選挙の結果は、自民が283議席・公明が29議席で、自・公合わせて312議席と衆院の定数465議席の3分の2を占めました。投票率が53・6%と、戦後最低の前回2014年総選挙52・66%と殆ど変わらない低率になったことが、事前の予測通りの結果を導くことになりました。本当に残念なことです。
ブログ:「半歩前へ」は、「自民の勝因は前原・小池の “策略” 野党つぶし」にあるとしました。
共産党との共闘を、神津連合会長と一緒になって頑なに拒否する前原・民進党代表が、選挙の直前に独断で希望の党に合流することを決めたことで、それまで進められてきた民進党を含む野党共闘は突然挫折しました。
その一方で、民進党が全員合流できるというのは前原氏の虚言であることが明らかになり 急遽 立憲民主党が作られましたが、その候補者に希望の党が刺客を立てるなどしたため、自民党と非自民党が1対1で対決するという小選挙区制の鉄則が実現出来なくなり、結果として野党の「乱立」となって与党を大勝させることになりました。
自民党を大勝させた最大の戦犯である前原氏は23日未明、「次の政治決戦は来年4月の統一地方選と2019年の参院選。それを想定して、民進に残る参院議員、地方組織、自治体議員を分裂させるべきでない」と、分かり切ったことを述べた後「民進党の将来像をどうするか、その方向性を決める責任は持ちたい」とそこまで居座ることを言明しました。もう誰も彼を信頼していないことの自覚はないようです。民進党のことはもう参院議員たちに任せ、「責任を取る」というのであれば潔く身を引くべきでしょう。
希望の党への合流騒ぎでメリットがあったとすれば、民進党が極右反共の部分とそうでないリベラルの部分とに分かれたことです。希望の党で小選挙区で当選した議員の一部は、すぐに離党して新党を立て、立憲民主党と組むという話も浮上しているということです。
民進党が立憲民主党に変わった結果、今後は野党共闘が実のあるものになりそうです。そういう意味で例えば野田佳彦氏などの極右グループを再び迎え入れるべきではありません。
一方の希望の党の小池百合子代表は、選挙結果について旅先のフランスで、「完敗でした。おごりがあったと反省している。党を立ち上げた当人なのでしっかりと責任をとって、今後の党の運営などを進めていきたい」」と述べ、代表を継続することを明言しました。
選挙の過程で、早くも希望の党が反自民の受け皿になり得ないことが明らかになったことも収穫でした。
ブログ「半歩前へ」と「日々雑感」の記事を紹介します。
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速報!自民の勝因は前原・小池の“策略”「野党つぶし」!
半歩前へ 2017年10月22日
悪夢が現実となった。2017総選挙は、自民党が260議席を上回り、単独過半数を確実にし、自公で300議席を上回る公算だ。(22日午後9時30分現在の状況)
野党最大の敗因は前原誠司、小池百合子による「野党つぶし」である。前原はあろうことか民進党の公認を全員から取り上げ、小池新党への合流を決めた。しかも小池自身による安保、憲法の「踏み絵」のオマケまで付いた。
前原が小池と裏でどんな話し合いがあったのか定かではない。が、総選挙公示を直前にした事実上の民進党の「解体」は、野党共闘を目指す共産党や社民党などに計り知れない混乱を招いた。
これで、オール野党が一丸となって安倍自民党と対決、「安倍政権を退陣に追い込む」との小沢一郎らのシナリオはご破算となった。不意打ちを食らった小沢一郎はその後、小池と連絡を取ろうとしたが、いまだにとれない状態だという。野党の足並みの乱れに乗じて安倍自民党が蘇った。
安倍晋三首相は9月25日の記者会見で、衆院選の勝敗ラインは「与党で過半数(233議席)」と発言。当時の288議席を大幅に下回る数字を挙げて防戦に努めた。世間のモリカケ疑惑への厳しい目と、小池人気に押されて「劣勢は必至」と判断したからだ。
それが、「排除します」の小池の一言で一転、流れが変わった。1対1の与野党対決が実現していたら、安倍自民党の勝利はあり得なかった。その理由は前回の総選挙で民進党(民主党)と共産党、自由党、社民党の合計得票が各選挙区ともに、すべて安倍自民党を上回っているからである。
安倍自民党を勝利に導いたのは安倍政権の実績などではない。前原、小池コンビによる“策略”「野党つぶし」である。(敬称略)
政権与党とマスメディアの策略に破れた野党連合。
