2021年5月13日木曜日

5千人~1万人/日「接種センター」運営 自衛隊が人材派遣会社に“丸投げ”

 菅首相は、東京に「1日1万人規模のコロナワクチン接種会場」(大阪には1日5千人規模)を作ると打ち上げましたが、それは何の裏付けもないものでした。

 それで自衛隊に丸投げするしかなかったのですが、自衛隊にしても そこに派遣するには看護官の人数が圧倒的に足りないので、やはり外部の業者に委託したということです。
 東京と大阪で自衛隊が運営するワクチンの大規模接種センターは、24日開設される予定ですが、業務の一部を約36億8000万円で民間に委託しました。
 民間看護師200人の派遣業務は7億6377万4000円で人材派遣業の「キャリア」が受注し、受付や案内などの会場業務については、東京会場は19億4899万9999円で「日本旅行」、大阪は9億6654万586円で「東武トップツアーズ」がそれぞれ受注しまし(このうち看護師200人の募集が最も困難と思われるのですが、派遣会社「キャリア」はそのノウハウを持っているようです)。
 集められた人材は勿論 有償の労務で、ごく短期間での募集になるので人件費は当然割高になります。これはやむを得ないことで、責任を負うべきは思い付きで急遽スタートさせた政権にあります。
 AERA dot. と日刊ゲンダイが取り上げました。
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【独自】高齢者1万人「接種センター」運営 日本旅行、人材派遣に約37億円で自衛隊が“丸投げ”
                                                       AERA dot.  2021/05/10
 内閣支持率の急落が止まらない菅政権が急きょ、ぶち上げた高齢者に対する「新型コロナワクチン1日1万人接種」計画だが、担当の自衛隊だけでは人手が足りず、人材派遣会社や日本旅行などに約37億円で“丸投げ”していたことがAERADot..編集部の調べでわかった。
 菅政権は5月24日からスタートさせる東京と大阪に設置するワクチン大規模接種センターについて、東京では1日あたり最大接種人数を1万人、大阪は5千人とする目処がついた、とメディアにアナウンスしていた。
 3カ月間で東京が計90万人、大阪は計45万人の接種を見込み、接種センターは土日祝日を含めて自衛隊が運営し、医官約70人、看護官約200人を全国の自衛隊病院や部隊から集めて東京と大阪の会場に派遣するなどと報道されている。
 しかし、これには“カラクリ”があった。防衛省関係者はこう説明する。
自衛隊の看護官の人数が圧倒的に足りないので、外注する形で集めることになったんです。菅首相がワクチン接種は『自衛隊がやる』と宣言はしたものの、結局は民間看護師、しかも非正規雇用の方を大量動員してやっつけで進めるしかなかったということです。この計画は菅首相の側近の和泉首相補佐官らが主導し、詳細を詰めぬまま、メディアに大々的にぶち上げられました。だが、ワクチンを所管する厚生労働省や内閣府、内閣官房などには何のノウハウもなく、困り果てていた。自衛隊に押し付ける形になりましたが、結局、看護師派遣や接種会場の受付などロジも含めて人材派遣会社日本旅行、東武トップツアーズなどに約37億円で”丸投げ”となりました」
 事業主体となる自衛隊によると、一般競争入札の公示が出されたのは5月3日、入札日は9日だった。募集人数は看護師200名で、「納期または工期」については5月17日から8月24日までとなっている。入札金額は約6億9千万円(税抜き)だという。
 だが、受注企業が決まってからわずか8日で200人の看護師を集めるというのは決して簡単ではない。
常識的に考えたら、無茶な発注です。こんな突貫ですから、金額もハネ上っても仕方がないのではないか」(防衛省関係者)
 いったいどこの企業が、いくらで落札したのか。陸上自衛隊中央会計隊に確認すると、落札したのは「キャリア」(本社・東京都世田谷区)だ。
 この会社は2009年に設立されたベンチャー企業だ。歴史は浅いが、20年9月期の有価証券報告書によると、売上高は約122億円。主な事業はアクティブシニアを派遣するシニアワーク事業と、看護師、介護士などを派遣するシニアケア事業だ。わずか8日間で200人の看護師ら人材を集めることができるのか。広報担当者を直撃した。
「対応することができるから入札に参加した。看護師の派遣は設立してすぐに始めているので、強みがある。採用ノウハウはある」
 200人の看護師を短期間で確保する分、金額も通常より高くなっているのではないか、と尋ねた。
「(高いか低いかについては)お答えを控えさせていただきたい」(広報担当者)
 東京のワクチン接種会場は千代田区大手町の官庁街にあるビルの一室で、一日1万人もの高齢者が来場するとなると混乱は必至だ。大阪も府立国際会議場で一日5千人を見込んでいる。
東京、大阪の両会場の運営、設営、受付から高齢者の案内などのロジも旅行会社2社へ計30億円で”丸投げ”です。急ぎの発注だと、建設工事もそうですが、相場より高額になります。東京センターの設営ロジの元受は日本旅行です。大阪センターの元受は東武トップツアーズです。両センターとも元受から孫請けの複数の人材派遣会社がインターネットで求人募集をかけています」(前出の防衛省関係者)
 日本旅行に取材を申し込むと以下の回答があった。
「大規模接種センターの東京の業務を受託したのは事実です。詳細についてはまだお伝え出来ない。防衛省に確認してほしい」(広報)
 東武トップツアーズに取材を申し込むと以下の回答があった。
「当社はワクチン事業に参画していることをまったく公表していない状況。従って、個別具体なことにお答えできない」(広報)

