これは富山の貧しい漁村で起きて国に広がった米騒動を描いた映画『大コメ騒動』の紹介記事です。
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女たちはやむにやまれず立ち上がる 〜 今と重なる映画『大コメ騒動』
レイバーネット日本 2021-2-02
早くも今年一番!と思える映画を観てしまった。富山の貧しい漁村のかあちゃんたちが主人公だ。日本全国に広がった米騒動。歴史の教科書で名前だけは知っていたものの、こんなにも豊かなエンターテイメントになるなんて。
米俵を担ぐ重労働をしながら子どもを育て、家族を守ってきた女性たち。しかしシベリア出兵に向けてコメの値段は高騰。一日一升食べたと言われるコメが手に入らなくなって、女たちはやむにやまれず立ち上がる。
時は大正時代。100年前の出来事なのに、何て今と重なることか。権力者はいつだって、庶民が声をあげることを「暴動」といって封じ込める。そして一人一人を切り崩して分断させる。ジャーナリズムのあり方も変わらない。
井上真央演じる主人公は、よその町から嫁いできた。井戸端会議では新聞を読み、「女が勉強なんかして何の役に立つのか」と言われていた彼女だけれど「何が何でも子ども達に食べさせなくては」という思いと結びついた時に、ものすごいパワーを発揮する。浜辺で「米を旅に出すな!」と叫ぶ。このシュプレヒコールが意味するものは絶大だ。
構想から20年。史実を丹念に調べてこの映画を作った富山県出身の本木克英監督は「全国にいる富山にゆかりある人たちに観て欲しい」という。私は、福島の女性たちにこそ観て欲しいと思う。(堀切さとみ)
⇒ 映画公式サイト
上記中の予告編 ⇒ 動画(2分) https://youtu.be/xTjDi0IP8_g