2017年10月3日火曜日

03- 枝野氏「立憲民主党」結成を表明/「希望」から「原発ゼロ」が消える!

 希望の党は出来ましたが、いろいろゴタゴタ続きで当初期待されたような安倍政権の受け皿にはなれそうもありません。そんな中で民進党の枝野代表代行が新党「立憲民主党」結成を表明しました(NHK)
 前原氏の言うようなかたち=希望の党に公認されない人たちは無所属で云々・・・というような決着はあり得ないので、これは当然の成り行きです。
 いまのところ「立憲民主党」に加わると意思表示している人たちはまだ少数ですが、この3日にも「希望の党」の公認候補名簿が発表されて排除される人たちが明らかになれば、雪崩を打って新党に参加することになると思います。

 田中龍作ジャーナルも「~小池新党の踏み絵に枝野立つ」として、この新党の結成をとりあげました。
 田中氏はある筋から入手した「政策協定書」なる書類1ページ)の写真版を掲げその内容を検討しています。残念ながら当ブログにはその写真版が掲載できないため、協定の8項目の要点を書き起こすと下記の通りです。これを読み合わせながら田中龍作ジャーナルの記事をお読みください。

 1.寛容な改革保守政党を目指す
2.安保法制を支持
3.憲法改正を支持
4.消費税10%への引き上げ凍結
5.外国人への地方参政権付与に反対
6.政党支部で企業団体献金を受け取らない
7.党の指示する金額を党に提供する
8.党の公約を遵守

 3日付の各紙には政策協定として下記の10項目が掲載されました。その要点は下記の通りです。

  1.寛容な改革保守政党を目指す
  2.安保法制を支持
  3.税金の有効活用の徹底
  4.憲法改正を支持
  5.消費税10%への引き上げ凍結
  6.外国人への地方参政権付与に反対
  7.政党支部への企業団体献金を受け取らない
  8.党の公約順守
  9.党の指示する金額を党に提供する
 10.希望の党が選挙協力する政党への批判禁止
      (3.と10.の2項目が追加されました)

「希望の党が選挙協力する政党への批判禁止」とは要するに維新の党(や「日本のこころ」?)を批判するなということです。こういうものを協定に加えること自体に、普通の人は大きな違和感を持つ筈です。小池氏の強烈な個性を改めて感じさせられます。
 そして見落とせないのはどこにも「原発ゼロ」が載っていないということです。当初、大々的に謳っていたのは一体何だったのか。この1点だけでも「希望の党」の信頼性を完全に失わせるものです。

 NHKと田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
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民進 枝野代表代行 「立憲民主党」結成を表明
NHK NEWS WEB 2017年10月2日
民進党の枝野代表代行は記者会見し、衆議院選挙に向けて、事実上の合流方針を決定した希望の党について、目指してきた理念と政策の方向性が異なるとして、新党「立憲民主党」を結成する意向を表明しました。
この中で、民進党の枝野代表代行は、衆議院選挙に向けて、事実上、合流する方針を決定した希望の党について、「さまざまな提起や動きがあったが、残念ながら、理念や政策は、目指してきた理念や政策の方向性と異なるものだと判断せざるをえない」と述べました。

そのうえで、枝野氏は、「日本国民の生活の安心、立憲主義、民主主義、自由な社会をしっかりと守っていくために、『立憲民主党』を結成することを決意した」と述べ、新党「立憲民主党」を結成する意向を表明しました。枝野氏は、「私たちの目指すべき社会の在り方、理念や政策の方向性を応援してくれた皆さんにとって、選択肢がない状況になってしまっている。多くの国民から『枝野がたて、その選択肢を作れ』という激励を頂いた」と述べました。
そして、衆議院選挙について、「1日も早く安倍政権を倒さなければならない。おかしな政治運営と国民生活にマイナスな政策を、より明確により厳しく指摘し、戦う集団にしていきたい」と述べました。

また、枝野氏は、民進党の最大の支持団体である連合について、「『生活者や納税者、働く者の立場に立つ』ということは、『立憲民主党』においても、私たちの立ち位置となる。連合とさまざまな形で連携しながら積み重ねてきた理念や政策なので、理解、賛同してもらえるものだと確信している」と述べました。

民進党の菅元総理大臣は、2日夜、東京都内で街頭演説し、衆議院選挙に向けて、「立憲民主党」に参加したいという意向を明らかにしました。
一方、民進党内では、野田前総理大臣、岡田元代表、安住前代表代行、江田前代表代行が、希望の党とは考え方が異なるなどとして、衆議院選挙に無所属で立候補する意向を表明しています。


「排除します」小池新党の踏み絵に枝野立つ 
田中龍作ジャーナル 2017年10月2日
 「全員を受け入れるつもりは さらさら ありません」・・・希望の党の小池百合子代表が進める選別と排除の実態が明らかになった。

 田中龍作ジャーナルではある筋から「政策協定書」なる書類を入手した。小池百合子代表が立候補予定者に迫る踏み絵である。
 踏み絵は全部で8項目からなる。
 2項目めの「安保法制を支持すること」と3項目めの「憲法改正を支持すること」(写真参照)は、小池代表がかねてより公言していた通りだ。
 だが小池新党の本質を示す恐ろしくてエゲツない部分は、漏れ伝わってくるだけだった。
 5項目めの「外国人に対する地方参政権の付与に反対すること」は、小池氏の持論である国際化と矛盾する。レイシストと受け取られても仕方がない。
 7項目めの「党の指示する金額を党に提供すること」は、金で公認を左右するとしてヒンシュクを買っている。
 立候補希望者に、供託金600万円(小選挙区300万円、比例300万円)と寄付金100万円を指定された口座に振り込むよう、迫るのである。寄付金は上納金とも呼ばれる。
 8項目すべてに納得したうえで署名しなければならない。署名してしまえば、まっとうな政治家としての生命を失ってしまう。

 民進党の立候補予定者たちは、前原代表が一括して名簿を出してくれるものと信じていた。一人ひとり踏み絵を踏まされなくて済むと理解していたのである。
 ところが実態は180度違った。踏み絵を踏めない、つまり署名できない立候補予定者たちが、続出して大量に弾かれているのである。50人を超える民進党前職の名前が、排除リストにあがっているのは、このためだ。

 小池代表から排除された民進党の立候補予定者の受け皿は枝野新党になりそうだ。
 枝野幸男・元民進党代表代行はきょう夕方、新党設立の記者会見を開いた。
 新党の名称は「立憲民主党」。枝野氏はネーミングの由来を「近代国家の基本である立憲主義と民主主義を大事にするという意味」と説明した。

 上述したように枝野新党には小池新党から弾かれた民進党の立候補予定者や、すでに小池新党への不参加を表明している立候補予定者が、数十人規模で参集するとの見方もある。
 選挙の結果しだいでは、国会が自公と希望という右翼政党に占拠される恐れがある。民主主義を絶滅危惧種にしてはならない。
 立憲民主党の誕生で、ここ2,3日ツイッター上を賑わしたハッシュタグ「 #枝野立て」 が、「 #枝野立った 」に変わった。

(写真説明)小池代表宛てに立候補希望者が提出する宣誓書(踏み絵)。原発ゼロはどこにも見当たらない
~終わり~