2021年5月16日日曜日

虚ろな首相はもう限界 「総辞職は時間の問題」という声も 

 これまで政府方針を追認してきた政府のコロナ分科会が14日、ついに政府の「まん延防止等重点措置」と「緊急事態宣言」の発出についての当初案に対して、グレードと対象地域に関して「ノー」を突きつけてひっくり返しました。分科会の尾身茂会長は、当初の諮問案でまとめようとしたのですが、委員会内の異論が強すぎて抑えられなかったようです

 尾身会長はいわば官僚なので政権としては御しやすく、事実これまで一貫して政府に迎合的でした。しかしいまやコロナが全国規模で「感染拡大」のレベルに入り、大阪では医療崩壊の段階に入って久しいので、分科会の委員がさすがにこれまでのあり方に業を煮やしたのだと思われます。
 問題の根源は菅首相の「認識の甘さ」にあるのですが、それを追認し助長してきた分科会の責任は決して小さくはありません。
 そしてこの「ノー」は「重点措置」と「緊急事態宣言」の発出に留まるものではなく、この先分科会は「緊急宣言」の解除も簡単に認めない筈なので、東京五輪・パラの開催はますます難しくなります。そうなれば自動的に菅政権の命運も尽きることになります。

 日刊ゲンダイが、「『総辞職は時間の問題』という声も 虚ろな首相はもう限界」とする記事を出しました。記事の中で、菅氏がなぜ着任早々に「裸の王様」になってしまったのかについても解説しています。それを読むとまことに自業自得がピッタリの経過です。
 いずれにしても「裸の王様」が国のかじ取りを行うなどはあってはならないことです。
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「総辞職は時間の問題」という声も 虚ろな首相はもう限界
                         日刊ゲンダイ 2021/05/15
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 さすがに専門家たちもこれ以上、この政権の言いなりになっていたら、大変なことになると危機感を持ったのだろう。菅政権の“追認機関”になり下がっていた、新型コロナに関する「基本的対処方針分科会」が、14日ついに反旗を翻した。政府が用意した当初案にノーを突き付け、ひっくり返してみせた。
 政府は当初、北海道には「まん延防止等重点措置」の適用を継続し、新たに岡山と広島に「重点措置」を適用する方針だった。ところが、分科会のメンバーから異論が噴出。当初案が否定され、北海道、岡山、広島には、「重点措置」ではなく「緊急事態宣言」が適用されることになった。政府の諮問が分科会でひっくり返されるのは初めてのことだ。
「分科会の反乱は、まったく予期せぬものでした。朝7時からスタートした会議の冒頭、コロナ担当の西村康稔大臣が政府案を説明しようとした途端、専門家が一斉に反発。日本医師会の釜萢常任理事が口火を切ると、『なぜ、北海道に緊急事態宣言を適用しないのか』の声が噴出した。分科会の尾身茂会長は、当初の諮問案でまとめようとしたが、異論が強すぎて抑えられなかったようです。西村大臣が退席し、菅総理と相談したうえで、政府案を撤回しています。御用機関”だった分科会の反乱には衝撃が走っています」(政界関係者)
 分科会が反乱するのは当たり前だ。北海道も岡山も広島も感染拡大が止まらなくなっている。とくに北海道は13日、新規感染者が過去最多の712人も発生。いつ医療崩壊してもおかしくない状態である。「緊急宣言」を適用しない方が、どうかしている
「北海道について菅首相は、『重点措置の効果を見たい』などと悠長なことを言っていました。さすがに専門家は、あの一言に切れたのだと思う。今回決起した最大の理由は、菅首相に対する不信感でしょう。これだけ感染が広がり、大阪は医療崩壊しているのに現状を直視せず、現状を分かろうともしない菅首相の態度に堪忍袋の緒が切れたのだと思います」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 専門家は決起するのが遅すぎたくらいだ。

