I OCのジョン・コーツ調整委員長は「緊急事態宣言下でも絶対に五輪は開ける」(21日)と述べ、会長のトーマス・バッハは、国際ホッケー連盟のオンライン総会のあいさつで、「五輪の夢を実現するために誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない」(22日)と発言していました。「日本が犠牲を ・・・ 」と明言してはいませんが、「誰でも」の中に日本が入らない筈がありません。
一旦は落ち着いた英国でもいまインド株が猛威を奮っているということです。
日刊ゲンダイが「インド株感染は7月爆発! ~ 」とする記事を出しました。
同紙によれば空港検疫で見つかったインド株の陽性者数は、初確認された3月28日~5月7日の41日間で実に160人で、英国株の陽性者数は初確認から48日間で43人でした。インド株の優勢さを示しています。
空港検疫以外のインド株の国内感染例は、政府(厚労省)発表では17日時点で11人ですが、日刊ゲンダイが報道を基に18日以降の確認分も含めて独自に集計すると、23日までに計8都府県で27人に上り、うち海外渡航歴がない人は10人でした。
そもそも空港検疫以外のインド株の検査はごく僅かなので、市中感染の実数はこれよりもかなり多いものと思われます。
入国後の施設隔離の期間は国際標準は「14日間」なのですが、日本は僅かに3日間で、その後6日間に延ばし、さらに10日間に延ばす方針だということです。いずれにしてもなぜそんなに甘くするのか理解できません。
中原英臣氏(感染症学)は「英国のように日本でも7~8月ごろには、流行の主流が英国株からインド株に置き換わってもおかしくない」と述べています。
インド株は日本人の6割が持つ白血球「HLA-A24」の攻撃を逃れる性質を持つので、海外における感染爆発と同じことが日本でも起きます。そうなれば7月に感染爆発となります。
その責任は挙げて政府にあり、東京五輪を開催できる余地などありません。
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明らかに五輪憲章違反 政府は抗議し中止提起せよ
バッハ会長発言 小池書記局長が会見
しんぶん赤旗 2021年5月25日
日本共産党の小池晃書記局長は24日、国会内で記者会見し、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の「(東京五輪実現のために)誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない。そうすれば、選手は夢を間違いなくかなえることができる」との発言(22日)について、「五輪のために失ってよい命などない。誰もが犠牲を払わなければいけないような五輪は明らかに五輪憲章に反する」と厳しく批判しました。
小池氏は、五輪憲章が「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」だと定めていると指摘。「アスリートも犠牲の上に成り立つ五輪を望んではいないだろう」と強調しました。
また、IOCのコーツ副会長も、新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言が発令されているもとでも五輪開催は「完全にイエスだ」などと語ったことに言及。政府の基本的対処方針分科会メンバーの舘田一博東邦大教授が「東京で緊急事態宣言が出されている状況で五輪ができるとは思わないし、やってはいけないというのがみんなのコンセンサスだ」(21日)と語ったことを示し、「コーツ氏の発言は日本の専門家が示す実態も無視するもので、断じて許されない」と批判しました。
その上で、「日本政府は、バッハ会長、コーツ副会長の発言に抗議し、東京五輪の中止をIOCに提起すべきだ。その決断を日本政府と東京都に求めたい」と表明しました。
インド株感染は7月爆発! 水際対策また後手後手で同じ過ち
日刊ゲンダイ 2021/05/24
独自集計で8都府県27人「陽性」拡大
「インド株は水際ではかなり確認されてますけど、国内の発見例は今のところそれほど多くない状況だ」――。23日のNHK日曜討論で加藤官房長官は淡々と語ったが、鈍すぎる危機意識にア然とする。英国株の1.5倍の感染力を持つインド株は国内でもみるみる広がっており、早晩、流行の主流になる恐れがある。
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41日間で実に160人。初確認された3月28日~5月7日の間に、空港検疫で見つかったインド株の陽性者数だ。同じ検疫で英国株の陽性者は初確認から48日間で43人。増え方はケタ違いだ。
空港検疫以外の国内感染例も次々と確認されている。厚労省によると17日時点で11人。日刊ゲンダイが報道を基に18日以降の確認分も含めて独自に集計すると、23日までに東京5人、埼玉1人、神奈川3人、千葉6人、静岡5人、大阪2人、兵庫2人、鹿児島3人の計8都府県27人に上る。
