2017年6月18日日曜日

18- 安倍政治はウソで塗り固められている

 加計学園疑惑では、政府が ウソにウソを重ねた結果、いまでは関係閣僚たちも一体真実が何なのか、錯覚に陥っているのではないでしょうか。彼らの頭の中にあるのはどう発言すれば安倍首相にキズが付かないかということであって、真実を明らかにしようという観点など全くありません。
 今度の メールの追加調査で明らかになったことは、文科省役人による内部告発の内容が真実であり、それを安倍首相の取り巻きたちがウソで塗り固めて否定しようとした  という事実です。こういう決定的なウソがばれた時には通常であれば政権は危うくなるものですが、安倍政権はまだそういう状況に陥ってはいません。少なくとも安倍首相はそう踏んでいます。その原因の第一は勿論メディアの弱腰にありますが、国民の方も安倍首相のウソに慣れてしまっているという点があります。
 
 安倍首相とウソは切っても切れません。安倍首相と言えば「息をするようにウソを吐く」と言われてきました。安倍政権の閣僚たちが国会等で平気でウソをつくという異常な状態になったのは、安倍首相がウソつき政治家だからだと見られています。
 精神科医の和田秀樹氏は先ごろ安倍氏の人間性について、
 「安倍首相は一般家庭ではなく政治家の家庭に生まれたので、子どものころから『ウソをついてもかまわない』という教育を受けていたのだと思います。とにかく、その場をごまかせればいいという感覚を持っているのではないかと疑います」
 と語ったということです。安倍氏が子供の頃両親は選挙地盤である山口県在住をベースとしていて、彼自身は東京で祖母たちと暮らしていたので、そこで祖母たちをだますウソが上達したともいわれています。
 その結果ウソを吐くことに何の良心の呵責も感じなくなっているという訳です。
 
 政治評論家の森田実氏も。
「本来政治の目的は人間的善の追求にあるのに、 正反対なのが国民にウソばかりついて不誠実極まりない安倍政権です。これほど魂が腐った政治家たちは見たことがない。何としてでも引きずり降ろさないと、この国はとんでもないことになります」
 と述べています。
 ウソにまみれた政治を止めさせる責任は国民の側にあります。
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次々バレる安倍さまのための嘘 姑息な幕引きは大失敗
日刊ゲンダイ 2017年6月17日
「天知る、地知る、我知る、人知る」
 ウソにウソを重ね過ぎて、安倍サマの取り巻きたちも一体、何が真実なのか分からなくなっているに違いない。安倍首相の「腹心の友」である加計孝太郎氏が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」や「官邸の最高レベルが言っている」と書かれた文書の存否問題。文科省で再調査した結果、民進党が入手して確認を求めた19文書のうち、14文書の存在が確認されたほか、内閣府から文科省担当者へ送られたメールの存在も新たに判明。メールには、国家戦略特区を所管する内閣府の藤原豊審議官の発言として、萩生田光一官房副長官が、昨年11月の特区諮問会議が獣医学部新設を認めた文書(原案)の設置条件に「広域的」の文言を追加するよう指示した――と記されていた。
 
 再調査でようやく、コトの発端となった文科省職員による「内部告発」の内容が真実だったことが裏付けられ、やはり官邸が主導して「加計ありき」で獣医学部新設の話が進められていた可能性がさらに強まったワケだ。
 松野博一文科相は「文書の存在は確認できなかった」と発表した前回調査について、シレッとした表情で「大変申し訳なく、真摯に受け止めている」と謝罪したが、複数の文科省職員が「文書は省内パソコンにある」との声を上げていたにもかかわらず、聞こえないフリをして事実上の隠蔽を図っていた張本人である。ズサンな調査とウソで幕引きを図ろうとした責任は極めて重大だろう。
 
 松野と一緒に内部文書の存在を必死に隠そうとしていたのが義家弘介文科副大臣。参院農林水産委では「行政運営上のプロセスを上司の許可なく外部に流出されることは、国家公務員法違反になる可能性がある」と発言。明らかに内部告発した職員の処分をチラつかせたドーカツだ。「ヤンキー先生」と呼ばれ、過去には北海道内の私立高の教師だった経歴の持ち主だが、今の姿を見る限り、イジメを見て見ぬふりする陰湿教師と何ら変わらない。安倍政権は「道徳の教科化」を声高に叫んでいたが、松野も義家もどのツラ下げて子どもに道徳を説けるのか。
 
■部下をスパイ扱いした山本大臣のホンネ
 文科省の再調査結果を受け、急きょ実施された内閣府の調査内容を公表した特区担当の山本幸三地方創生担当相はもっと最悪だ。
 山本は、ヒアリング対象となった9人の職員すべてが「(総理のご意向などと)発言していないと回答した」とする一方、内閣府から文科省へのメールの存在は認めた上で、追加条件を指示したのは萩生田ではなく、山本自身だったと明かした。
 
