籠池氏が100万円寄付に言及したことを「首相に対する侮辱」だと激怒して「証人喚問」に踏み切らせたという安倍首相は、国会答弁のなかでも森友学園との関係を質問されただけで「侮辱だ!」と叫び、自分に都合の悪いことを追及されると「印象操作だ!」と逆ギレする対応を続けています。
しかし森本学園問題について国民の74%が政府の説明に納得できないとしているなど、国民の疑惑は深まっています。しかも問題は100万円寄付にとどまらずに、谷・首相夫人付秘書官のFAXと、さらには籠池氏から谷氏に宛てた手紙のコピーも出て来るなどして、野党側は政府追及のテーマに事欠くことはありません。
TVでも当然最大の話題として盛り上がっています。
政府は当初FAXの問題を谷氏個人の事柄にして処理しようとしましたが、そんな子供だましにたいしては国民の反発が強く、そこに籠池氏からの手紙が出現したことで、逆に政府が窮地に追い込まれることになりました。
政府は当初FAXの問題を谷氏個人の事柄にして処理しようとしましたが、そんな子供だましにたいしては国民の反発が強く、そこに籠池氏からの手紙が出現したことで、逆に政府が窮地に追い込まれることになりました。
しんぶん赤旗は「昭恵首相夫人には証人喚問を拒否する根拠はない」とする主張を掲げるとともに、「昭恵夫人の関与の疑いは強まるばかり」との記事を出しました。
東京新聞は、民進党が昭恵夫人の証人喚問実現を街頭活動で訴える全国キャンペーンを始めることを報じました。
まずは昭恵夫人の証人喚問で「100万円寄付」問題とと、「FAX・手紙」問題を明らかにすることが事態解明の第一歩ということです。
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(主張)「森友」と首相の妻 証人喚問拒否する根拠はない
しんぶん赤旗 2017年3月30日
2017年度予算が成立し、後半国会の焦点は「共謀罪」導入法案などの審議に移りますが、解明が半ばのままの大阪の学校法人「森友学園」への国有地格安払い下げとそれへの政治介入の疑惑は、引き続き重要課題です。特に衆参予算委員会での籠池泰典理事長への証人喚問を通じて安倍晋三首相の妻、昭恵氏の関与の疑惑がいっそう強くなっています。首相は「自分や妻の関与が明らかになれば総理も国会議員もやめる」と発言してきただけに、その責任は重大です。籠池氏を証人喚問して昭恵氏を喚問しない理由はありません。直ちに喚問に応えるべきです。
国民の不信、批判広がる
これまでの政府の説明に「納得できない」が74%(「日経」27日付)、昭恵氏を国会に招致すべきだ52%(「共同通信」同)―新聞やテレビの世論調査で、国民の不信は広がっています。安倍内閣への支持率も、「朝日」(マイナス3ポイント)「読売」(同10ポイント)「毎日」(同5ポイント)など、軒並み落ち込んでおり、国民の批判は政権に向かっています。安倍首相夫妻が、解明の責任を果たさないのは許されません。
先週の衆参予算委での籠池理事長の証人喚問の際判明した、籠池氏側の借地契約見直しなどの要求に、昭恵氏付きの政府職員が財務省の国有財産審理室長に問い合わせて、ファクスで回答していたという問題は首相官邸もファクスを公開し、関与が誰の目にも明らかになりました。
安倍首相や官邸側は昭恵氏付き政府職員が勝手にやったように言いますが、そんな「秘書が、秘書が」といった言い逃れは通用しません。昭恵氏が首相の妻だからこそ職員が対応し、財務省の幹部に問い合わせ、返事をファクスするなどというていねいな対応をしたのです。しかもその中では定期借地の期間を延ばして借地料を軽くするのは困難だが、土地改良費用の立て替え払いは「予算措置を調整中」などと籠池氏の要求に応えることが示唆されています。
籠池氏からの職員あての手紙には土地の買い取りも含まれています。実際やりとりの翌年、予定地からごみが出たからと、「森友」の売却要求に、価格が8億円も引き下げられるという、まさに「神風が吹いた」(籠池氏の証言)ような不可解な値引き・払い下げが行われました。昭恵氏の関与の究明を抜きに、疑惑は解明できません。
