2017年6月30日金曜日

30- 立憲デモクラシーの会 声明(全文)

 立憲デモクラシーの会のホームページに、「安倍政権による強権的な国会運営と説明責任の放棄に対する声明(全文)」が掲載されましたので紹介します。

  (関係記事)
6月28日 立憲デモクラシーの会が声明 強権的国会運営は国民無視の暴挙と
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安倍政権による強権的な国会運営と説明責任の放棄に対する声明

2017年6月18日、数多くの深刻な問題や疑念を残したまま、通常国会が閉じられた。立憲デモクラシーの会は、「共謀罪」法案(組織的犯罪処罰法改正案)の審議入りに先立つ3月15日に同法案への反対を表明し、「立法の合理性・必要性に深い疑念の残る法案を十分な説明もないまま、数の力で無理やり押し通せば、日本の議会制民主主義に対する国民の信頼をますます損なう」と警鐘を鳴らしたが、この懸念が現実のものとなってしまった

形式的に審議時間を消化すれば足りるという態度で、法務省刑事局長を政府参考人として常時出席させて金田勝年法務大臣の代わりに答弁をさせ、最後は参議院法務委員会の審議を一方的に打ち切り、委員会採決を省略し、数の力に任せて本会議で可決させる暴挙に至ったことは、共謀罪法が、政府さえその合理性や必要性をまともに説明することができない悪法であることを明らかにした。立憲デモクラシーの会はひきつづき、このように正当性を欠いた共謀罪法が悪用されないよう注視し、その廃止を求めていく。

政府与党が、両院における圧倒的な議席数を恃みに説明や説得への努力を放棄したことがもたらした議会政治の劣化は、今般の通常国会でついに「国会崩壊」と言わざるを得ないレベルまで進んだ。資質や能力において不適格というほかないのは、共謀罪法案審議に際しての金田法務大臣だけではない。稲田朋美防衛大臣松野博一文科大臣山本幸三内閣府特命担当大臣らも、南スーダンPKO活動「日報」問題や森友学園・加計学園問題などに関して、何の論理も誠意も見受けられない答弁、さらには明白な虚偽答弁を繰り返してきた。そして、これら適格性を欠いた大臣の任命責任と内閣全体の説明責任の放棄は、いずれも安倍晋三首相が直接その責めを負うべきものである。

さらに今国会、目に余ったのは、不都合な事実の説明を免れようと、公文書、公的意味を持つ文書の隠蔽や廃棄が横行したことである。このことは安倍政権の下、議会制民主主義のみならず、法の支配や行政の透明性・公平性の原則が大きく歪められていることを示しており、まさに森友学園・加計学園問題において、首相とその側近や夫人による公権力や国有財産の私物化が疑われていることにも通底する、安倍政権の体質そのものに関わる問題である。

国会、ひいては国民に対して説明責任を果たそうとしない安倍政権のふるまいは、公権力が私的な人間関係により簒奪されているとの疑惑を深めている。新たな文書の存在が明らかとなったにもかかわらず、閉会中審査や関係者の証人喚問を拒絶しとおして「疑惑隠し」をもくろむなど、国民主権を無視した暴挙である。すでに野党議員が憲法53条の定めに従って臨時国会の召集を求めた以上、内閣は速やかに臨時国会を開き、説明責任を果たさなければならない
2017年6月26日
立憲デモクラシーの会