2017年6月4日日曜日

「共謀罪」廃案に向け弁護士・学者たちが有楽町で街頭宣伝 

 2日、東京弁護士会主催して、有楽町駅前で弁護士と学者が、共謀罪創設に反対する街頭宣伝を行いました。です。共催は日本弁護士連合会、関東弁護士連合会、第一・第二東京弁護士会です
 
 東京弁護士会は1日、共謀罪法案の衆院での採決に抗議する会長声明を発表しました
 
 しんぶん赤旗の記事と東京弁護士会会長声明を紹介します。 
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「共謀罪」廃案 弁護士訴え 東京・有楽町 
「学者の会」応援スピーチ
しんぶん赤旗 2017年6月3日
 市民を監視し人権を危うくする新たな共謀罪創設に反対します―。2日、東京都千代田区有楽町駅前で弁護士と学者が、週末の帰路を急ぐ市民の中で街頭宣伝を行いました。東京弁護士会(渕上玲子会長)の主催。共催は日本弁護士連合会、関東弁護士連合会、第一・第二東京弁護士会。
 
 東京の弁護士らが定例で行っている街頭宣伝に「安全保障関連法に反対する学者の会」の前日本学術会議会長・広渡清吾東大名誉教授西谷修立教大学特任教授が応援に駆け付けスピーチしました。
 広渡氏は共謀罪法案が「国家が市民を十分監視する体制を整えるためのもの」であり「自分たちの権力を拡大するためで、『テロ対策やオリンピックのため』『一般市民に関係ない』といって国民を言いくるめている」と気迫を込め訴えました。
 西谷氏は共謀罪法案を許せば「行為を行う前に目星をつけられ捜査される」「垂れ込みがいいことになり、密告社会になる」と警告しました。
 熱心に聞いていた埼玉県所沢市の50代女性は「一般の人が対象にならないといっていたが実は違うことが具体的に分かった。政府の宣伝は恐ろしい」と話しました。
 
 1日、東京弁護士会は、共謀罪法案の衆院での採決に抗議する会長声明を発表。「より深刻な監視社会を招き、プライバシー侵害の恐れが一層強まる」と警告しています。
 
 
共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法の改正案の衆議院での採決に抗議し、
その廃案を求める会長声明
2017年06月01日
東京弁護士会 会長 渕上 玲子
1 2017年5月23日、共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法の改正案(以下「共謀罪法案」という。)が衆議院において可決された。
 当会は、上記採決に抗議し、共謀罪法案の廃止を求めるものである。
2 当会は、本年1月11日、共謀罪法案の国会上程に反対する会長声明において、共謀罪法案が、犯罪遂行の合意そのものを処罰し、法益侵害の具体的危険性が存在しない段階の「合意」だけで犯罪が成立するというものであり、「行為」を対象とし、原則として結果犯を処罰するという我が国の刑事法の基本原則や法体系を根底から覆すものであり、人権保障機能を危うくするものであること、その成立要件が極めて曖昧なため捜査機関の恣意的な解釈・運用によって特定の団体やその構成員を強制捜査の対象とすることも可能になるなど、結社の自由、表現の自由、さらに内心の自由をも侵害するおそれがあることを指摘した。
3 政府は、本法案について、「オリンピックやパラリンピックをテロの危険から守る」として「テロ等準備罪」との略称を用いているが、同時に「国際組織犯罪防止条約」を批准するための法改正であるとも説明する。しかし同条約は、マフィア等の組織犯罪による国際的なマネーロンダリングの防止を目的とする条約であり、テロ防止を目的とするものではないし、実際の法案の内容も、テロを防止するものではなく、広く実行行為以前の共謀や準備行為を処罰の対象とするものであるため、実態はこれまで3度廃案になった共謀罪にほかならず、法案の略称や政府の説明は、市民を誤導するものといわざるをえない。
 さらに、同条約の立法ガイドによると、それぞれの国内の事情に合わせて批准すればよく、すでに予備陰謀罪の規定や資金洗浄に関する法規制がある我が国においては、条約批准のために広範に予備・陰謀罪を認める新たな共謀罪を制定する必要性を裏付ける立法事実は存在しないというべきである。
4 とりわけ、本法案の曖昧な規定は、構成要件の明確性の原則に反するものであり、市民の予測可能性を損ない、健全な活動を萎縮させ、民主政の基盤を揺るがすものといわざるをえない。
 また、法益侵害の具体的危険性が存在しない段階の「合意」だけで犯罪が成立することにより、日常的な生活にまで内偵が及ぶおそれがあることについては、これまで廃案としてきた過去の状況と変わりはないのであり、むしろ対象が拡大された改正通信傍受法などの運用とも相まって、より深刻な監視社会化を招き、プライバシー侵害の恐れが一層強まると言うべきである。
5 当会は、結社の自由、表現の自由、さらに内心の自由をも侵害するおそれが強い共謀罪法案の衆議院における採決に抗議し、市民に対してその危険性を訴え、ともにその廃案を求めるために全力を尽くすことをあらためて表明する。