2017年6月21日水曜日

自民党が 憲法改正案の取りまとめへ本格始動

 安倍首相が5月3日に発表した「憲法9条の第3項で自衛隊の存在を明記する」という改憲案は、それによって事実上第2項の「戦力の不保持」を有名無実にする企みに他なりません。第9条2項の制約が無くなればあとは「いつか来た道」で、際限のない軍国主義化が可能になります。
 自民党の憲法改正推進本部この安倍首相のこの意図を旗印に、年内憲法改正の具体案の取りまとめるべく本格的な議論を始めました。
 また自民党の高村副総裁は党のインターネット番組で、安倍首相の考え方がされたことで、「一気に機は熟しつつある」と述べ党内の意見集約を急ぐ考えを強調しました。
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自民 憲法改正の取りまとめへ本格議論を開始
NHK NEWS WEB 2017年6月20日
自民党の憲法改正推進本部は、年内の憲法改正の具体案の取りまとめに向けて、20日、幹部による会合を開き、安倍総理大臣が目指すとしている自衛隊の存在の明記をめぐって本格的な議論を始めました。
この中で、憲法改正推進本部の保岡本部長は、「現在の憲法9条の政府解釈を変えずに、自衛隊を憲法に明記することを検討したい」と述べたほか、出席者からは「9条の1項、2項を堅持したうえで、自衛隊を明記する案を検討すべきだ」という意見が相次ぎました
一方で、「9条2項に規定されている『戦力の不保持』と自衛隊との整合性の問題が積み残されるおそれがある」などの指摘も出されました。
 
自民党の憲法改正推進本部では、今後、高等教育を含めた教育の無償化や、大規模災害などに対応するための「緊急事態条項」の新設、それに、参議院選挙での「合区」の解消を含めた選挙制度についても議論し、年内に憲法改正の具体案を取りまとめたいとしています。
一方、20日の会合で、保岡本部長は、安倍総理大臣の憲法改正に対する考えを聞く場を設けたいとして、今後、調整を進める考えを示しました。
 
自民党の石破前地方創生担当大臣は、会合のあと記者団に対し、「憲法9条に新たな規定を加えるとすれば、1項、2項の内容と、どう矛盾なく、自衛隊について説明するのかと質問したが、明示的な答えはなかった。単に、3項を追加して書けばいいのではないかというのは粗雑な議論だ」と述べました。
 
 
自民 高村副総裁 憲法に自衛隊明記「機は熟しつつある」
NHK NEWS WEB 2017年6月20日
自民党の高村副総裁は、党のインターネット番組で、安倍総理大臣が憲法を改正して自衛隊の存在の明記を目指す考えを示していることについて、「一気に機は熟しつつある」と述べ、党内の意見集約を急ぐ考えを強調しました。
 
この中で、高村副総裁は、安倍総理大臣が憲法を改正して自衛隊の存在の明記を目指す考えを示していることについて、「自衛隊が憲法違反かどうかという神学論争に終止符を打とうという提言だ。一方で、集団的自衛権については、政治の世界では決着がついたが、この問題の神学論争には決着をつけるつもりはない」と述べ、今回の憲法改正の議論では、集団的自衛権の扱いには踏み込まない考えを示しました。
 
そのうえで、高村氏は、「実現可能なことを提言して、一定期間内に実現するのが政治家の仕事だ。安倍総理大臣は、9条1項2項を維持して自衛隊の存在を明記すると言ったが、これは何がいちばん正しいかではなく、実現可能なことの中で何が正しいかだ。2020年の施行を目指すということで、一気に機は熟しつつある」と述べ、憲法改正に向けて、党内の意見集約を急ぐ考えを強調しました。