2017年10月14日土曜日

東浩紀氏が悪質な棄権を呼び掛けている(猪野亨 氏)

 評論家東浩紀氏は、週刊ポスト2017年10月6日号「東浩紀氏ツイートで話題 選挙の『棄権運動』は静かな革命か」で次のように述べています。

「総選挙になったら棄権だな。今回は堂々と棄権を訴えよう。バカげすぎている」
「この局面においては、棄権すること、つまりおまえらの政治ゲームにはのらないよと意志を表示することこそ重要だ」
「論点なし。必然性なし。いまだと勝てるからやる。それだけ。独裁国家の信任投票のようだ」 (「弁護士 猪野 亨のブログ10月5日)

 それに対して、映画評論家の町山智浩氏は
「逆だ。東浩紀が今までの選挙で支持してきたのは橋下、猪瀬、小池で全部一番人気の勝ち馬じゃないか。で、三回とも支持して失敗だった。人を見る目が無かった。そしたら今度は棄権を呼びかけている。政治より先に絶望すべきは自分自身ではないか」
ツイートています。

 抗議の意味で選挙の投票をボイコットする  これほど無意味というより有害な行動はありません。そうすれば以前に ある自民党の政治家が口にした「(浮動票グループの人たちは)選挙の時は家で寝ていてほしい」という願いが実現することになります。
 棄権は単に現状を是認するものであって、公示日が過ぎてから各紙が予想したような議席獲得の予測がその通りに実現するだけのことです。
 どこから見ても「危険運動」には説得力がありません。

 14日付の「弁護士猪野亨のブログ」が東浩紀氏を批判しました(同ブログがこれを取り上げるのは二度目になります)。

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東浩紀氏が未だに悪質な棄権を呼び掛けている 安倍自民党の応援団 
若者は現状を変えるために積極的に立ち上がれ
弁護士 猪野 亨のブログ 2017年10月14日
 東浩紀氏については先般、ツイッターで安倍内閣による臨時国会冒頭解散を「批判」しているかのようなポーズをとり棄権を呼び掛けていました。

 東浩紀氏は、さらにパワーアップして「積極的棄権」だそうです。

 一読して、あまりにいかがわしいことがよくわかる内容です。
 この選挙がおかしいから積極的に棄権をしたら、誰が得をしますか。
 安倍内閣支持層は、基本的にはこの選挙はおかしいとは思っていないでしょうから、安倍自民党候補のために投票に行きます。
 逆にこの選挙がおかしい、安倍氏のやっていることはダメと思っている層に棄権しろと言っていることになりますが、誰が得をするかは、誰でもわかることなのです。
 しかし、東浩紀氏だけにはわからないのか、わかっていてやっているのか、いずれにしても選挙の意味を全く理解しない、自分をかっこいいと思っているだけのどうでもいいレベルの人です。
 しかし、こういう人に感化されてしまってはなさけない限りなので、こんな人の主張など笑ってはじき飛ばしてもらいたいものですが、しかし、やはり中には棄権をかっこいいと思っている人たちも少なくないのかもしれません。

 逆に昨今、20代や30代が安定して自民党支持になっているとも報じられています。
若者層は保守的? 内閣・自民支持多く…世論調査(毎日新聞2017年10月9日)
「毎日新聞が9月に2度実施した全国電話世論調査(9月2、3日と同26、27日)によると、全体として20代以下(10代を含む)と30代は、40代以上の高齢層に比べて内閣支持率も自民党支持率も高い傾向を示した。」

 恐らく「積極的」に棄権している若者層には自民党支持は少ないのではないかと思われますが、そうではない若者層が自民党支持なのには、正直、がっかり感がないわけでもありません。何か積極性が感じられないわけです。
 極端な見方をすると、こうなってしまうのですが。
若者はなぜ自民党を支持するのか」(アゴラ)

 要は新聞もネットも見ないから反安倍が刷り込まれていないからというのですが、新聞もネットもみない(要は政治欄ですが)人たちはそもそも無関心だから「支持」という意思表示もないように思います。ひょっとしたら尋ねられたら「支持」と答えるのかもしれませんが、いずれにせよ積極性は全くありません。
 積極的に現状をどうしようかという覇気に欠けるというようには見えます。何とかしてくれるという発想です。
 現政権や現与党への支持率が高いと言いながら、投票率は低いのはやはり問題で、どのような思想かはともかく、20代若者層には現状を変えるために立ち上がってもらいたいと思います。