2016年12月26日月曜日

26- トランプの大統領就任確実で、狂気を募らせるアメリカ体制側

 狂気の国アメリカの現状を語る二つの記事が24日と25日のブログ:「マスコミに載らない海外記事」(翻訳版)に掲載されました。
 一つはPaul Craig Roberts氏によるもので、「トランプ氏の当選妨害工作に失敗した米国体制側は、選挙人投票に向けて大々的な反トランプの宣伝を行ったにも関わらず、選挙人投票でもヒラリーの勝利を獲得することに失敗した。トランプは別に正義を行うわけではないものの、いわば経済人としての感覚から大胆な政策転換を行うので、年間1兆ドルという軍事安保予算で恩恵を受ける軍安保支配者集団とは対立する。そしてそのこと自体から生命の危険に晒されることになる(要旨)」と述べています。
 かつてケネディー大統領がそうされたように、彼らは自分たちの利益を守るためにはトップの殺人も厭わないわけで、まことに狂気の国・血塗られた国です。
 
 もう一つは、Eric S. Margolis氏によるもので、CIA幹部筋が自分に「ロシアのプーチンは、真珠湾、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争でかなりの確度で責任がある。9/11事件も彼のせいだ」などと語ったことに対して、アメリカでの対ロシア・ヒステリーがそこまで盛り上がるのは奇怪で愉快だとし、さらにおかしいのは、「ロシアがアメリカの選挙に介入してトランプを当選させたたと主張するマスコミ」であるとして、実に大人げないことだと述べています。
 CIAにしてもマスコミにしても、そんな知恵遅れの子どもの言い草のようなことを大真面目で言っているのかと思うと、嗤うよりもむしろ底冷えのする狂気を感じます。
 
 Eric S. Margolis氏はさらに、これまでアメリカがどれだけの国と戦争を行って破滅させ、又はクーデターを起こして政権を打倒して来たのか、その例を挙げています。
 確かにアメリカは史上空前の戦争国家、侵略国家であり、自らの利益のために数知れない他国の政権を転覆させてきた不正の国家です。
 
 そんな国の体制側(中枢部)が、今更ロシアやプーチンの仕業だなどとあげつらうのは、笑止の沙汰というしかありません。
 (関係記事)
2015年2月28日 アメリカは建国後合計222年間=93%の年間 戦争をしてきた
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対トランプ・クーデターが失敗するにつれ、彼の命に対する脅威は増大する
マスコミに載らない海外記事 2016年12月24日
Paul Craig Roberts  2016年12月20日
売女マスコミを利用したトランプ共和党大統領候補者指名外しの企みは失敗した。
売女マスコミを利用した大統領選挙でのトランプ当選防止は失敗した。
投票再計数は実現しそこねた。
選挙人団を動かす取り組みも失敗した。
 
だが、取り組みは続く。
アメリカ大統領選挙に、ロシアが干渉したとされる、オバマが命じたCIA報告は進行中だ 。偽証拠は、CIA作戦の十八番だ。
環境問題に対し、トランプの耳をふさごうという固い決意で、環境保護主義者団体は、就任を粉砕する計画だ。これ自体は、ほとんど影響はないが、混乱は暗殺の好機となるだろう。
 
トランプ自身、自分は危険な状態にあると考えているようだ。MSNBCによれば、トランプは、シークレット・サービス警護に加えて、私設警護担当を手配するつもりだ。CIAがジョン・F・ケネディ大統領暗殺の共犯である証拠があり(映像を見れば、シークレット・サービス職員が、暗殺直前、JFKのオープンカーから離れるよう命じられていたのがわかる)、トランプは、軍安保複合体から明らかに脅威とみなされているのだから、被害妄想なわけではない。政府警護部隊が抗議行動参加者たちを弾圧することに良心の呵責をいささかでも感じたかのように、MSNBCは、トランプの私設警護担当が、抗議行動参加者を抑圧するためであるかのごとく示唆している。
CIAが、トランプに見ている脅威は、この記事でもわかる。
トランプはロシアに対する平和的な姿勢で、ロシアとの商取引で儲けることができる支配者集団と組んでおり、トランプは、年間一兆ドルという軍事/安保予算で恩恵を受ける軍/安保支配者集団とは対立していると、Global Researchのミシェル・チョスドフスキーは説明している。アイゼンハワー大統領が彼らについて、我々に警告して以来、後者が支配権を掌握しており、トランプ大統領に対し、陰の政府部隊を使うことだできるのだ。
 
相当な玉でないと、このような集団に立ち向かえない。トランプ以下の人物では、とうてい勝ち目はあるまい。事実、もしダグラス・ヴァレンティンの新刊、The CIA As Organized Crime (Clarity Press刊、2017年)が半分でも本当なら、トランプの生命は確実に危険な状態にある。
 
ドナルド・トランプは明らかに聖人ではない。我々が直面していること、つまり核大国間の危険な緊張関係と、軍安保複合体がこうした緊張で儲ける関係にあることを考えれば、聖人が必要とされる状況ではないのだ。
 
1955年5月14日のワルシャワ条約設立より六年も先立つ挑発であるNATOの1949年4月4日創設以来、軍安保複合体は深く根付いている。この深く根付いた陰の政府の強大な力と対決しようとする気がある大統領なら誰であれ、我々全員が支持するに値する
 
Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。
 
記事原文のurl:
 
