2017年3月20日月曜日

20- 籠池氏の偽証告発はかなり困難と元検事 安倍政権は窮地に

 森友学園の籠池理事長が23日に証人喚問されますが、そこで自民党の狙い通りに偽証罪で告発されて、この「疑惑」が幕引きされるようなことがあってはなりません。それについて元検事の郷原氏は「告発はかなり難しい」と述べたということです。籠池氏が無事に切り抜けられれば、今度こそ安倍首相が窮地に立たされることになります。
 
 まだ喚問までには時間があるので、それを利用して籠池氏には様々な圧力や脅迫が掛かっている可能性もあります。
  この際は簡単に告発されて幕引きされることがないように、頑張って欲しいものです。
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安倍政権は窮地 籠池氏の偽証告発「かなり困難」と元検事
日刊ゲンダイ 2017年3月19日
「窮鼠猫を噛む」という言葉がピッタリだ。大阪市の学校法人「森友学園」をめぐる国有地の激安払い下げ問題。衆参両院の予算委は17日、法人の籠池泰典理事長の証人喚問を23日に行うことを全会一致で決定した。与党側は、安倍首相の妻の昭恵氏が2015年9月5日に塚本幼稚園で講演した際、「安倍晋三から」と言って「100万円を寄付した」という籠池証言に焦点を絞り、偽証罪の告発を検討しているらしい。だが、証人喚問で追い詰められるのは籠池じゃない。安倍政権の方だ。
「領収書などの記録もなく、夫人個人としても寄付を行っていない」
 菅官房長官はきのうの会見で、100万円の寄付を完全否定。講演に同行した政府職員とやらも「寄付を渡すという状況にはなかった」と“火消し”に躍起だが、すでに新たな証拠は次々と出てきている。
 
 籠池氏にインタビューした「日本会議の研究」の著者・菅野完氏は17日、2015年9月7日に「100万円」の記載がある森友の寄付者名簿のほか、振替払込用紙の名義欄の「安倍晋三」が修正液で消され、「森友学園」に書き直されていた写真をそれぞれネット上で公開した。これだけでも超ド級の“物証”で、カネの出どころが官房機密費なのか、安倍首相のポケットマネーなのかはともかく、少なくとも「100万円の寄付」が事実だったことが分かる。おそらく、自民党は証人喚問で「なぜ、領収書名を安倍にしなかったのか」と籠池を攻め立てるのだろうが、本人がすでに説明している通り、「昭恵夫人が要らないと言ったから。迷惑がかからないようにした」と反論すれば、それ以上、追及しようがない。それでも自民党が噛みつくのであれば、「事実解明のために昭恵氏も証人喚問してほしい」と突っぱねればいいだけだ。
 
■郷原氏「告発はかなり難しい」
 議院証言法の第8条は〈(偽証で)告発するには、出席委員の3分の2以上の多数による議決を要する〉とある。安倍ユーゲントと化した自民党の国会議員の連中は、何ら考えもせずに「籠池潰し」で証人喚問に突っ走り、数の力で押し切れると踏んでいるのだろうが、ハードルはかなり高い。それに「総理を侮辱した」なんてワケのわからない理由で民間人を国会に証人喚問して告発を考えているのであれば、もはや法治国家じゃない。元検事の郷原信郎弁護士もこう言う。
 
「仮に(与党が)籠池氏を偽証で告発することを考えているのであれば、証言を覆せるだけの証拠を示す必要があり、過去の例からみても、(告発は)かなり難しい。さらに言えば、もし『籠池証言』がウソというのであれば、財務省や政治家に対するお願いや口利きはしていない――という、これまでの説明の信用性にも疑問符が付く。国有地購入や学校設置認可の経緯に至る話は本当だが、100万円寄付の話だけはウソ――というのもおかしな話です」
 
 17日の衆院外務委員会では、安倍首相が昭恵氏と籠池氏の妻の諄子氏が講演料などをめぐって頻繁にメールでやりとりしていたことを明かした。証人喚問で事実が明らかになる前にカミングアウトした方がダメージが少ないと考えたのだろうが、なぜ、今までダンマリだったのか。与党が「100万円寄付」の証言をひっくり返せなければ、籠池証言の信憑性は逆に高まり、否定するのであれば、これまでの森友の説明もウソと認めることになる。どっちに転んでも安倍政権はいよいよ終わりが始まったと言っていい。