)で勤務する陸自幹部は「(安保関連法に基づく)駆け付け警護の新任務が付与され、今春以降も派遣が延長されると思っていたので驚いた」と話す。「隊員も家族も緊張の日々でこれまで一人も犠牲者を出さずにやってきた。無事帰還してほしい」と語った。
(後 略
 
 
同時多発的に表面化した安倍暴政の矛盾と行き詰まり
天木直人のブログ2017-03-11
 安倍首相を辞任に追い込むには森友疑惑一つで十分なのに、ここにきて安倍辞任につながる暴政の矛盾と行き詰まりが一気に噴火したごとくだ。
 昨日の夜、あたかも森友疑惑について語る籠池理事長の記者会見から世論の目をそらすかのように、タイミングをあわせて安倍首相は南スーダンPKO撤収を発表した。
 しかしこれほど愚かな記者会見はない。
 こんな発表をすれば、みずから南スーダンPKO派遣の失敗を認めたようなものだ。
 南スーダンの治安情勢は悪化の一途であり、いつ内戦が再び勃発してもおかしくない。
 このままでは自衛隊に犠牲者が出る事は必至だ。
 そうなれば安倍首相は責任を取って辞任せざるを得なくなる。
 そう国民の前で大見得を切ったからだ。
 しかし安倍首相は辞めたくない。
 そこで辞任を避けるために撤収するのだ。
 
 安倍・菅・稲田の失策トリオは、「そうではない」、「任務が完了したから撤収するのだ」と口裏を合わせて強調しているが、国連が、いま撤収されたら代りを見つけないといけないから困ると発表しているのだから、任務完了が嘘であることは一目瞭然だ。
 自衛隊の南スーダン派遣は、最初から南スーダンの事などどうでもいいのだ。
 自らの都合で派遣し、駆けつけ警護の任務を付与し、それが危なくなればすべてを放り出して逃げる。
 これほどの失策はない
 
 しかし、失策が露呈したのは、南スーダンPKO派遣だけではない。
 朴槿恵韓国大統領が罷免され、米国の圧力で不可逆合意した日韓合意が白紙になるのは必至だ。
 日米韓軍事同盟が揺らぎ、韓国の対北朝鮮政策も大きく変わる可能性が出て来た。
 そして、やはり安倍首相にとっての最大の失政は、トランプ大統領の米国との経済交渉合意だ。
 ピーター・ナバロ大統領補佐官が、ついに、「米国製品を日本に買わせる」と語ったと思ったら、親日派であると日本が勝手に決め込んでいたロス商務長官が、正式に就任した途端に、メキシコの後は日本だと言い出した
 追い打ちをかけるように、トランプの米国は、自動車の非関税障壁や農産品の高関税の撤廃を求める意見書をWTOに提出した。
 悪夢の再来だ。
 トランプの米国が日米貿易摩擦解消を本気で日本に迫ってくると、日本はひとたまりもない
 安倍・トランプ首脳会談は一体何だったのかという話だ。
 ゴルフをしただけだったのではないか、ふざけるな、ということだ。
 安倍首相の辞任はもはや避けられない。
 辞めさせるには、やはり森友疑惑ではなく、政策の失敗で辞めさせなければいけない。
 しかし、今度こそ安倍首相を逃がしてはいけない。
 すべて私が間違っていたと国民の前で謝罪させてから内閣総辞職させるべきである。
 けじめをつけるということはそういう事である(了)
 
 
日本に憲法裁判所があれば安倍首相はとっくに罷免されている
天木直人のブログ2017-03-11
 朴槿恵大統領が韓国の憲法裁判所によって罷免された。
 こうなることは想定されていたとはいえ、実際に最高裁が罷免を決定した事はやはり衝撃的だ。
 私がその判決理由で注目したのは、罷免の決定の大きな理由の一つとして、朴槿恵大統領の憲法・法律違反をあげているところだ。
 すなわち弾劾決定書にはこう書かれている。
 「大統領罷免によって憲法を守る利益は、罷免による国家的損失を圧倒するほど大きい」と。
 それなら安倍首相の罷免は当然である。
 しかも韓国の憲法裁判所はこう言っている。
 真相究明に協力するとしながら、検察や特別検察官の事情聴取に応じず、信頼回復の努力をせず、真実性のない謝罪をし、国民との約束も守らなかった、と。
 まさしく安倍首相の政治姿勢そのものだ。
 日本に憲法裁判所があったなら、安倍首相はとっくに罷免されているに違いない(了)
 
 
民進など 南スーダン撤収で政府追及へ
NHK NEWS WEB 2017年3月11日
政府が、南スーダンでの国連のPKO活動に派遣している陸上自衛隊の施設部隊の撤収を決めたのに対し、民進党などは、現地の治安情勢の悪化を認めるものだとして、週明けの国会審議で、現地の情勢を的確に把握できていたのかなど、政府を追及していく方針です。
政府は、10日、NSC=国家安全保障会議の閣僚会合を開き、南スーダンでの国連のPKO活動に派遣している陸上自衛隊の施設部隊について、今の部隊の派遣期間が終了するのに合わせて活動を終え、5月末をめどに撤収させることを決めました。
 
安倍総理大臣は、10日夜、これまでの活動の成果を強調したうえで、「自衛隊が担当するジュバでの施設整備は、一区切りつけることができる」と撤収の理由を説明しました。
また、菅官房長官は、「撤収せざるをえないような治安情勢の悪化が生じているとは考えていない」などと述べ、現地での『PKO参加5原則』は現在も満たされているという認識を示しました。
 
これに対して、民進党の玉木幹事長代理は、「撤収は、いかに現地の治安状況が厳しいものか、安倍総理大臣も認めざるをえなくなった結果だ」と指摘したほか、共産党の小池書記局長も、「安倍総理大臣の説明には、国民の多くも納得できないのではないか」と述べました。
民進党などは、週明けの国会審議で、現地の情勢を的確に把握できていたのかや、治安情勢の悪化で、「PKO参加5原則」が崩れているのではないか、それに、稲田防衛大臣が、十分に統率できているのかなど政府を追及していく方針です。