 
モスクワが攻撃してくる!
マスコミに載らない海外記事 2016年12月25日
Eric S. Margolis 2016年12月18日
CIA幹部筋が私にこういった。‘かなりの確度で、ロシアのウラジーミル・プーチンは真珠湾、朝鮮戦争、ベトナムとイラクの責任がある。9/11や衿の汚れも、この悪漢のせいだ。
ドクター・フー・マンチュー以来、これほど欧米壊滅に躍起になっている邪悪な悪霊は見たことがない。悪のヴラドは、極めて極悪非道で、アメリカの投票装置、おそらくは、スーパー・ボールまで、まんまと不正操作するのだ。
 
アメリカでの赤ヒステリーの盛り上がりを見るのは奇怪かつ愉快だ。しかし最もおかしいのは、クレムリンがアメリカの選挙に‘介入した’と主張するマスコミの熱狂だ。あるいは、洗脳された候補者ドナルド・トランプに投票さえしたというのだ。もし外国からなんらかの干渉があったとすれば、それはロシアではなく、中東の某同盟国によるものだ。
ことごとく、実におとなげない。
私の答え。たとえ本当だとしても(私は信じないが)、それがどうだというのだろう? 大国が干渉をするのは、目新しいことだろうか? 大国はそういうことをするものなのだ
 
アメリカは、凌辱された処女の振りをする立場どころではない。1946年、アメリカとバチカンが、元ファシストとシシリアの無法者連中だらけだったにもかかわらず、三度の国政選挙で左翼に対して勝利する支援で、イタリアの右翼キリスト民主党に資金提供した。
 
1949年、アメリカ政府はシリア政府打倒を画策した。1953年、アメリカとイギリスは、人気があったイランの民主的政府打倒で共謀した。1954年、アメリカは、グアテマラ政府を打倒した。1958年には、レバノンに介入した。その三年後には悪名高いピッグス湾侵攻を行い、フィデル・カストロ暗殺を50回以上企んだ。
 
1965年、アメリカはドミニカ共和国に侵略し、政権を打倒した。1973年には、 チリのマルクス主義政府に対する、アメリカが支援するクーデターを起こした。ニカラグアの左翼は、アメリカ政府の次の攻撃予定リスト対象だった。更にハイチに密かに介入し、イラクのバグダッドで、爆撃と妨害作戦を行った。イランの選挙で選ばれた政府の打倒未遂があり、シリアリビアにおける更なる策謀のあと、むき出しの侵略をした。
 
挙げるべきものはまだある。ボリビア、ブラジル、コンゴ、トルコ、インドネシア、アゼルバイジャン、エリツィンのロシア、ウクライナの‘オレンジ’革命、ジョージア、そして選挙で選ばれたウクライナの親ロシア政権打倒。そして現在、もちろんシリア
 
政権転覆はアメリカの十八番だ。
アメリカは、フランス大統領シャルル・ド・ゴールさえも打倒しようとした可能性がある。後に、アメリカは、エジプトの残虐な独裁者を権力の座にすえるのを支援し、その過程で民主的政府を打倒し、親密な同盟国ドイツのアンゲラ・メルケル首相の電話を盗聴した。
過去、ソ連諜報機関は、術策をめぐらせる専門的スパイ技術や、時折の‘汚れ仕事’で非常に優れていた。だがソ連は、介入や政権転覆の莫大な量では、強大なアメリカには到底及ばなかったし - いまだに及んでいない。
 
私は、モスクワ、ルビャンカにある恐れられているKGB本部で、幹部インタビューを認められた初めての欧米ジャーナリストだ。1917年内戦以来の諜報作戦を見直すため、学芸員と一緒に、驚くべきKGB博物館にも入館させてもらった。秘密作戦については多くを学んだが、フランクリン・ルーズベルト大統領を取り巻いた影響力を持ったソ連工作員については望んでいたほどは学べなかった。
 
過去三十年間、諜報機関を見守り続けたベテランとして、ロシアの策謀のために選挙に負けたというアメリカ民主党の主張は全くのデタラメだと思う。クリントンの敗北を巡る、あらゆる雑音やエセ憤怒は、汚い法的手段 (‘法的手段による戦争’) や大規模デモによってトランプ政権を打倒する前兆的な取り組みなのではあるまいかと勘繰りたくなる。そうであって、当然だ。中東やロシアで、我々は常にそうしているではないか。
 
民主党は、多くの人びとに憎まれ不信の念をもたれていた、実にひどい、腐敗した女性を担いだがゆえに負けたのだ。彼らは誠実な候補者バーニー・サンダース上院議員を排除するため、候補者指名で民主党が不正工作をした恥ずべき事実を隠そうとした。投票装置のまじないやら、赤の恐怖のたわごとではなく、これはスキャンダルだった。
 
モスクワがアメリカ選挙を操作したというアメリカ諜報機関幹部連中の主張は二つのことを示している第一に、もし事実であれば連中は警備任務中に居眠りしていたのだ。第二に、連中がすさまじく政治色濃厚になっていることだ。連中の仕事はホワイト・ハウスに情報を知らせることであり、陰謀論をでっちあげることではない。連中の一部は、驚くほど極端に狂気じみて反ロシアで、政府の内部における政府の手先である可能性が高い。
 
諜報機関を運営する人びとは、対ロシア戦争に凝り固まった狂気を漂わせたイデオローグではなく、冷静で経験豊富な専門家でなければならない。オバマとヒラリー・クリントンのもとで、アメリカはその方向(対ロシア戦争)に向かっていた。もしロシアがそういう結論に至れば、彼らが選挙結果に影響を与えようとするのは理にかなっている - もし彼らが本当にやったのであればだが。
ヒラリー・クリントンは、神を信じない赤いスパイの親玉連中のおかげで負けたという流言は‘犬が僕の宿題を食べちゃった’程度の信憑性しかない。アメリカ国民は、それよりは成長していると思っていたのだが。