「森友」が開設を予定した小学校が一時「安倍晋三記念小学校」と名付けられていたことや、再三講演した昭恵氏が小学校の「名誉校長」だったこと、昭恵氏が「安倍晋三から」と「森友」に100万円を寄付した疑惑、籠池氏妻とのメールのやりとりなど、首相夫妻と「森友」との関係は数々あります。首相の妻だと「忖(そん)度(たく)」したから国有地の払い下げや学校開設認可に影響があったのではないかと疑いがもたれて当然です。
疑惑ただすのが国政調査
安倍首相や菅義偉官房長官は昭恵氏のかかわりを否定し、昭恵氏は「私人」だとか、明確な不正があったわけでないなどと証人喚問を拒否しますが、犯罪の有無にかかわらず疑惑究明のため喚問するのが国会の国政調査です。自民党などが籠池氏の「偽証」を問題にするのなら、昭恵氏や財務省関係者などを証人喚問し、事実を究明する必要がますます高まります。
森友問題で政府・与党 真相隠し躍起 首相夫人の関与 疑い強まるばかり
しんぶん赤旗 2017年3月30日
国有地の格安売却を受けた大阪市の学校法人「森友学園」(籠池泰典理事長)の疑惑をめぐって、籠池氏の証人喚問(23日の衆参両院予算委員会)以降、安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与を示す証言や資料が出て、8億円値引きにかかわる疑惑の核心が明らかになりつつあります。こうしたなか、政府・与党は籠池氏の「偽証告発」の画策などなりふり構わない疑惑隠しに躍起になっています。
「森友」疑惑の核心は、異例ずくめの手続きの上、8億円もの値引きで国有地が売却されたことです。
籠池氏は証人喚問で、国有地取引に関して、2015年10月に昭恵夫人に直接電話をかけ、その後昭恵氏付の政府職員に手紙も送り、その政府職員からは11月に財務省国有財産審理室長に具体的に照会した結果の回答ファクスが寄せられたと証言しました。
これに対し政権側は「職員個人がやったこと」(菅義偉官房長官)、「(ファクスの内容は)ゼロ回答だ」(安倍首相)と言い逃れに躍起。安倍首相は「私も妻も一切(小学校の)認可にも国有地の払い下げにも関係ない」と繰り返している以上、昭恵氏の証人喚問に応じるのが当然です。
しかも、28日の参院決算委員会では日本共産党の大門実紀史議員の質問で新たな事実が判明しました。籠池氏が政府職員に送った手紙を独自に入手。その手紙では、 (1)50年定借として早い時期に買い取りたい (2)土地の賃料227万円を半額に (3)学園側が立て替えていた土壌汚染除去工事費の支払い ― を求めており、翌年の売買契約などで「ゼロ回答」どころか「満額回答」となっている事実が明らかになったのです。時間はかかっても最終的に籠池氏の要望が実現した、それも昭恵氏の関与があったからこそ、「満額回答」になったのではないか ― 疑惑は深まるばかりです。
こうしたなか政府・与党は疑惑解明に向き合うどころか、「(籠池氏の証言の)精査をしている」(菅官房長官)と官邸あげて「偽証告発」を画策。自民党の西村康稔総裁特別補佐は告発に向けた証拠集めに、国政調査権の発動を求めていく考えを示しています。
籠池氏の証人喚問は、予算委での議決に基づくもの。偽証告発するかどうかは、国会の権限であり、委員会で慎重な審査が求められます。しかも西村氏らが申し立てている “偽証” なるものは、昭恵氏が籠池氏側に寄付したとされる100万円の授受の傍証として出された郵便局の振替用紙の筆跡が学園職員のものでなく、籠池夫人のものではないかという、疑惑の本筋から外れたさまつな事柄です。
いま必要なことは、行政府の国会への介入による真相隠しではなく、昭恵氏らの証人喚問による真相の徹底究明です。
民進、森友学園問題でビラ作成 首相夫人喚問訴え
東京新聞 2017年3月29日
民進党は29日、大阪市の学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題を巡るビラを作成した。安倍昭恵首相夫人の証人喚問実現を街頭活動で訴える全国キャンペーンを始める。安倍政権が偽証罪で学園の籠池泰典氏の告発を検討していることには疑問を投げ掛けた。
ビラは「森友疑惑、財務官僚や総理夫人の証人喚問で真相究明を」と明記。国有地の8億円値引きへの昭恵夫人の関与について真相が明らかになっていないとして、昭恵夫人付政府職員が学園側に回答したファクスの画像も掲載した。キャンペーンは蓮舫代表が28日の常任幹事会で要請した。(共同)