2021年5月5日水曜日

憲法改正と棄民 大人食堂に19歳の元大学生

 コロナ禍下での悪政により貧困が拡大し若年層に広がっています。反貧困ネットワークの緊急アクションにSOSを求める人たちの7割が20~30代の若者だということです。家がありながら生活に困窮している人も増えているそうで、要するに収入がなくなったということです。

 それなのに政府が考えていることは人気取りの浅はかな政策と政権の延命のみ、すること為すことが的外れの連続で、目下の緊急課題であるコロナが収束に向かう気配は全くありません。
 そしてあろうことか、この火事場の中で一つ覚え?の改憲を強行しようとしています。やるべきことは何もやらずに、いきなり私権の制限を目指すとはまことに暗黒の政府です。
 田中龍作ジャーナルが取り上げました。
 併せてしんぶん赤旗の「(主張) 憲法施行74年壊憲の政治を終わらせよう」を紹介します。
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憲法改正と棄民 大人食堂に19歳の元大学生
                        田中龍作ジャーナル 2021年5月3日
  【写真説明】元大学生(19歳)は、両手一杯に食料を受け取り会場を後にした。
         =3日、四谷 撮影:田中龍作=
 貧困はさらに広がり若年化が進む。反貧困ネットワークの瀬戸大作事務局長が担う緊急アクションには住み家を失い、食べて行くこともできず、所持金数十円になった人々がSOSを送ってくる
 今回の緊急事態宣言発出後、SOSの中心は20~30代の若者で、全体の7割を占める。相談事の中心は「死にたい」だ。
 憲法記念日のきょう、四谷の聖イグナチオ教会で、大人食堂が開かれた。憲法25条で保障された生存権を脅かされている人々が列を作って食料の配布を受けた。
 今回の大人食堂は、大根、キャベツ、ニンジン、長ネギなどが、八百屋のように並んでいるのが特徴だ。
 スタッフによれば「家がありながら生活に困窮している人が増えているので、調理できる野菜を揃えた」。正油まで付ける心配りには感服した。
 会場を訪れた人々は、生鮮野菜、コメ、肌着などを次々と袋に詰めていった。
 驚くほど若い女性がいた。「コロナ禍でアルバイトがなくなり大学をやめた。19歳」という。

  【写真説明】貧困問題に詳しい雨宮処凛さんが護憲集会でマイクを握った。時代を象
         徴する光景だった。=3日、国会議事堂前 撮影:田中龍作=

 連休明けには、憲法改正に道を開く「国民投票法改正案」が強行採決されそうだ。
 国民民主党を含めれば、衆参ともに改憲勢力が発議に必要な3分の2を占める。
 資金力にまさる改憲勢力がテレビCMなどで世論誘導すれば、あっという間に改憲である。
 改憲の目玉は、自民党草案の98・99条が定める緊急事態条項である。私権を制限し、内閣が法律を作り、衆議院の解散もなくなる。
 緊急事態条項は、コロナ対策で失政が続くスガ内閣にとってノドから手が出るほどほしいはずだ。
 大人食堂の相談員を務める作家の雨宮処凛さんは、スガ政権を「国民が死のうが路頭に迷おうがどうでもいい。まさに棄民」と喝破した。
                  ~終わり~


主張 憲法施行74年 「壊憲の政治」を終わらせよう
                        しんぶん赤旗 2021年5月3日
 日本国憲法は1947年の施行からきょうで74年です。新型コロナ感染の急拡大に歯止めがかからず、国民の命と暮らしが脅かされる中で、憲法の理念を守り生かす政治の実現が重要になっています。菅義偉政権は、憲法をないがしろにする政治を続け、安倍晋三前首相が打ち出した明文改憲を目指す姿勢を変えようとしません。「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(前文)と決意した憲法を敵視する政権をこれ以上続けさせてはなりません。憲法にもとづく国民本位の政権をつくるため、力を尽くそうではありませんか。

命と暮らしを守る土台
 菅政権のコロナ対策での無為無策は、「第4波」を深刻化させています。危機的事態を招いたのは、憲法が明記する諸権利を国民に保障する立場に政府が立っていないからです。憲法25条は生存権保障と、社会保障・公衆衛生増進義務を国に求めています。これに照らせば、PCR検査の大幅拡大や、医療体制の拡充に、政府は責任を果たさなければなりません
 休業要請などと一体の十分な補償も、財産権を定めた憲法29条を根拠とする国民の権利です。憲法13条がうたう個人の尊厳と幸福追求権は何より大切にされなければなりません。コロナ禍の女性の苦境打開でも、憲法の精神によるジェンダー平等推進が不可欠です。
 菅政権は、学問の自由の重大な侵害である日本学術会議への人事介入を撤回せず、相次ぐ金権疑惑や政治の私物化など、憲法破壊の政治に反省がありません。
 4月の日米首脳会談では、バイデン米政権に「自らの防衛力を強化」することを誓約し、日米軍事同盟にもとづく大軍拡を推進する姿勢を鮮明にしました。共同声明で台湾問題を明記し、日本の軍事的関与の危険性を高めています。米国の戦争に自衛隊の参加を可能にしている安保法制=戦争法を廃止し、立憲主義を回復させることがいよいよ急務です。
 菅首相は訪米した際、米誌『ニューズウィーク』のインタビュー(電子版4月19日付)で、「(憲法は)現実に追いついていない」と述べ、明文改憲の意向を隠しません。憲法9条に自衛隊を書き込む改憲案を持ち出した安倍前首相を自民党改憲推進本部の最高顧問に就任させるなど改憲の流れを加速させようとしています。
 自民・公明などは、連休明けにも衆院の憲法審査会で、改憲のための国民投票法の改定案を採決しようとしています。コロナ危機に乗じ“火事場泥棒”のように採決を急ぎ、国民多数が求めていない改憲を推進することは絶対に許されません。

公布75年の節目の年に
 今年の11月3日は、憲法が公布された1946年から75年です。節目の年を改憲ではなく、憲法を守り生かす年にするかどうかが問われています。大軍拡など9条を実質的に空洞化させる動きと一体になった明文改憲の策動は、日本を戦前のような「戦争する国」に引き戻す時代逆行の企てです。
 憲法の平和的民主的条項をはじめ全条項が完全に実施される政治を目指し、市民と野党が力を合わせることが求められます。来たる総選挙で、憲法を壊す「壊憲の政治」に終止符を打ち、新しい政治を切り開きましょう。