日刊ゲンダイの記事「しがみつく菅義偉に退場勧告 ボンクラ政権が続く損得 <下> 」の文字起こし版が、記事集約サイト「阿修羅」に載りましたので、紹介します。
<下> では日本経済がどうなるのかを論じています。
日本の対中輸出額は15兆円で最大の貿易相手国です。先の日米共同声明で米国の対中包囲網に同調したことについて、元外交官の孫崎享氏は「中国周辺で日本以外に対中包囲網に理解を示した国はない。中国は今後も世界経済を牽引する。その経済システムから離れると戻るのは難しくなる。最悪、長期間にわたって日本の経済成長を阻害する要因となり得る」と述べています。
経済アナリストの菊池英博氏は「菅首相には何のビジョンもない。史上最低の無能首相。経済重視を掲げながら、肝心の経済対策はスッカラカン。個人消費は冷え切り、成長につながるプランはない」と酷評しています。
また、菅首相は2030年に向けて温室効果ガスを2013年度に比べて46%削減するといきなり打ち上げましたが、梶山経産相によれば「緻密に積み上げた数字ではなく、日米首脳会談に向けて発表した異例の運び(要旨)」(で出された)ということで、実現するためには多大な経済的困難を伴うもののようです。もしもそうしたことに無知のままバイデンに迎合したのであれば首相の資格はなく、話になりません。
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しがみつく菅義偉に退場勧告 亡国ボンクラ政権が続く損得 <下>
日刊ゲンダイ 2021/05/02
(記事集約サイト「阿修羅」より転載)
バイデン隷従、日本経済にはすさまじいリスク
外交オンチの菅は、経済や安全保障、人権問題などで中国に対して強硬路線を取るバイデン政権に隷従。日米首脳会談後の共同声明では、香港や新疆ウイグル自治区の人権、台湾海峡の問題にも触れ、そろって対中包囲網の姿勢を鮮明にした。
だが、このまま米国と共同歩調を取ることは日本経済にすさまじいリスクを招くのは間違いない。日本にとって、中国は輸出額が約15兆円に上る(2020年)最大の貿易相手国だからだ。
尖閣問題が起きた12年、中国国内では「抵制日貨(日本製品ボイコット)」が掲げられ、日本製品の不買運動が勃発。自動車や家電製品のほか、日系百貨店やスーパーが大きく売り上げを落とし、日系店舗で略奪事件も起きたが、また同じ状況に陥るかもしれない。
さらに中国各地には多数の日本企業が生産工場や拠点を置いている。中国国内で昨年、新型コロナの感染が拡大した際には網の目のように張り巡らされた日本企業のサプライチェーン(供給網)が断絶され、あらゆる物流がストップして日本経済が大混乱した。不買運動が広がれば現地工場の閉鎖や撤退も余儀なくされるだろう。
日中関係の亀裂が深刻化すれば、インバウンドの恩恵を受けていた航空、観光業界も影響を受ける。旅館・ホテル、土産店、バス、タクシー……など、コロナ禍が収束したとしても、あらゆる業種を直撃するのは間違いない。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。
「中国周辺で日本以外に対中包囲網に理解を示した国はありません。中国は量、質の両面で今後も世界経済を牽引するでしょう。その経済システム、枠組みから離れると、戻るのは難しくなります。最悪、蚊帳の外に置かれた状態が続き、長期間にわたって日本の経済成長を阻害する要因となり得るのです」
外交戦略的な視点が欠落していると言わざるを得ない菅政権によって、日本経済は奈落の底に落とされるかもしれないのだ。
コロナ長期化、経済無策、頼みの株価に暴落の兆し
感染対策の「決め手」と言いながら、ワクチン供給では主体性ゼロ。第4波が猛威を振るい、収束に向けた出口は見えない。コロナ禍のさらなる長期化は必至だ。「新型コロナ対策と経済の両立」は実現されず、どん底に向かっている。
東京商工リサーチによると、新型コロナ関連の破綻は1400件超え。政府は倒産ラッシュの先延ばしを図り、実質無利子・無担保融資などで企業の資金繰りを下支えしてきたが、この1年で過剰融資が顕在化。借金漬けのゾンビ企業を量産し、返済に行き詰まった「息切れ倒産」が相次いでいる。勤め先が倒れれば、雇用調整助成金の特例措置もパー。雇用環境は一層悪化し、失業者の増加は避けられない。
経済アナリストの菊池英博氏は言う。
「安倍前首相もトンデモないトップでしたが、菅首相に至っては何のビジョンもない。史上最低の無能首相です。経済重視を掲げながら、肝心の経済対策はスッカラカン。コロナ禍で生活苦にあえぐ個人には直接給付すべきなのに、選挙対策で企業にカネをつけるからネコババが横行している。個人消費は冷え切り、成長につながるプランなし。米国やEUの動向を見ればおのずと答えは出るにもかかわらずです。米国は環境投資を含む2兆ドル規模のインフラ整備計画をまとめ、EUは今後10年間に官民合計で1兆ユーロを投じる。長期的な大規模プロジェクトによって設備投資や新たな雇用を生み出し、経済を下支えする戦略です」
菅は温室効果ガス削減目標を引き上げたが、数字合わせに過ぎず、原発再稼働にしがみついている。頼みの株価も暴落の兆しだ。
「日経平均株価は30年ぶりに3万円台に乗りましたが、実体経済を反映していないコロナバブル。悪材料がひとつでも出れば途端に売り浴びせられる」(菊池英博氏=前出)
亡国のボンクラ政権が続く損得は勘定するまでもない。しがみつく菅義偉に「退場勧告」あるのみだ。