中には市中感染の疑いも。東京4人、埼玉1人、千葉4人、大阪1人は海外渡航歴がなかった。大阪の吉村知事は「大阪で市中感染が生じている可能性がある」と警戒している。
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「今のところ、空港検疫以外のインド株の検査はごくわずかです。それでも南は鹿児島まで8都府県で確認されたのは市中感染がそれなりに広がっているとみていいでしょう。水際対策が後手に回り、失敗した結果です。変異株が流行していたインドからの渡航者の空港検疫による陽性者数は、4月には80人と3月の10倍に拡大。4月の早い段階で水際対策を強化すべきでした」
政府がインドを変異株流行国に指定したのは4月28日。5月1日にインドからの渡航者の規制を強化し、入国後の施設隔離3日間と14日間の自宅待機を求めた。それでも、与野党から「緩すぎる」との批判を浴びると、10日には隔離6日間に延長。さらに4日延ばし、10日間とする方針だが、なぜ国際標準の「14日間」にしないのか。そもそも遅いし、小出し過ぎる。
永久に続く「緊急宣言」
市中感染の対応も後手後手だ。
「ゲノム解析でなく、PCRの簡易検査で構わないのでインド株感染者を早期に見つけ、隔離して少しでも感染拡大を防ぐ必要があります。日曜討論で加藤氏は『徹底的に検査をし、インド株を早くに発見できる体制をつくっていく』と語っていましたが、明日にも実施すべき。1~2週間後に“体制”をつくっても、手遅れです。インド株の感染が急増している英国のように日本でも7~8月ごろには、流行の主流が英国株からインド株に置き換わってもおかしくありません」(中原英臣氏)
インド株は日本人の6割が持つ白血球「HLA-A24」の攻撃を逃れる変異を持つ。再感染や、ワクチンが効きにくくなる可能性も指摘されている。日本人泣かせのウイルスなのだ。
加藤官房長官は23日、東京や大阪などの緊急事態宣言の延長の可能性に言及。しかし、インド株の感染が7、8月に爆発すれば五輪を直撃するだけでなく、秋以降もずーっと緊急宣言が続く事態も現実味を帯びる。同じ過ちを繰り返す政府によって、バカでかいツケが回ってきそうだ。
バッハ「犠牲」発言で国民激怒…抗議できない日本政府
日刊ゲンダイ 2021/05/25
IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長の問題発言に日本中が怒り心頭だ。バッハ会長は22日、国際ホッケー連盟のオンライン総会のあいさつで「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」と発言。「われわれ」が日本人を含んでいるかは不明だが、さすがに日本中から「誰に犠牲を求めているのか」と反発が沸き起こっている。
なぜ、日本人の神経を逆なでするような言葉を口にしたのか。
バッハ会長は西ドイツ(当時)のバイエルン州出身。フェンシング選手として活躍し、1976年にモントリオール五輪のフルーレ団体で金メダルを獲得している。
大学では政治学と法学を学び、82年に司法試験に合格して弁護士事務所を開設した。アディダスの国際関係部局の責任者を皮切りに、電機大手シーメンスの顧問などを歴任。スポーツ界にも食い込み、91年にIOC委員に就任。96年に理事になり、2013年、第9代IOC会長に選出された。
バッハ会長は先ごろ、米紙ワシントン・ポストに「ぼったくり男爵」と批判されたばかり。IOC会長としての年収は22万5000ユーロ(約2970万円)だが、実収入は軽く億を超えているのではないか、とみられている。
国際政治経済学者の浜田和幸氏が言う。
「年収は最低でも1億円と言われています。また、IOCが設立したネット放送局『オリンピック・チャンネル』に自分の親族を入れている。ちなみにバッハ氏は貴族の家系ではない。『ぼったくり男爵』という蔑称は、五輪創設者クーベルタン男爵をもじった皮肉でしょう」
IOCは32年までの夏冬6大会で、米NBCとの契約だけでも76億5000万ドル(約8200億円)の契約を結んでいる。無観客でも大会が開かれれば放映権料が入るため、どんな犠牲を払ってでも日本政府に東京五輪を開催させるつもりのようだ。
「バッハ氏は弁護士だから、たとえ五輪を強行して東京にコロナが蔓延しても、責任の抜け道も考えているはずです」(浜田和幸氏)
情けないのは、「犠牲」発言に対して、菅首相も、小池都知事も、丸川五輪相も、橋本組織委会長も、真意を求めることもせず、だんまりを決め込んでいることだ。
「バッハ発言が『日本人は犠牲を払ってでも五輪を開催せよ』との意味だとしたら、日本は国辱を受けたことになります。それでも日本が説明を求めないことに、バッハ会長は『やはり日本は自分に逆らえない』とほくそ笑んでいる可能性があります」(政治学者の横山北斗氏)
いまごろ「バッハハハ!」と高笑いしていておかしくない。