かつての宰相は物言う側近を重用した
 分科会がノーを突き付けるのも当然だ。もともと菅首相は中身のない空疎な男だが、最近は度を越している。言葉の軽さには国民ものけぞっているに違いない。
 13日に森田健作・前千葉県知事と官邸で昼食を共にした時の会話には呆れるしかない。
「(五輪を)やるでしょ?」と聞かれると、菅は軽々しく「やるよ」と答えたという。
 この時期に不要不急の昼会食をやること自体が軽率だが、これほど新型コロナの感染が広がり、国民の多くが開催を不安視しているのに、よくもお気軽に「やるよ」と言えたものだ。この軽さは何なのか。
「7月末までに終える予定」の高齢者へのワクチン接種を巡っても、間抜けぶりを露呈した。公明党の石井啓一幹事長との会談で「9月、10月までかかる自治体がある」と伝えられると「え、そんなに遅れるところあるの!」と驚いたというのだ。7月末に完了不能なのは大半の国民が分かっていることだ。なのに、初めて聞いたように驚くとは、国民の方こそビックリするというものだ。国民の多くが「バカか、こいつは」と思ったに違いない
 菅はたたき上げを売り物にしているが、もはや正しい情報が入らない「裸の王様」になっているのではないか。政治評論家の森田実氏はこう言う。 
「周囲に耳の痛いことを言う側近がいないと、権力者は世の中が見えなくなっていくものです。だから、かつての宰相はあえて厳しい意見を述べる人物を近くに置いた。池田勇人首相には大平正芳官房長官が厳しい意見をぶつけ続け、田中内閣でも、二階堂進官房長官が田中首相にしばしば詰め寄った。池田、田中両氏は側近の意見を聞いたからこそ、国民の思いに寄り添うことができたのです。しかし、菅首相は、進言する部下をドーカツし、意に沿わない官僚を閑職に飛ばしている。恐らく、いま周囲にいるのはゴマをすり、忖度する側近ばかりでしょう。マトモな情報が上がってくるわけがありません

周囲はトンデモ人物ばかり
 実際、菅の周囲にいるのは“茶坊主”か常識外れの人物ばかりだ。
 最側近は“コネクト不倫疑惑”が騒がれた和泉洋人首相補佐官のうえ、官房副長官につけた子飼いの坂井学は、コロナ禍なのに官邸で昼食パーティーを開くような人物だ。さらに、首相が内閣官房参与に抜擢した高橋洋一氏は、コロナに感染して亡くなった人が1万人を超えているにもかかわらず、〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉とツイートするありさまだ。取り巻きがそんな輩ばかりでは「裸の王様」になるのも当然というものだ。
「安倍前政権には曲がりなりにも、菅官房長官がいました。また、側近の今井尚哉・首相秘書官も安倍前首相に物申すこともあった。でも菅首相には、そうした人物がひとりもいない。それに安倍前首相は無知であることを自覚していたからか、それなりに専門家の意見にも耳を傾けていた。分科会の尾身会長の話も熱心に聞いていました。でも菅首相は人の話を聞かない。あれでは状況が見えなくなりますよ」(官邸事情通)

 前出の森田実氏はこう言う。
「今回の緊急宣言適用には、知事たちから歓迎や評価するコメントが上がりました。いかに菅政権の当初案が地方の首長たちとズレているかが分かりました。分科会も全会一致で適用を了承した。政党に担がれて選挙に勝った知事や、専門家には、政府の意向に逆らわない“おとなしい”タイプが多い。ところが、さすがに現状の危機に声を上げざるを得なかったのでしょう。結局、危機感がないのは菅首相だけです」
 4月に内閣支持率が上がった際、菅は「俺も結構、人気があるんだ」と明るい表情で周囲に話したという。勘違いも甚だしい。

分科会が総辞職の引き金に
 もう、この男にコロナ対策を任せていたらダメだ。
 すでにコロナ死は1万人を突破。病床が空かないために、入院することもできずに亡くなる感染者も出ている。このままでは、どこまで犠牲者が増えるか分からない。
 菅政権の後手後手によって、とうとうインド株の市中感染まで見つかってしまった。あれだけ専門家が警告を発していたのに、水際対策を強化しなかったのだから、どうしようもない。
 どうして菅政権はこれほどまでに後手後手、失敗続きなのか。そもそも、本気でコロナと向き合っているのかも疑問だ。
「恐らく菅首相は、いま日本が国家的な危機に直面しているという認識さえないのだと思う。大阪という大都市で1万人以上が入院できないのは異常なことですよ。分科会のメンバーが反旗を翻したのも、菅首相にコロナに立ち向かう覚悟が見えなかったからでしょう。菅首相から透けて見えるのは、コロナ対策も五輪開催も、すべて政権維持のためだということです。五輪開催に執着しているためにコロナ対策が後手に回っていますが、その五輪開催も、アスリートのためではなく、政権浮揚のためなのは明らかです。菅さんは、総理になってはいけなかったのだと思います」(五十嵐仁氏=前出)

 分科会が造反したことで、菅内閣の総辞職も時間の問題だという見方が強まっている。これまでは分科会を利用して、「専門家の意見に従い」などと、もっともらしいことを口にして勝手なことをしてきたが、分科会がアンコントロールになったからだ。この先、分科会は「緊急宣言」の解除も簡単に認めないだろう。となれば、オリンピックの開催はますます難しくなる。五輪中止なら、菅政権は即刻、退陣となる可能性が高い