<大手町駅徒歩8分、職種)☆期間限定☆ワクチン接種の会場運営/給与時給1450円~ ★日払いOK/WEB登録OK>
<勤務時間7:30~14:00、14:00~20:30/週3日~ 来場者の受付対応・誘導、設備設置・撤去 などの作業をお任せします♪ 未経験OK!主婦(夫)、フリーター歓迎>

 すでにインターネットではワクチン接種会場のロジを担当する求人広告が上がっていた。募集を行っていた会社に詳細を尋ねた。
「メディアへの露出を禁止しているので、お答えできません」(担当者)
 河野太郎ワクチン担当相は5月5日放送されたテレビ番組内で、ワクチンの大規模接種センター東京会場で1日1万人の接種を実現できるかは「自衛隊次第」と“丸投げ”発言。自衛隊から「無責任だ」などと批判の声が上がっていた
 その自衛隊から今度は民間の人材派遣会社、旅行会社へ“丸投げ”された格好だが、ワクチン接種のドタバタ劇はいつまで続くのか。  (AERA dot. 編集部 吉崎洋夫)


ワクチン大規模接種センター 旅行代理店に業務委託のナゼ
                           日刊ゲンダイ 2021/05/12
 東京と大阪で自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センター。24日の開設予定だが、業務の一部を約36億8000万円で民間に委託することが分かった。
 岸防衛相は11日の会見で、「自衛隊はワクチン接種に専念をして、接種を支える受付、案内、予約、接種記録の管理といった周辺の業務については民間を活用することが効率的」と説明。
 民間看護師200人の派遣業務は7億6377万4000円で人材派遣業の「キャリア」が受注し、受付や案内などの会場業務については、東京会場は19億4899万9999円で「日本旅行」、大阪は9億6654万586円で「東武トップツアーズ」がそれぞれ受注した。
 人材派遣業の「キャリア」は、短期間で看護師を確保するノウハウがあるのだろう。

日本旅行「防衛省に確認して」
 解せないのは、なぜ会場業務を旅行代理店が担うのかということだ。しかも、2社は非公表の随意契約だった。ネット上では「コロナ感染拡大でGo Toキャンペーンを再開できない穴埋めなのか」「どうせ中抜き」「二階案件としか思えない」などと疑問や批判の声が上がっている。
旅行代理店はあくまで元請け。東京も大阪も人材確保は派遣会社に再委託されているようで、すでに複数の人材派遣会社が求人募集を始めていますね」(防衛省関係者)
 やはり中抜き事業ということか。具体的にどういう契約で何をするのか、日本旅行に問い合わせると、「まだ詳細についてお答えできる状況ではなく、防衛省に確認してほしい」(広報室)とのことだった。
 防衛省の報道担当はこう回答した。
「ワクチン接種の具体的な周辺業務に関しては現在調整中で、後日ホームページなどにアップする予定です。われわれが求める業務に応えていただける民間企業を幅広く検討した結果、旅行代理店に委託することになっただけで、決して最初から旅行代理店ありきで選んだわけではありません
 実は大手旅行代理店は近年、旅行手配以外の法人向け業務が比重を占めるようになっているという。
「入社式や株主総会、企業イベントの運営などを手掛ける代理店が増えている。地方創生に関する官公庁の仕事を請け負うこともあるし、日本旅行は全国100以上の自治体でワクチン接種業務を手伝っているという実績もあります」(旅行業界関係者)
 しかし、本当に「Go To」の穴埋めではないのか、二階案件ではないのか、菅政権は国会で説明すべきだ。