野村総合研究所の試算によると、東京五輪・パラを開催した場合の経済効果は１兆8108億円（無観客開催では1468億円減）で、中止した場合の損失額は同額であるのに対して、これまでに発令された緊急事態宣言による経済損失は、昨年４～５月の１回目は６兆４千億円、今年１～３月の２回目は６兆３千億円、４月以降の３回目は少なくとも１兆９千億円となりました。
要するに大会を中止した場合でもその経済損失は「宣言１回分よりも小さい」ということで、無為無策によって緊急事態宣言を繰り返し、かつその期間を長くせざるを得ない事態が最も経済的損失が大きいことを示しています。これは当初から言われていたことで、今回の試算はそれを明らかにしました。
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東京五輪の強行開催に警鐘…緊急事態宣言の発令なら損失は「中止より大きい」 野村総研が試算
東京新聞 2021年5月25日
東京五輪・パラリンピック開催を中止した場合、経済的な損失が１兆８千億円規模に上ることが、野村総合研究所の試算で２５日、分かった。一方、試算を公表した専門家は、開催をきっかけに新型コロナウイルス感染症が再拡大して緊急事態宣言が発令されれば「経済損失の方が（効果より）大きくなる」と指摘、強行開催に警鐘を鳴らした。
試算を発表したのは、木内登英エグゼクティブ・エコノミスト。大会組織委員会が昨年１２月に公表した予算などを基に、国内観客の受け入れの有無や規模に応じて、チケット購入や関連する消費支出などへの影響額をそれぞれ分析した。
国内観客を制限なく受け入れる場合の経済効果は１兆８１０８億円と算出し、大会中止なら同額の損失が生じるとした。また無観客開催の場合の経済効果は１４６８億円減り、１兆６６４０億円にとどまると予想した。
これに対し感染防止のためこれまでに発令された緊急事態宣言の経済損失も推計した。昨年４～５月の１回目は６兆４千億円、今年１～３月の２回目は６兆３千億円、４月以降の３回目は少なくとも１兆９千億円と計算。大会を中止した場合でも経済損失は「宣言１回分によるよりも小さい」と指摘した。（共同）