 だが、たった数人の職員の聞き取り調査だけで事実関係が明らかになるワケがない。なぜ議事録をきちんと精査、確認しないのか。それとも内閣府では会議や他省庁とやりとりした内容を文書で保存しない役所なのか。あり得ない話だ。メールになぜ、萩生田の名前が記されていたのかの説明も一切ナシ。そんなインチキ調査の結果を基に「総理のご意向はなかった」と断言している。これぞ三百代言だ。揚げ句、きのうの参院予算委では、内閣府から送信されたメールについて「文科省の出向職員がカゲに隠れてご注進のようなメールを出向元に送っていた」と仰天答弁した。自分の部下をスパイ扱いするとは、いやはや、内閣府職員も唖然ボー然だろう。元文科省審議官の寺脇研氏(京都造形芸術大教授)がこう言う
「山本大臣の発言には呆れました。『文化学芸員はがん』と発言して問題になりましたが、自分の部下もがんと思っているのではないか。部下を平気で切り捨てるような政治家が地方創生を担当していることがおかしい。とにかく謝罪は口先だけで、事実解明する気もなく、反省もしていない。本当にヒドイ政権です」 
 
閣僚や官僚が息を吐くようにウソをつく原因は安倍首相にある
 安倍サマを守るための詭弁、ウソの中でも、極めて悪質だったのが菅官房長官の発言だ。
 菅は内部文書をハナから「怪文書」と切り捨て、野党が再調査を求めても「我が国は法治国家。法令に基づいて適切に対応している」と取り付く島もなかった。しかもだ。菅は文科省が再調査する前に内部文書の存在を認めた前川喜平前文科次官を執拗に“口撃”。読売新聞の出会い系バー報道に乗っかり、「教育行政の最高の責任者にあるまじき行為」「地位に恋々としがみついていた」などと前川証言をおとしめる発言を連発。だが、その となったのだが、謝罪や発言撤回はナシ。それどころか「怪文書という言葉が独り歩きしたことが残念」「当時の状況と違う」などと開き直っているから呆れる。
 安倍と同じで、間違いを絶対認めず、言い逃れに終始する表情は悪相ここに極まれりだ。
 
■「閣議決定」の乱発で安倍発言擁護の愚
 内部文書が確認され、前川証言が真実と認定された意味は大きい。前川前次官が会見で明かした通り、“アベ友”に便宜を図るために「行政がねじ曲げられたのではないか」という話の信憑性がより高まったからだ。安倍サマを守るために大臣から現場職員に至るまで「あるもの」を「ない」とウソをつき通し、政策をねじ曲げる――。親友を厚遇し、国政を私物化した疑獄で罷免された韓国の朴槿恵前大統領もビックリだ。
 
 親が親なら子も、ではないが、閣僚や官僚が息を吐くように国民にウソをつく歪んだ状況になったのもまた、安倍自身がウソつき政治家だからだろう。精神科医の和田秀樹氏は一昨日(15日)の文化放送のラジオ番組「SAKIDORI!」で、安倍の人間性をこう分析していた。
 「安倍首相は一般家庭ではなく政治家の家庭に生まれたので、子どものころから『ウソをついてもかまわない』という教育を受けていたのだと思います。とにかく、その場をごまかせればいいという感覚を持っているのではないかと疑います
 良心の呵責を感じるマトモな神経の持ち主であれば、とてもじゃないが、あれほど多くのウソはつけない、というのだ。そして、今やそんなウソつき安倍を守るためのウソが霞が関や永田町で常態化していると言っていい。それは安倍政権が乱発している「閣議決定」の異様さを見ても一目瞭然だ。
 閣議決定は本来、法律や予算など国政に関する重要事項について、内閣の意思決定が必要と判断したものについて、全閣僚が合意し、政府方針を決定する手続きだ。ところが最近は違う。
「森友学園の国有地払い下げで政治家からの不当な働きかけはなかった」「安倍首相の妻・昭恵氏は公人でなく私人」「そもそもという言葉には、基本的にという意味もある」「安倍首相はポツダム宣言を当然読んでいる」……。一体どこが国政に関する重要事項なのか。どれもこれも安倍発言を擁護する内容ばかりだ。
 
 政治評論家の森田実氏はこう言う。
「19世紀後半のイギリスの政治家、グラッドストンは『政治の目的は善が為し易く、悪の為し難い社会をつくることにある』と言い、同じイギリスの政治家、ディズレーリは『誠実に勝れる知恵なし』と言っています。2人の言葉に共通するのは、政治の目的は人間的善の追求にあるということです。正反対なのが国民にウソばかりついて不誠実極まりない安倍政権です。ウソがバレても平気の平左。責任を役人に押し付け、自分たちだけは甘い汁を吸い続けている。これほど魂が腐った政治家たちは見たことがない。森友、加計問題でこの卑しい本性が国民にも分かったと思う。何としてでも引きずり降ろさないと、この国はとんでもないことになります」
 
 安倍政権は国会が閉会してしまえば国民は加計問題を忘れるとタカをくくっているのだろうが、塗り固めたウソがバレて幕引きのシナリオは完全に崩れた。さらなる徹底解明を求める声が強まるのは必至で、逃げ切れると思ったら大間違いだ。