2017年6月30日金曜日

1人区は全滅危機 都議選自民は「39議席」大惨敗が濃厚に

 各紙が都議選の1週間前に都民を対象に行った世論調査では、朝日が、都民25%:自民25%、毎日が、都民27%:自民26%、読売が、都民26%:自民23%、日経(共同)が、都民26%:自民25で、どれも同じでした(「世に倦む日々」 27日)
 この段階では都民ファーストが外に伸びず自民と接戦を演じているといえますが、自民党支持者の硬い部分はもともと一定数あるわけなので、問題はいわゆる浮動票(無党派層)の動向がどうなるのかということです。
 今回の選挙では浮動票が自民党に流れる余地はほとんどないので、投票率が高まれば高まるほど自民は惨敗することになります。都議選の結果は次の国政選挙に反映されると言われているので、その点でも都議選は大いに注目されます。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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1人区は全滅危機 都議選自民は「39議席」大惨敗が濃厚に
日刊ゲンダイ  2017年6月29日
 自民党に衝撃が走っている。7月2日(日)投票の都議選は、歴史的な惨敗に終わる可能性が濃厚になってきたからだ。“惨敗ライン”である40議席を割り込みそうなのだ。09年に記録した38議席に並ぶ可能性が出ている。もし、40議席を割ったら、安倍政権は一気にレームダックになっておかしくない。

 大手メディアが24、25日の土日に実施した「出口調査」の結果に自民党は真っ青になっている。「期日前投票」を終えた有権者に投票先をアンケートした。
 結果は、都民ファースト48、自民39だったという。自民党は09年の都議選の時、48→38議席という大敗を経験している。自民党が実施した世論調査も、都民ファースト45、自民41だったという。
 都議会の定数は127。自民党の現有議席は57。いずれにしろ、大量落選である。自民党関係者がこう言う。
「不気味なのは、それほど強い逆風が吹いているとは思えないのに、世論調査や出口調査の結果が異常に悪いことです。38議席に落ち込んだ09年の時は、もっと強い逆風が吹いていた。もしかしたら、有権者は自民党に対して静かな怒りを募らせているのかもしれない。本当に不気味です」

 自民党の苦戦を象徴するのが、勝敗を決する7つある1人区である。最悪、全敗する可能性がある。
 都議会のドンだった内田茂の地盤である千代田区も、築地市場がある中央区も、都民ファーストの候補にリードされている。自民党の牙城である島部も、小池百合子が最終日までに現地入りすれば逆転する可能性があるという。昨年の知事選では、小池票が自民候補の票を上回っている。

■都議選のネックは安倍首相
 自民党が焦っているのは、安倍首相が街頭演説に立っても、立たなくても、どちらもマイナスになることだ。
「自民党が苦戦している理由は、もちろん加計問題をはじめとする安倍首相の対応です。自民党支持者からも『安倍首相はヒド過ぎる』『反省してもらいたい』と批判の声が上がっている。安倍首相が表に出ることはマイナスになる。でも、街頭演説をやらないために『逃げている』と批判されてる。過去4回の国政選挙、自民党は安倍人気で勝利してきたが、この都議選は安倍首相がネックになっている。安倍首相本人もいら立ちを強めています」(政界関係者)

 出口調査の結果通り、自民党は大敗するのか。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「自民党が38議席と大敗した09年都議選の投票率は54%。逆に自民党が59議席と大勝した13年都議選の投票率は43%でした。勝敗のカギは、無党派層が動いて投票率が上がるかどうかです。もし、投票率が55%を超えれば、自民党は過去最低の38議席を下回る可能性もあると思います」
 投票日まであと4日。“反安倍”の空気はどんどん強まる一方ではないか。