2016年12月6日火曜日

成蹊大学の後輩たちが安倍首相を痛烈批判 大学の恩師も

 安倍首相の後輩の成蹊大学生が、昨年9月、憲法違反の安保法制の成立を目指す安倍首相を痛烈に批判する声明を出していました。安保法制が(参院で)強行採決されたのは9月19日ですが、その6日前の13日のことでした。
 声明は、日本国憲法に集団的自衛権の行使を基礎づける条文が存在しないこと解釈で改憲することは法の支配に反する行為であると、日本国憲法はアメリカによって押し付けられた恥ずかしいものなどではないことなど、安倍氏が安保法制の根拠としているものをみな否定した上で、就職活動のに大学の名前を答えると「ああ、安倍晋三のね」と冷笑されることを付け加えています。かなりの辛辣さです。
 
 当時は多くの大学で「安保関連法案に反対する大学有志の会」が結成されて、安保法制定反対の輪が広がっていましたが、成蹊大の現役学生は有志の会の賛同者になることができなかったため、学生有志が新たに独自の組織を作ろうと呼び掛けを行ったのでした。
 そのときの文章が1年以上の遅れで集約サイト「阿修羅」に投稿されました。
 
 実は成蹊大の関係者による安倍晋三批判としてはさらに手厳しいものがあります。それは同法学部で当時教鞭をとり、安倍首相も授業を受けていたはずの加藤節名誉教授次の言葉です
 
「大学の4年間などを通して、安倍君は自分自身を知的に鍛えることがなかったんでしょう。いまの政権の最大の問題点は、二つの意味の『ムチ』に集約されていると私は思っています」
 教授の言う二つ “ムチ” とはignorant無知とshameless無恥のことです。教授はまた、安倍首相が2013年3月の参院予算委員会で憲法の最高権威である故・芦部信喜氏を「知らない」と言い放ったことについてはこう指摘しています
「晋三氏は政治学科ですし、憲法もしっかり勉強しなかったんでしょうね。しかし、憲法の改革を訴えているのに、芦部を『知らない』なんて言うべきではない。まさに無知であることをまったく恥じていない」
※ LITERA 2016年6月5日 安倍首相の成蹊大学の恩師が涙ながらに批判!
                        「安倍くんは間違っている」「勉強していない」「もっとまともな保守に」
(オリジナルの記事はジャーナリスト・青木理氏によるルポ「安倍家三代 世襲の果てに」です)
 
 成蹊大学後輩学生による呼び掛け文を紹介します。
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1977年度成蹊大学法学部政治学科卒業生 安倍晋三さんへ 
成蹊大学後輩一同より
投稿者 Air-Real  2016 年 12 月 01 日
阿修羅より転載)     
1977年度成蹊大学法学部政治学科卒業生 安倍晋三さん
 
私たち成蹊大学後輩一同は、あなたの安全保障関連法案における、学問を愚弄し、民主主義を否定する態度に怒りを覚え、また政治学を学んだとはにわかに信じがたい無知さに同窓生として恥ずかしさを禁じえません。
 
日本国憲法に、集団的自衛権の行使を基礎づける条文が存在しないことを、私たちは成蹊大学で学んでいます。
憲法を、時の総理大臣が自らを責任者と称し解釈で改憲することは、法の支配に反する行為であると、私たちは成蹊大学で学んでいます。
日本国憲法は、アメリカによって押し付けられた恥ずかしいものなどではなく、日本国民が自ら選び取り70年間維持してきたものだと、私たちは成蹊大学で学んでいます。
そして、私たち成蹊大学生は、憲法学を机上の空論などと考え学者の意見を軽視することなどはせず、学問が蓄積してきた知識を大切にしています。
 
あなたは、本当に成蹊大学で学ばれたのでしょうか。
知っていますか。就職活動の際、自己紹介で母校の名前を答えると「ああ、安倍晋三のね」と冷笑されることを。その冷笑に含まれている意味を考えてみてください。
 
安倍晋三さん、あなたは成蹊大学の誇りなどではなく、ただその無知で不遜な振る舞いによって、私たちの大学の名誉と伝統に泥を塗っているのです。
 
私たち成蹊大学生は、先輩・安倍晋三さんの立憲主義を否定する態度に反対し、安全保障関連法案の廃案を求めます。
平成27913日 発起人・成蹊大学法学部政治学科4年 秋山直斗
 
付記:成蹊大学の教授、職員の方々が「安全保障関連法案に反対する成蹊学園有志の会」を発足され、様々なご活動をされておりますが、現役学生は賛同者になることができないということなので新たにこちらを作りました。