日々雑感 2017年10月23日
第48回衆院選は22日投票、一部を除き即日開票された。安倍政権の継続を掲げた自民党が単独で280超の議席を得て圧勝した。連立を組む公明党と合わせ、安倍晋三首相(自民党総裁)の第4次政権は、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の310議席を上回った。立憲民主党は躍進し野党第1党となったが、苦戦した希望の党が公示前議席を下回り「安倍1強」の状況は崩せなかった。
自公両党が衆院選で3分の2以上の議席を得るのは、政権交代前の2012年12月と14年12月に続き3回連続。衆院で3分の2以上の議席があれば参院で否決された法案を衆院で再可決できる。
12日間の選挙戦で、与党は安倍政権の継続や、消費税の増税分を財源とした全世代型社会保障制度の構築などを訴えた。働き方改革を柱とした経済政策「アベノミクス」の加速も主張。緊迫する北朝鮮情勢を念頭に安全保障政策の強化についても支持を呼びかけた。野党側は、学校法人「森友学園」や同「加計学園」を巡る疑惑への対応を批判し「安倍1強」体制からの脱却を訴えた。
ただ16年の参院選でみせた候補者一本化などの野党共闘は今回は実現しなかった。衆院選の公示日前に、代表を務める小池百合子東京都知事が希望を、枝野幸男元官房長官が立憲民主をそれぞれ立ち上げ、民進党前議員も分裂したためだ。多くの選挙区で政権批判票が割れ、結果的に与党優勢の構図となった。
(以上「日経新聞」より引用)
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日本の未来にとって由々しい選挙結果となった。安倍自公亡国政権に2/3以上の議席を与えるとは、日本の民主主義そのものが危ないと思わざるを得ない。ただ強い危機感の中にも野党連合を本気でやろう、という機運が野党議員諸氏の中に芽生えたことは暗闇の中に微かな明かりを見出す気がする。
どうして多くの国民は安倍自公政権が亡国政権だと気付かないのだろうか。最も簡明な国債残も決して国家の借金ではなく、政府が国民から借金しているのだという事実が理解できないのだろうか。
日本のマスメディアの偏向報道には強い怒りを覚える。テレビなどで税に関するニュースや税制を論じる番組には政権の御用評論家たちだけではなく、反対の正論を述べる経済学者・論客たち、例えば浜氏や三橋氏たちを登場させて、日本の現状認識にも異論があることを報せるべきだ。
むしろテレビの報道番組では政府の言い分は紹介するにとどめて、政府の主張する税制のあり方に反対する立場の論客を登場させるべきだ。それでなくても政権与党には国家支配の強い権力と影響力がある。
それにしても無責任の極みというべき小池都知事の策略に野党連合はマンマと嵌められてしまった。選挙解散騒動と同時に始まった希望の党の結党宣言から日本のマスメディアは小池一色に染まった。国民の真実を知るべき耳目を封じ、自民党の補完政党に過ぎないお題目を並べる希望の党騒動を連日報じて野党連合の芽を潰した。
やっと告示日の数日前に立憲民主党が結党されたが、マスメディアの「希望の党」騒動のスクーリング効果により国民に解る形での野党連合にまでは到らなかったのは返す返すも残念だ。
安倍自公政権はいよいよ亡国政権の本領を発揮し始めるだろう。デフレ下経済下のデフレ効果による見かけのGDP増加を経済回復だと主張する安倍氏の誤魔化しを論破できない馬鹿な評論家たちを登場させている日本のマスメディアの偏向振りには呆れ返る。
消費増税10%で国民を貧困化させ格差を拡大しておいて何が子育て無償化だの、未来への投資だの、と言えるのか、安倍氏の独善性には恐怖さえ覚える。消費増税10%は国民個人消費を益々冷え込ませて、日本を底なしのデフレ下経済へと突入させる危険性を孕んでいると批判しない日本のマスメディアは御用報道機関というよりも反日・マスメディアだと断じるしかない。
安倍氏と一緒になって北朝鮮の脅威を煽り、ICBM開発による米国への核攻撃の脅威を日本への脅威と煽りに煽って安倍氏の「戦争大好き」戦前回帰を正当化するのに手を貸した日本のマスメディアの悪辣さにはゾッとする。
ただ小沢一郎氏と同志たちが少数であるが激烈な戦いを勝ち残った。野党連合再結集の芽は残されている。「国民の生活が第一」の政治こそが日本を国民の手に取り戻すマットウな政治だという理念に立って、野党連合が今日から構築の道を歩み始めることを切に願う。